金利はどうやって決まっているのか?

変動金利はその名の通り、借入金利が毎月変動する金利です。
まず、何をもとにその金利を決めるのでしょうか?

 

【短期プライムレート】
金融機関が、優良企業向けに1年以内の期間で貸出しを行う、金利のこと。

変動金利は、この【短期プライムレート】に連動して各金融機関が決定しています。

また、固定金利は長期金利と呼ばれている、債券(国債)の金利に連動し、決められています。

 

都市銀行(三井住友、三菱東京UFJ、みずほ銀行、りそな銀行等)は、長期、短期の市場金利に連動し、横並びの金利を設定してます。
ネット銀行系(住信SBI、ソニー銀行、新生銀行等)は、独自の変動金利を設定しているところもあります。

 

勿論、ネット銀行系も市場金利をもとに金利を決定していますが、仮に市場金利が上昇した場合、横並びの設定をしていないため、都市銀行よりも大幅に貸出金利を上げる可能性が無いとも言えません。
変動金利を独自で設定している金融機関を選ぶ場合は、そう言ったリスクも把握した上で、検討して下さい。

 

変動金利と固定金利のメリットとデメリット

【変動金利について】
変動金利は、固定金利に比べて、金利が安い。
つまり月々の支払いが安いという理由で、選択する方が多い傾向にあります。
勿論、その傾向も全く間違っている訳ではありませんが、
変動金利の仕組みにについて、きちんと把握して置かないといけないポイントがあります。

 

変動金利は、通常、2年に1回の見直しを行います。
これに基づき、返済額が当然に変化しますが、この返済額については、5年に1回の見直しとなります。
金利が上昇傾向となった場合、5年毎の見直し時、月々の返済額は上がることとなります。
仮に月々の返済額が、10万円だった場合、見直し時には20万円になってしまうことがあるのでしょうか?!

 

それは、ありません。
金融機関では金利が上昇しても、月々の返済額の125%までを上限としています。
(ex. 月々10万円→上限12万5千円)

 

ここで注意をしなくてはいけないポイントがあります。
大幅な金利上昇があり、125%に収まらない上昇となった場合、どうするのかと言うことです。

 

月返済額=金利+元金

 

カラクリとしては、金利が上昇した場合、上記の公式で金利部分多くなる為、元金の返済部分が下がることとなります。
月返済額が125%上昇したとしても、その範囲以上で金利の返済が必要となったとすれば、元金返済ペースが、今までよりも
遅くなる可能性も出てくるのです。
つまり、元金の返済スピードが、初めに設定した借入期間内で返済が終了しなくなる可能性もあるのです。
その場合、未払いリスクが生じ、最終的にその部分をまとめて払わなければいけないことになるのです。
短期的には支払いが安く、今はお得感があるように思えても、長期的に総支払額をみれば、固定金利より多く支払う結果となる
ケースもあり得ると言えるのです。
未来の経済情勢や、金利の動向は誰にも予想ができませんが、近年は超低金利時代であることを認識する様にして下さい。

 

【固定金利について】
固定金利については、変動金利の様な複雑な仕組みはありません。
当初より一定の支払額を支払う事ができるメリットを持つ商品が固定金利なのですから。

 

固定金利のデメリットを一つ上げておきます。

 

それが、自由度に欠ける点です。
もし借入期間内に、変動金利へ変更したい、或いは借り換えをしたいとなった場合、
現在行っているローン契約の残機関に応じて、中途解約金を支払わなければならないのです。

 

どちらを選ぶか?

変動金利、固定金利。
どちらを選択するのかは、とても悩むポイントではないでしょうか。
経済情勢や金利動向。長期的に予測が不可能でもあり、
また、歴史は繰り返すので、正解はないものと思っています。

 

しかし、個々の選び方でポイントはあります。
金利を選択する際、どちらが合っているのかをこんなポイントで
判断してみて下さい。

 

変動金利向きの方
・繰り上げ返済を前提にし、余裕のある借り入れが出来る
・借入期間を短くし、短期間にて完済をしたいとういう方

 

固定金利向きの方
・毎月の返済額を一定にし、繰り上げ返済を前提としない方
・フラット35を利用出来る、新築物件等の条件に適合した物件を購入しようという方

 

いずれの場合も、月々の支払額で判断するのではなく、住宅ローンは少なくとも10年以上の借入期間となる長期的なローンである為、余裕のあるシミュレーションを行う事が重要です。