九十九【58】 | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

伯母からの就学祝い

 

従兄の御下がりだが

 

左程古くないPC

 

…どころか

 

従兄が使ってた際のアプリ

 

消去されないまま

 

譲り受けた状況から

 

家族会員状態で

 

有料チャンネル視聴可能

 

…って事に

 

気付かせてくれた 同居人

 

とりあえず

 

 

ラッキーとばかり

 

この状況に浮かれていたも

 

一応

 

 

「…伯母に一言

 

 この状態な事知らせておこうかと…」

 

知らないままなら

 

気にならなかった

 

ボーナス的な得点

 

なのだけど

 

それを付与する側になった伯母が

 

ひょっとして

 

知らなかった…って事だと

 

フェアじゃない気がして

 

 

そもそも元の持ち主である

 

従兄本人にも

 

確認が必要だろうと…

 

 

「…まじめだねぇ…

 

 確かこのての配信サービスって

 

 おまけみたいなもんで

 

 契約本体で見られるものが全部

 

 見られるものではなくて…

 

 だから 特に加算されたサービスとかじゃなく」

 

 

やけに詳しく

 

同居人が解説するの

 

ほぉ…とか聞きつつ

 

 

けど

 

知った以上

 

黙っていることで

 

視聴のたびにモヤモヤするの

 

しんどいから

 

 

見られなくなるかもしれない

 

可能性と引き換えに

 

自分が楽で居たいがための

 

行動

 

 

スマホから

 

メッセージの形で

 

ざっくり

 

PCの状況説明

 

 

文字で打ち込んで

 

けどまだ伯母への

 

送信せずに

 

とりあえず

 

 

「…見たい映画って

 

 2時間くらい?

 

 急だけど

 

 今夜貸すってのはどう?」

 

 

まず

 

彼が見たいって映画だけでも

 

観させてもらってから

 

知らせるのでも いいよね…って事で

 

急かす格好になりつつ

 

けど

 

見たいって言った彼に

 

俺が安易に

 

“いいよ”って言った

 

そこんところの

 

約束は守ろうと

 

 

視聴開始に対して

 

勝手にリミット設けて

 

申し訳ない…が

 

 

と 

 

PCを押し付けにかかれば

 

 

「…まじめだねぇ…」

 

さっきから

 

彼は同じ感想

 

繰り返しつつ

 

 

不意に 片肘をついて

 

ふふ…と 笑うと

 

 

 

「黙って得してる感じってのが

 

 どうも 苦手なんだね

 

 分った

 

 けど 仕事の準備とかまだあるから」

 

 

きょうこれからって

 

俺の申し出に やんわり

 

無理って答えつつ

 

 

「…どうせ君は見ないんだろ?

 

 なら

 

 もう少しの間

 

 このことは気付かなかったふりして

 

 …来週まで待ってくれないだろうか?」

 

 

伯母に伝えたから

 

すぐに使用が不可になる

 

…なんてことはないかもしれない

 

けど

 

意外とシビアな対応されるかもしれない

 

 

ぐるぐるする思考

 

…ならば…と

 

俺は彼の申し出に

 

軽く頷いた

 

 

  つづく