後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「アメリカ文化と日本、そして人事管理とキリスト教」

2022年12月09日 | 日記・エッセイ・コラム
我々の国、日本は遣隋使、遣唐使に始まり外来文化を大いに取り入れて来ました。中国や欧米の文化の影響を深く受けて来ました。特に終戦後はアメリカの文化が日本に大きな影響を与えています。
今日は日本に受け入れられているアメリカ文化をご紹介したいと思います。そしてその後で日本に受け入れられないアメリカ文化をご紹介したいと思います。私が4年間アメリカに住んで経験したことをご紹介したいと思います。

さて日本に受け入れられているアメリカ文化の一例はコンビニです。
全国に普及しているコンビニという小さな店はアメリカ発祥の文化です。アメリカ文化ですからコンビニには広い駐車場があります。そして商品が実に新しい発想で開発されていて店内を見ているだけで楽しいのです。いかにもアメリカ的です。
コンビニはアメリカで生まれた便利な文化です。他にもアメリカ文化のものが沢山あります。
マックやケンタやスタバのようなファストフードの店です。
こうしてキーボードを叩いているパーソナル・コンピューターもアメリカ発祥のアメリカ文化の産物です。
郊外の大型量販店もアメリカ発祥です。この狭い日本の国内旅行に飛行機を使うのもアメリカの風習です。その上、その旅客機はほとんど全てアメリカ製なのです
上に書いたようなアメリカ文化は自由に日本に入って来ます。日本人の生活を豊かにしてくれます。有難いことです。

しかしアメリカ文化のなかの一部には日本にはほとんで入らないものがあるのです。輸入が不可能なのです。
それはアメリカ社会や会社の中の人事管理の仕方です。
アメリカでは能力主義の人事管理をします。成果で評価します。成果を挙げないと情け容赦なくクビにします。クビにした後は成果を挙げそうな人を他の会社から引き抜いてきます。
その人事管理は以前のトランプ大統領の側近のクビの仕方と同じなのです。トランプ大統領の人事管理はアメリカでは普通のことで驚いている人はいません。日本人が驚いたのです。
アメリカ社会や会社の中の人事管理はキリスト教を下敷きにしているのです。
アメリカの文化の特徴といえば進歩しつつある科学や技術の他にキリスト教、特にプロテスタントに対する強い信仰があることです。狂信的な宗派もあります。
アメリカ人の80%が信じているキリスト教は日本人には理解し難いのです。
厳密に言えば日本人の3%はキリスト教を信じていますから、キリスト教を日本人が理解していませんと言えば間違いであります。
アメリカは弱肉強食の社会で、貧富の差が大きい社会です。弱肉強食の社会なので人間関係は殺伐としていると誤解しがちです。
しかしアメリカに暮らしてみると助け合いの精神が溢れていて、実に暖かい人間関係があるのです。殺伐とした社会というより人間的で温かい社会なのです。
ですからアメリカ文化を万遍無く公平に理解しようとしたら、彼らのキリスト教への帰依を理解しなければなりません。
勿論、アメリカにはイスラム教徒もユダヤ教徒も仏教徒も数多くいます。しかし話を簡明にするために今日はキリスト教だけを取り上げます。

アメリカでは従業員や側近を簡単にクビにします。仕事で成果が上がらないのは神の業なのです。しかし神はその従業員や側近を深く愛しているのです。
クビにする上司は、「神が君に与えた才能はこの仕事に合わないので辞めてたほうが君の幸になる。君の才能に合った仕事に就いた方が幸になるよ」と言ってクビにします。
アメリカで転職が多いのはこの考え方が強く存在しているからです。
上司は絶対に、「君は悪い人間だからクビ」だとは言いません。神が与えた才能がこの仕事に合わないとだけ言っているのです。
辞めさせられた人も傷つきません。人格が悪いから辞めさせられた訳ではないのです。
キリスト教の共通価値観の無い日本ではアメリカ流の人事管理は不可能なのです。

蛇足を書きます。アメリカでも気に食わない部下を上司が感情的にクビにすることはあります。しかし周囲の目が厳しいのです。そんな人事管理を続けていればその上司もクビになります。そこが日本と違うところです。
さてトランプ大統領はどうも側近の人事管理に感情的なものが混じっていたようです。それはアメリカ人が厳しく判断します。その結果彼は再選されなかったのです。他にも理由はあったのでしょうが。

今日はアメリカ文化の中で簡単に日本へ輸入可能な分野と輸入が難しい分野を別けて説明しました。輸入が難しいものはアメリカ社会の中の人事管理とキリスト教です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

今日の挿し絵代わりの写真はアメリカの風景写真です。

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