人が飯を食うところを

 

見るのが好きだって

 

タイプの人間が

 

結構いるのは

 

知ってたけど

 

まさか僕が

 

こんな風に

 

人が飯食ってる姿みてて

 

飽きない

 

…どころか

 

色々妄想して　楽しめてるって

 

現状に

 

 

「…なるほど　こういう事か…」

 

と

 

綺麗な女の子の

 

大食い映像がバズる理由

 

今更のように

 

納得しつつ

 

自分のフェチの可能性に

 

脳内で言及していれば

 

 

流石の暑さか

 

彼が

 

手の平で

 

ひらひらと

 

風を送る動き

 

し始めたの見て

 

 

あぁ…と

 

気を利かせて

 

空調の設定温度

 

ちょこっと弄って

 

室内温度　下げようと

 

ぽちっと

 

それっぽいリモコン

 

触ってみれば

 

それは照明のスイッチだったようで

 

急に

 

室内の明かり

 

すん…と暗くなって

 

 

「…なに？」

 

僕より彼の方が

 

ビビるだろう

 

シチュエーションで

 

先に声を上げたのは

 

僕で

 

 

「…なに？って

 

　君が操作してんじゃん」

 

いたって冷静な彼の声

 

 

…確かに

 

と

 

頭では納得できていても

 

思ったことと違う動き

 

見せられると

 

脳がバグる訳で

 

さっきぽちったリモコン

 

よせばいいのに

 

指先の運動神経

 

反射的に

 

再度ぽちって

 

更に暗くなって

 

けど

 

闇にはならない

 

間接照明に　切り替わって

 

ボンヤリ壁を照らす照明の加減で

 

 

「…深海…ってイメージかな？」

 

 

青みのかかったライトの光と

 

交合に

 

白いライトが配置されて

 

照明の重なった部分が

 

明るくなり過ぎないよう

 

計算されている様で

 

 

「…なんか　ザワザワする…」

 

その彼の感想には

 

僕も同感で

 

本能的な部分

 

暗くなった空間に居れば

 

ありがちながら

 

不安感から

 

誰彼かまわず

 

すがりたくなる心理

 

いいように刺激されてるな

 

…って感じで

 

空間から受ける

 

心理状態

 

自己解析しつつも

 

元に戻せば済む話

 

と

 

リモコンぽちり続けるも

 

 

プラスマイナス反応の様で

 

一周したら元に戻る

 

ってタイプではなく

 

逆の反応する方を押さない限り

 

…って事の様子に

 

指先の感覚で

 

対になる隣をぽちれば

 

壁の向こう側の部屋のライトがついて

 

なんと

 

風呂場の様子が丸見え演出に

 

わぁ

 

って内心

 

驚きつつも

 

 

「…おもしれぇ…」

 

 

思いがけない部屋のギミックに

 

興奮半分から

 

素直な感想が

 

僕の口からこぼれた

 

 

　　　つづく