おはようございます。ACLの敗退を経ての初の公式戦。ここで負けるとズルズルと落ちてしまうところでしたから、踏ん張れてアウェイながらもしっかり勝ち点3を積み上げることができたのは良かったです。ただ、勝てはしましたが、同時に課題も見えた試合だったかと思います。
5/7(土)14:00 J1第12節 清水 0 – 2 川崎 IAIスタジアム
得点:14’脇坂(川崎)、32’マルシーニョ(川崎)
清水エスパルス 4-4-2
――――― 9サンタナ――23鈴木唯――――
―18白崎――――――――――11中山―
―――――3ホナウド――13宮本―――――
―29山原―50鈴木義― 2立田― 7片山―
―――――――21権田――――――――
46分 3ホナウドOUT → 8松岡IN
46分 11中山OUT → 17神谷IN
58分 13宮本OUT → 10カルリーニョスIN
71分 9T・サンタナOUT → 20オ・セフンIN
76分 23鈴木唯OUT → 26滝IN
川崎フロンターレ 4-3-3
―23マルシーニョ――9L・ダミアン―――41家長―
―――――19遠野――14脇坂―――――
――――――― 8橘田――――――――
―15佐々木― 7車屋― 5谷口―13山根―
――――――― 1成龍――――――――
61分 9L・ダミアンOUT → 20知念ĪN
61分 19遠野OUT → 6J・シミッチIN
71分 14脇坂OUT → 24宮城ĪN
71分 23マルシーニョOUT → 11小林ĪN
89分 41家長OUT → 17小塚ĪN
川崎は、マレーシアでのACLの中2日が続いた連戦を経て、かつ僅かですが時差もあり、長距離移動の疲れもあったと思います。そのうえ、コロナ禍での隔離生活も数日あったので、単純に試合間隔以上の疲労はあったでしょう。
それと一番大きいのは、意を決して臨んだACLにグループステージで敗退してしまったそのメンタル面での疲労が一番心配されたところでした。
もちろん、清水も4日前に試合をしており、通常のインターバルよりは短い試合間隔なので、平岡監督の言うように、疲労も残っていたところはあったでしょう。
両者のコンディション差を比較することはできませんが、少なくとも両者ともベストコンディションではなかったということは確かだと思います。
そうなると、より相手の方を疲れさせた方が、試合の主導権を握ることになるのかなと思います。
そんなことを意識していたのかどうかはわかりませんが、序盤から川崎は攻勢に出ます。
最初のビッグチャンスは、10分、清水のCKのクリアの流れから、マルシーニョが抜け出し、ドリブルからGK権田との1対1まで持っていきますが、これはGK権田のセーブで阻まれます。
しかし、川崎は攻勢の手を緩めません。14分、旭が相手GKからのボールを競って落とし、そのボールを大弥が中央に放り込むと、L・ダミアンが身を投げ出して走り込んできた泰斗に落とします。
泰斗は、前方のアキにボールを預け、アキは2人に囲まれながらも時間を作り、追い越した泰斗へボールを出すと、泰斗はニアにシュートを打ち抜き、先制に成功します。見事に連携した崩しでした。
そして、この試合で始めて、泰斗は、憲剛から受け継いだ!?デジっちで決めたゴールパフォーマンス、「ズィーヤ」をリーグ戦ではじめて披露します。
そして、この試合も先制点は14分でした。ジョホールとの試合でも先制のFKは14分だったので、14番を受け継いだ泰斗は公式戦の先制点を2度とも14分にに決めるという奇跡が続きます。
ただ、危なっかしさもあり、清水に19分にロングボール一本で裏を取られ、中山に抜け出され、1対1の盤面を作られもしました。こういったボールを決めきられて、敗退したのがACLだったので、ヒヤリとしました。
それでも、32分には、右サイドでアキとパス交換して受けた泰斗が逆サイドのマルシーニョの動きを見逃さず、クロスを入れると、相手DFの裏を突いたマルシーニョがダイビングヘッドで2点目を決めます。
これで心理的にも優位に立ちます。一方で、ここまではこれまでも行けたのですが、結果的に、3点目を取って、完全に畳みかけることができないのも、この試合で露呈してしまいます。
清水は、41分に、ホナウドがボールを奪い、ドリブルで進んで、チアゴ・サンタナに預けると、すかさずミドルシュートを打ち込みます。幸い、ゴールポストに救われますが、これも決められていればとヒヤリとするシーンでした。
こうして、結果としては、前半を2点リードで折り返すのですが、盤石の試合運びだったかといえば、時にヒヤリとさせられる場面もありました。
後半、点を取るしかない清水は、交代のカードを切り続け、まず後半開始時に松岡、神谷を、58分にカリリーニョス、71分にオ・セフンと圧を掛けてきます。
川崎は川崎で、2点リードしていることもあり、61分に知念、シミッチ、71分に天、悠を投入と互いに疲労を考慮し、フレッシュな選手を投入していきます。
70分を過ぎたあたりから、疲労度の影響か、川崎は勢いを失いはじめ、清水の攻勢が続くようになります。
危うかったのは、78分に中央で松岡にドリブルで運ばれ、左サイドの山原に送ると、その山原が絶妙なクロスを入れるもカルリーニョスに合わず、助かりました。
また、アディショナルタイムとなる90+3分には、CKからニアの立田が後ろにスラして、ファーのオ・セフンが頭で叩きつけるも幸いにもポストより外側へ飛びます。
結局、前半に泰斗の活躍により、2点をを決めた川崎が、そのまま、逃げ切り試合終了となりました。
この試合、さすが王者と褒める意見もありましたが、僕自身は、非常に危ういと感じました。
というのも、結構な頻度で清水にもチャンスを作られています。それも完全にフリーにしてしまって、相手の精度に助けられて無失点で終えることができました。
言ってみれば運の要素なわけで、運も実力のうちとは言っても運は運で悪ければ、負けます。
もちろん、現実問題として、そうポンポンと相手だって決めきれる力を持っているわけではないのかもしれません。
しかし、ACLを敗退したばかりで心理的にネガティブになっているからなのかもしれませんが、上記に書いた清水のチャンスのようなシーンを決めきられて、ACLでは蔚山に負けました。
その守備の詰めのところをもう一歩、前進させていかないとまたやられるなと。
それと、清水の精度のところですが、ひょっとすると、平岡監督の言葉を真に受ければ、国内だから、川崎を勝手にリスペクトしすぎてくれて、要所、要所で清水が心理的に引いてくれた部分があるのではないかと。
もちろん、清水の選手らは絶対に認めないと思いますが、潜在的な心理として、川崎に対し、勝手に王者として、一歩引いてしまうところがあったのかもしれません。
ACLに出れば、当然、こういう勝手なリスペクトし過ぎはないでしょう。結局、3点目も獲れませんでしたしね。
気にし過ぎたらきりがないですし、かつて日本平と言えば、鬼門で長らく勝てないスタジアムであったのに、その面影がほぼ感じられないので、当時を思うと強くなったなと感じるところです。
この試合、MOMは1G1Aですから泰斗になるのでしょうが、僕的には、一番目を引いたのは、紳太郎先生でした。ロングフィードもあるし、ちょっとドリブルで持ち上がって、角度をつけてからパスを出すなど、CBとして、一皮むけた感がありました。
ジェジエウが復帰すると、またポジション争いも激しくなると思いますが、紳太郎先生の良さがこの試合で存分に発揮されていたので、引き続きの活躍が楽しみでなりません。
Jリーグが再開し、次は、昨年負けた福岡、さらに勝ち切れなかった、神戸、そしてやはり負けた鳥栖と川崎にとっての難敵が続きます。
ACLを落としてしまった以上は、3連覇、国内3冠を目指すしかないわけで、引き続き、目の前の試合を一つ一つ拾っていきながら、課題の解決に取り組んでもらいたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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