2021年12月5日日曜日

血管

冬を迎える時期に脳卒中防止の話が聞かれる。

ヒートショックがその原因の一つに上げられる。
寒い場所に移動することで血管が急激に細くなる
脆い脳血管が破裂して死亡したり障害が残ったり。
そんな話を聞いて疑問が湧く。

その破裂する血管とは?
筋肉、それとも皮膚の仲間?
脆い血管とはどういうこと?
臓器?

その前に漢字成り立ち調べ
血の漢字成り立ち

血は、皿から成り立っている。
皿は、文字通りその形状から作られた漢字であることは、容易に想像がつく。
では、血の上の部首は、なに?
ノは、液体なそう。
何の?
それこそが血なのだという。

動物の血を祭壇に捧げる。
その時の器が皿。
皿に血という液体を注ぎ入れた様が、血なんだと。


その血が巡る管が血管。
成人の血管は、太い動脈、静脈から極細の毛細血管まで延長で10万Kmもある。
その長さは、地球の赤道を二回り半もするほどに長い。
とてつもない長さに驚きを覚える。






その血管は、筋肉?

インターネット検索する。
筋肉は、大きくは、三つ。
足や腕など動作に必要な筋肉は、骨格筋。
心臓は、心筋。
そして、内蔵や血管は、平滑筋。

血管は、平滑筋肉なんだと。






骨格筋は、自分の意志で動かすことが出来る。
随意筋とも呼ばれる。



心筋と平滑筋は、自律神経支配。
不随意筋となる。
内臓や、血管の壁にある。
寒い、暑い。
酸素や栄養を沢山消費する、しない。
など、体の状況により収縮、弛緩する。


他方、横紋筋と平滑筋という区分けもある。

骨格筋と心筋は、横紋筋で構成される。
心臓以外の内臓と血管は、平滑筋で成る。

となると血管は、筋肉ではあるが自律神経に支配されら臓器の仲間。
ということになる。

では、横紋筋と平滑筋の違いは?

長く細い筋肉が束になっているのが横紋筋。
一定間隔で濃色のZ膜で仕切られそれが縦の縞模様になっている。


骨格筋や心筋は、力強さが必要。
平滑筋は、リズミカルではあるが遅い動きになる。
力強さは、いらない。

血管が平滑筋を有する臓器の仲間であることがわかった。

血液を送りだしているのは、心臓。
だが、心臓だけで10万kmの血管を全部賄っているのか?
血管自身がポンプの役目も持つのだろうか?

血管は、平滑筋により必要に応じて
太く成ったり細く成ったりして血液の量を調整している。
でもそれは、ポンプの働きまではしていない。

脈拍ツボ
手首の脈拍を見る箇所は、橈骨とうこつ動脈というらしい。
手の親指から肘まで伸びている骨は橈骨。
それに沿う動脈で橈骨動脈。

その橈骨動脈が、脈を打って動いているのは、なぜ?

脈を計ることを検脈。
そこに弁でもあってその開閉が脈なのだろうか?
違う。

皮膚表面に近い動脈のために検脈しやすい箇所。
だからそこを使って検脈をする。
押さえていない状態でその個所を観察してみる。
動いている気配はない。

指で押さえてみると脈動を感じる。
軽く抑えただけでは、感じない。
指腹を少し肘側に移動して行く。
少しの区間は、脈が取れる。

指で押さえることでその部分の血管が細くなり血流が詰まる。
その流れの圧力差で脈を感じることが出来る。
そこに弁があるわけではない。
検脈できる箇所が小さなポンプになっているわけでもなかった。

手首の際から遠ざかると脈が取れなくなってくる。
長さにして10cmくらいの箇所。
その辺りから筋肉の付きが多くなっている。
血管の上に筋肉が被って血の流れは判らなくなる。

因みに女房と二人で確認したところ
俺の方が手首検脈の出来る距離が短い。
そう女房には、筋肉が少ないことがその理由。

さて、心臓から動脈を通って血液は運ばれる。
心臓の上部は、重力に逆らって流れる。
が、心臓から近い距離のため心臓の圧で流れるのだろう。

心臓から下へは、重力にも助けられて遠くではあるが円滑に流れる。
問題は、静脈。
一番遠くの足の爪先からでも重力に逆らって心臓に戻ってくるのはなぜ?

心臓の送り出す血液量の多さも驚き!
安静時 1分間の吐出量は、4,900ml。
心臓1拍の血液を吐出量は、70ml平均。
70mlX70bpm/60秒の計算。
1分間では、約5Lの血液を送っている。

それが1時間だと約300Lにもなる。

激しい運動をしている時は?
心拍が120bpmだと
70mlX120rpm=8400ml
1分間で8.4L
1時間で約500Lもの血液を送り出す。

さらにスポーツ心臓なら
俺の場合、安静時40bpm台まで下がる。
45だと先の70bpmから比較すると1.5倍の吐出能力となる。
120bpmの時
1時間で 500LX1.5倍=750Lにもなる。

それだけ多量の血液が
動脈から体の隅々まで運ばれて
さて一番遠い足先からどうやって心臓まで辿り着けるのか?

静脈の中膜は、動脈より薄い。
その中膜に平滑筋がある。

動脈は、血圧が高く丈夫さを必要とする。
一方静脈は、弱い血圧なので動脈より丈夫でなくてよい。

そして所々に弁を付けている。
その弁により逆流を防止している。

そういうことなんだ。
次々に送り出された血液は、トコロテンのように静脈の中を押し上げられていた。

その時、トコロテン効果だけでなく血管を取り巻く筋肉の収縮も血流を助ける。
これが、心臓に血液を戻す手助けをしていたわけか。

では、脆い血管がとは?
脆い血管
動脈硬化とよく耳にする。
動脈が硬化すると心臓からの血圧に耐えきれず弱い箇所が破裂してしまう。

静脈破裂もあるが、こちらは静脈血管に詰まりが生じた場合。
もともと静脈の血圧は、低いので圧による破裂リスクは動脈に比べ低い。

さて、動脈硬化の原因は?
よく言われる塩分ほか食事の原因。

悪い食事をしないこと。
そして血管が強く保つための食事を心がけること。
これは、よく言われていることなので理解できている。

が、運動すると血管にも丈夫になると言われる。
これは、どんな理由?
血液を沢山おくることで血管の掃除が出来るって事?

血液が多く流れることで内壁に刺激をうけて細胞が活性化される。
そして流れの効果で血栓なども洗い流される。

刺激による細胞の活性化の他に運動による血管強化効果があるがあるのだという。
血流が速くなると血管に無理のかからぬように自律神経は、血管を太くする司令をだす。
すると血管は、一酸化窒素を産出して放出。
一酸化窒素は、血管細胞を柔らかくする物質なのだそう。
運動によりこの一酸化窒素を産生する能力も高くなる。
結果丈夫な血管を保つことができる。

人のからだは、動かして初めてその機能を向上させ維持する。
動かさないとどんどん衰える。
身体は、使わないものに対して無駄な仕事をしない。

運動がもたらす恩恵がここにもあるってことか。
ありがたや、ありがたや。


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