日常209 | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

見送りと称し

 

店舗前で知人夫婦に

 

見守られつつ

 

車に戻るのは

 

 

正直勘弁してほしくて

 

 

彼等が店から出ない様

 

念を押しつつ

 

 

車へ早足で戻り

 

 

フラットに倒れたままの

 

ナビシート

 

フロントガラス越しに

 

彼の影 確認してから

 

運転席に乗り込めば

 

 

彼の端末からの音楽が

 

止まっている無音の車内

 

 

俺の動作音ばかり

 

どさどさと にぎやかで

 

 

眠ってる彼の体が

 

俺の存在感に

 

もぞもぞと動き

 

 

反応するのを

 

視界に捉えつつ

 

 

知人の嫁に渡された

 

ブランケット

 

 

早速と 彼の体に

 

掛ければ

 

 

がばっと

 

反射的に

 

振り払われ

 

 

「ぅわっ…びっくりした」

 

 

起きてたとしか思えない

 

反応に

 

 

声を上げれば

 

 

少し もぞっと身じろいだだけで

 

俺に向けたままの背中

 

微動だにせず

 

…あれ? やっぱまだ起きてないのか?

 

 

 

確認と言う 免罪符

 

引っ提げ

 

 

ナビシートの傍に

 

手を突き

 

彼の上に覆いかぶさる格好で

 

 

向こうを見てる

 

彼の顔

 

 

覗き込めば

 

 

閉じられてた目が

 

俺の影の下で

 

薄っすらと 開かれ

 

 

二人分の加重で

 

軋んだシートのたわみに

 

身の危険 察したとしか思えない

 

反応で

 

 

開いた途端に

 

しかめられた 表情で

 

 

睨み返されたから

 

 

「…いや 寝てていいですよ…」

 

 

言い訳できない

 

覗き込んでるこの体勢は

 

襲い掛かってる態に

 

見えなくもなく

 

…ってか

 

見えてるよなぁ…と

 

 

無欲で無害を意識した

 

表情を作りつつ

 

 

目的のひとつである

 

晩飯の確保は済んだ

 

次は

 

 

眺めのいいロケーション

 

目指して 行くだけなので…と

 

寝ぼけているのかも

 

って 反応見せてる彼に

 

説明しつつ

 

体を運転席に戻せば

 

 

一端 跳ね返したブランケットに

 

気付いた彼が

 

 

無言なままパッチワーク

 

眺めているの

 

気付いて

 

 

「…あぁ それ

 

 防寒にって貸してくれたもので…」

 

まだ

 

俺のステディー用に

 

準備されたモノとは

 

流石に 口にはできず

 

 

不意に

 

店舗の方へ視線向ければ

 

 

俺達が出発するまでは

 

消さずに居てくれるって事か

 

店内から漏れる明かりに

 

ひやかされた経緯

 

思い出しつつも

 

満更では無かった俺は

 

つい

 

口元が緩んで 仕方ないのを 

 

咳払いで

 

誤魔化した

 

 

 

  つづく