ニセコのダチョウ牧場(第2有島だちょう牧場)

ダチョウの孵化から解体まで行い、命を頂く事、牧場を営む事で得た、学びや気づきを記録しています。

今年もお世話になりました。

2021年12月31日 | 日記
今年も皆さんには大変お世話になりました。

これまで牧場はチラシを作って配ったり、広告を出したりといったことはしていないので、純粋に皆さんの口コミのおかげでメディア様などにたくさん注目していただき、今日までやってこられていると思いますし、今年もたくさんのお客さんが来てくださって、大変ありがたかったです。

まだまだ皆様に充分還元できてはおりませんが、関わってくださる皆様に楽しんでいただいたり、喜んでいただける牧場にしていくため努力していきたいと思いますので、今後とも皆さんのご協力のほどよろしくお願いいたします。

最近は穀物などの値上がりに伴い、原材料や飼料、燃料の費用などが上がっていますが、おからやビール粕、余ったパンや貝殻などをたくさんいただいていることに加えて、皆さんがどら焼きやおやつをたくさん買ってくださったおかげで、良質の餌を与えることができ、だちょうさんはお腹いっぱいで幸せな年越しが出来そうです。
こちらもだちょうさんに代わって厚く御礼申し上げます。







私が世話を引き継いだ頃はだちょうさんには悪いと思いつつ、餌代を切り詰めていたので、今は良いものをたくさん食べさせることができて、本当に有難いなぁとつくづく感じて過ごしています。

佐々木食品さん、湧水の里さん、ニセコビールさん、羊蹄山麓ビールさん、さいとう製ぱんさん、ようていニセコ市場さん、寿都魚一心さん、その他にもたくさんの農家さんに支えられておりまして、この場を借りて皆さんにも御礼申し上げます。

地域の産業が発展することで、牧場の産品を低コストで生産することにつながり、結果的に地域の魅力を高めることができる現在の形はとても良いと考えています。
地域の事業者が産業廃棄物として廃棄するコストや労力の削減と本来は輸入された穀物などを飼料として与えたんぱく質を作ることで環境に与える影響も減らすことができます。
これは100年前に農場を開放した有島武郎が唱えた「相互扶助」という考えや自然物を共有することについての考え方にも即しています。

また、地域の産品を小さな発信力であったとしても、お互いに発信しあうことで訴求力を高めていくことが望ましいと思います。
域内でモノと資本の移動を完結することが結果的に地域の雇用や労働力、資本を守ることにつながり、エネルギーのロスを減らせます。
地域の中小企業は人々の暮らしに寄り添って成り立ってきた側面が大きく、画一的な大手の企業文化や経済活動と寄り添いながらその街の歴史や文化を守る力となります。
たとえば、どの町に行っても国道沿いに同じようなお店が立ち並ぶ光景がよく見られます。
小さな店の商売が成り立たなくなると地域の産業は衰退していき、町の活力も衰え、人口も減っていきます。
最終的には国道沿いにあった大手企業のお店もなくなり、その街にあった歴史や文化も無くなってしまいます。
目に見えない形で徐々に域内の産業から資本と人材が流れ出ていく状況をほっておくと取り返しがつかないということが良く分かります。
北海道はどこもそのような状況が今後も続いていくのだと感じます。
元々は広い土地に、効率的な農業生産の可能性や石炭などの資源を持っていたにも関わらず、自然を破壊するように開発して得た資本はどこへ行ってしまったのでしょう。
かつて松下幸之助は北海道は北欧3国にも勝る発展の可能性があると言っていました。しかし、いまでは人口の流出は止まらず、社会の発展は望めないので、いかに社会インフラを保ちながら町をコンパクトにしていくかという課題に取り組んでいます。
衰退していく地域の中で、社会の生産性や文化、自然環境を維持していく仕組みを考えるというのはなかなか難しい気もしますが多くの知見が増えたことや今まで省みられることがなかった自然に配慮した行動が支持されるようになったと感じています。
地球環境のことや地域の問題、少子高齢化問題などの頭を悩ませる課題が多すぎる状況ではありますが、だからこそ些事などに囚われずに大きな視野で「相互扶助」的な考えを持って人々は助け合う必要があるなぁとつくづく感じています。
私も微力を尽くさなくてはなりませんね。



長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。
良いお年をお迎えください。

















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