お早うございますフィギュアスケート好き主婦kokoanです。
グランプリファイナルも間近に迫ろうという今、まだNHK杯を語ろうとしております。
というのも、この試合で特筆すべきは、全カテゴリー、全選手の演技をテレビで見ることができる点で、全てを見ることでフィギュアスケート界の「今」を大まかに把握できる貴重な機会だったと思うから、最後にもう一度、振り返っておきたかったのです。
まずは推しのいる男子から。
王者の貫禄を示した宇野昌磨選手。
技に磨きをかけ、別次元の境地に足を踏み入れようとしているように感じられる、このところの昌磨くんの演技です。
そして、ベテランならではの勝負強さ、冷静さにも注目すべき点が見られました。
本番直前に、自分でエッジの位置を変えるとか・・・あれ、色んな意味でびっくりしました(笑)。
ショートの大人っぽい雰囲気も好き。
壮大なスケールの曲に負けない神々しさを放つフリーには、いつも息をのみます。
演技が終わると、演技中とは別人のようにかわいくなる昌磨くんに、変わらなさを見て安心してしまうkokoanです。
まるで自分のことのように山本草太選手の快挙を喜んでいた、最も昌磨くんらしい笑顔、ここにもありましたね。
すばらしいコーチ、サポートしてくれるスタッフに恵まれたのも、自分よりも人のために頑張る時に最も力を発揮できる昌磨くんにとって、大事な要素なのでしょう。
チームの力で導いた勝利という側面も、このNHK杯では特に見逃せないポイントだったと思います。
男子では、草太くんのショート、チャ・ジュンファン選手のフリーも心に残ります。
ジュンファンの表現するプログラムの世界観が衣装も含め好みで、もしベストドレッサー賞があるならば、私はエキシビションのジュンファンの衣装に贈りたいですね。
あの衣装よかったな~。
エキシビションって、衣装が途端に殺風景になる人が多いんですよね。
普段着っぽくなるといいますか・・・。
せっかくスポットライトで美しく演出してもらえるので、衣装もそれなりにもう少しエンタメ性を出してもらえたらな・・・なんて生意気にも町田樹氏のような細かいこと言ってしまいましたが(笑)。
さて本題に戻りまして、ペアを見ましょう。
りくりゅうの優勝で始まり、りくりゅうのエキシビションのトリで終わったNHK杯ですから、間違いなく今回の試合全体を代表する選手たちです。
今までにない、さわやかな個性を持ったペアとして世界中から好感を持たれたことでしょうし、実力としても、もう世界のトップ選手だと胸を張って言えるところまで、短期間で駆け上がってきてくれました。
ただ、ペア全体を見た時に、ペア人口の少なさは懸念材料ではあります。
今回も、6組のエントリーで、お世辞にも多いとは言えませんし、特に日本は、りくりゅうの活躍で出場権が3枠あるにもかかわらず、3組、揃わないという現実・・・。
ペアの育成はフィギュア界全体の課題なのかなと思いました。
日本では、アイスダンスのカップル育成も、課題になっていることでしょう。
アイスダンスは最も国際色豊かに、色んな国からのエントリーが目立つカテゴリーという印象で、それだけ世界ではシングルよりむしろアイスダンスが盛んなのだということに気づかされます。
髙橋大輔という偉大なスケーターが日本のアイスダンスにいい刺激を与えてくれたことは紛れもない事実だと思いますから、かなだいが活躍しているうちに日本は何らかの手を打っていかなくてはならないんじゃないかと、将来を考えると今チャンスよ!と叫びたくなりますね(叫ぶしかできないけど)。
世間の人が注目すること、選手育成と同時に必要なことでしょう。
そういう意味でも、りくりゅうやかなだいの活躍でペアやアイスダンスに興味を持つ人がどんどん増えていくことは期待したいですし、これらのカテゴリーについて意外に見逃せないのは、解説の力だと個人的には思います。
技の名前からして複雑で、シングルに比べるとわかりにくさが、特にアイスダンスにはあります。
ですから、解説のかたが、技の名称だけでなく見どころをわかりやすく伝えてくれることがシングル以上に重要になる気がします。
その点で、ペア解説の高橋成美ちゃんは秀逸でした。
成ちゃんは、個人的な思いでガーっと突っ走っていってしまうところはありますけれど(笑)、彼女の着眼点はなかなか面白く、他の人にはない切り口でいて、こちらの知りたいことをわかりやすい表現で生き生きと語ってくれるところがとても魅力的です。
こういう楽しい解説が、ペアに興味を持ってもらうきっかけになることだってありうると思います。
さて、女子シングルですが、私はフィギュア界の現在の状況を最も端的に表していたのがこのカテゴリーだったと思っています。
ロシア女子が4回転ジャンプをポンポン跳んで表彰台を独占するという風景が消えた今、色んなことを言う人がいます。
ロシアには優れた選手がたくさんいることは事実で、なんの罪もない公明正大な選手たちもいることは知りつつ、ロシアが国際大会から締め出され、その結果として特に女子において高難度ジャンプを試合で見ることが激減した、そんな現実を、それでも私は嘆かわしく思うことはありません。
国際試合は、今、健全な状態で機能しているといえるからです。
平和を尊び、ルールを守ってクリーンな試合をしようとする人々だけが集まっている、それはスポーツをするうえで何より大事な条件だと思いますから、この状況を残念には思いますが不満はありません。
現世界女王、坂本花織選手のように、一つ一つの技術のクオリティーを高めることを極めていくのも素晴らしい一つのスケーターとしての在り方だと思います。
かおちゃんは、エキシビションの衣装も手抜きしないし。
クオリティーにこだわる選手は、エキシビションの衣装もしっかり考えて氷上に立っている傾向があるように思います。
大技に挑戦する選手が減ったカテゴリーの女子シングルではありますが、そんな中、大技に挑戦した選手に日本人が目立ったことには、やはり嬉しさを感じます。
フィギュアの技術は確実に進歩し、その歩みは止まったわけではないことを実感させてくれます。
4回転トウループに挑んだ住吉りをん選手。
彼女、照明の中、滑るのは苦手?それともたまたまだったのか、エキシビションではジャンプで転びまくっていて、ご本人もあれれ?と思いながら滑っていたようですね(笑)。
ちょこちょここういう選手お見かけするのですが、エキシビション独特の何かがあるのかもしれません。
でも、晴れやかな表情!
そしてフリーでトリプルアクセルを決めた渡辺倫果選手。
トリプルアクセルは、男女とも日本選手のお家芸だと実感できる喜び!
でも、私は基本、シニアの選手は、それぞれの持ち味を極め、円熟の魅力を見せていってくれるカテゴリーということでもいいのかなと思わないでもなく、ジャンプの大技は体重の軽いジュニアの選手たちで堪能させてもらえばいいのでは、なんて勝手に思ってます。
今回の金メダリストたち。
女子の優勝は、キム・イェリム選手でしたが、韓国選手は今回3人、エントリーしていて、どの選手も3回転+3回転の組み合わせとしては二番目に難しい、ルッツ・トウループの組み合わせを当然のように跳んで、着氷させているところに脅威を感じます。
(ちなみに一番、難しいのはルッツ・ループですね。)
韓国女子はキム・ヨナの頃から、トリプルルッツが得意な傾向にあるような気がします。
対して、日本選手は、あんまりルッツ得意ではないかも・・・?
そんな課題も見えつつの女子でした。
そして、NHK杯のエキシビションといえば、未来のシニアトップ選手になる可能性を秘めた逸材が招待される楽しみがありますね。
りをんちゃんも倫果ちゃんも、ノービス時代に出演して今に至っています。
今回、これは楽しみ!と思ったのが、吉野咲太朗選手。
ちょっと小学生の頃の昌磨くんを見た時に近いときめきを感じましたよ。
もう立派に表現者の顔を持っていて、惹きつけられました。
NHK杯、あれやこれや喋り倒しましたが、そろそろこの辺で。
お付き合いありがとうございました。
画像は多方面からお借りし、感謝します。
二年前、コロナ禍で日本選手のみでおこなわれたNHK杯・・・こんな年もありましたね・・・↓