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宝塚宙組「プロミセス・プロミセス」DC [観劇感想(宝塚)]

宝塚宙組「プロミセス・プロミセス」DC
2021年11月18日(木)11時 梅田シアタードラマシティ 18列

お久しぶりです。なんとか観劇はしていますが、全然書く時間がありません。
とりあえず、映像が残らない「プロミセス」を見たので書きます。

ハウツゥーサクシードと同じ時代かな?服装やら男女の役割やらから感じるオールド感が同じイメージだ(着ている方は大変現代的なスタイルなので、かっこいい)。ひとつ一つの場面というか歌ナンバーが長い。ああ輸入物だなあって思う。クライマックスに主役カップルが歌う主題歌を聞いていると、頭に英語の歌詞が浮かぶ。幼い時に聴いた歌やん!「♪I'll Never Fall in Love Again~♪」って。素敵な(わかりやすい)歌詞が付いていた。日本語で聞いたのは初めて。この曲はこの作品の曲だったのね。オールディズの曲と衣装が、芹香さんと天彩さんのクラシカルな雰囲気にぴったりだ。

映像に残らないのがもったいない。芹香さんの主演作では私は一番好き(だと思う)。
ただ役が少なすぎるので(ブロードウェイミュージカルはみんな役が少ない)、ドラマシティでさえ役者が余っていてもったいなかった。

202111宙プロミセス.jpg

ブロードウェイ・ミュージカル
『プロミセス、プロミセス』
PROMISES, PROMISES
Book by Neil Simon
Based on the Screenplay THE APARTMENT by Billy Wilder and I.A.L. Diamond
Music by Burt Bacharach Lyrics by Hal David
Produced for the Broadway Stage by David Merrick
PROMISES, PROMISES is presented by arrangement with Concord Theatricals on behalf of Tams-Witmark LLC. www.concordtheatricals.com
翻訳・演出/原田 諒

立体のセットが面白くて、盆が回ってとても現代的。なかなか面白いセットの使いかただった。
そのあたりはさすが原田先生だわと思った。ただ、輸入ものなので、ゆるーく進んでいくあの感覚と、一場面の長さと、一場面ごとのきっぱりした転換はそのまま。原田先生が最初から作っていたらもっと違っていただろうと思うと残念だ。

芹香さんの軽妙なセリフ回し、役作りはとても素敵だった。和希さんの上司役もいいねえ、最近こういう役がこなせる役者さんがなかなかいないよね。天彩さんも普通のOLらしくて可愛かった。あとは、お隣のドクターと、秘書くらいかな?役割があるの。そのあたりアメリカン作品だわ。

プログラムが買えなかったので、記憶の限り。宙組さんはあまり見てないので、わからない方が多いのだ。ごめんなさい。
「プロミセス」って「約束」のことなのですね。今まで気づいてなかった。某社のおかげで、「プロミス」だと思っていた・・・。


チャック・バクスター 芹香 斗亜
大企業の経理部の平社員。とても目立たないという特徴を持つ。一言で言って、「いいひと」。それ以外の形容詞が浮かばないくらい。彼は最初から最後まで、ずっとフラン一筋。彼女を愛しぬいている。ほとんど片思いなのに、純情一直線。さらには自分の思っていたフランと違っても、彼女の嫌な面を見せつけれても、それでも愛し続ける。彼女がほかの男と幸せになるなら、その幸せを笑って祝福し自分は立ち去ることが出来る。これを純愛を言わず何と言おう!だわ。そもそも、なぜ彼女に惚れたのかを知りたい。どうしたら、ほぼ接触がないのにここまで愛せるの?裏切られても踏みつけられても、それでも同じ笑顔で愛せるのか。ある意味理想の恋人だわ、チャックって。最後は思いを貫いて、幸せに慣れそうですね。彼なら浮気もせず、フラン一途で死ぬまで愛しそうだ。フランも幸せだね。
芹香さん、芝居が上手い。コメディだけど、きっちり笑わせるポイントの間で芝居をしてくる。誠実で優しくて、ちょっと打算的なところもあるけど、やっぱり根本から誠実というチャックという人物がしっかり伝わってくるし。素晴らしい。かなりの上級生だけど、まったく違和感なく若い(どちらかというと、かなり情けない)平社員を演じてらした。すごいね。


フラン・クーベリック 天彩 峰里
大企業の食堂係。シェルドレイクの愛人になり役員食堂へ異動。って、昔だから食堂のウエイトレスも正社員なのね。そして役員食堂なんてものがあるのね!と驚く。フランは、可愛い普通のOLだけど、シェルドレイクに恋をして、不倫の愛人になっている。チャックのことは名前すら覚えてないくらい、どーでもいい存在だった。1幕の対応はかなり冷たい。いや「食堂を利用するその他大勢の同じ会社の人」という扱い。
彼女がチャックという人物を意識するのは、2幕になってから。バスケットボールの試合に誘われて、一旦誘いを受けるその時からかなと思う。決定的になったのは、逢引き用アパートで自殺未遂をして、彼に助けられてから。そこで初めて、自分への真摯な愛に気付いた感じ。一気に恋しましたね。傷心の彼女が生きる気力を取り戻したのも、自分のすべてを優しく受け入れて、全く非難せず愛してくれる彼がいたからか。ここからが本当のラブストーリーでした。1幕は壮大な前振りだったのですね。


J・D・シェルドレイク 和希 そら
人事部長で、フランの恋人。妻と3人の子供がいる既婚者。計算高くて腹黒くて、狡く保身で、かなり嫌な男。でも色っぽくて悪な魅力もあり、若い女が惹かれるイイ男には違いない。ただ女を対等には見てないタイプだね。使い分けてる。奥さんはきっと上司の娘かなんかで、計算して結婚したのでは?だから過程では良き夫良き父であり、浮気は完璧に隠して、短期間に入れ替えつつ女遊びをしているのではないかと。誠実さの欠片もないですな。
最後に秘書の爆弾で離婚されてました。電話一本であっさり離婚されるとは、やはり奥様は有力者の娘で、かつ、普段から仮面の誠実さを薄々感じ採られていたからかもしれない、なんて思った。そして、離婚されたからその時の愛人だったフランに求婚しようとしたようだけど、そうは上手くいかなかった。離婚「されて」なかったら、絶対に求婚しなかったのをフランもわかったからだと思う。このあとは、希望通り独身を謳歌してください。
和希さん、声が良くて歌が上手い、芝居上手い、雰囲気がいい。なんだか、未涼さんを思い出す(こういう役が似合いそうな感じ)。次から雪組ですね、楽しみにしてます。

ミス・オルスン 瀬戸花 まり
シェルドレイクの秘書。フランの前のシェルドレイクの愛人だった人。別れたのちも秘書を続けるとか、二人ともすごい神経だ。フランへの態度に我慢ならず、退職の際に全部ぶちまけて、シェルドレイク氏を独身に戻してあげました。偉い。

ドクター・ドレファス 輝月 ゆうま
チャックの隣室に住むドクター。どういう間取りのアパートなんだ。開業医ではなく勤務医のようですね。彼がお隣に住んでいなければ、フランは命を落としていたか、または警察沙汰になって大変な目にあっていた可能性が高い(チャックも。もしかするとシェルドレイクも。3人とも退職確実?)。彼らの命の恩人。生物学的にも、精神的にも。
彼がフランを励まし、彼女が生きていく気力を取り戻す場面は感動的。もちろんチャックの誠意があってこそなんだけど、不器用な彼の態度を整理して力強い言葉にしてくれるのがドクターの存在かな。老成した人物の言葉に重みがあった。老人の声での歌も素晴らしい!
輝月さんって、研3か4で「ロミオとジュリエット」の大公閣下が本役で違和感ないどころか、歴代でも指折りの素晴らしさだったのを覚えている。そして「月雲の皇子」という名作での、ベテラン本専科と対等な存在の老博士役を、これまた最高の芝居で締めていた方(同期の朝美さんが、主役2番手の末弟役で可愛いみずら姿だったのと対照的でとても同期に思えなかった。もちろん、どちらも役ぴったりで良かったけど)。あのとき、この人いつでも専科に行ける!と思ったものだ。歌も芝居も本当に力強い専科で、舞台に欠かせない役者さんですね。

カール・クーベリック 留依 蒔世
フランの兄。ちょっと悪っぽいおにーさん。田舎の不良という雰囲気が漂う。大迫力で、立ってるだけでチェックを追い詰めるほどだ。

マージ・マクドゥーガル 留依 蒔世
クリスマスイブに失恋したチャックが、バーで出会った女性。夫が2年家出中?とかだが、この時代でいう娼婦的な恰好で、明るいけど擦れた雰囲気の方。これ愛海さん(元男役とはいえ娘役)が本役なんですよね?結構どぎつい役ですが、愛海さんならどういう役作りだったんだろう???と思う、瑠衣さんの迫力あるマージでした。長身で美声で、なんなんだ?っていう感じ。チャック、かなり酔ってたね?というしかない。

という二役をこなされた瑠衣さん、役幅広いですね。美声で歌が最高です!


アパートの鍵を借りに来る重役たち(4名)と若い愛人(4名)
この会社、大丈夫か?この時代はこれ普通なのね?って思いながら見てました。
まあ「浮気は男の甲斐性」な時代だものね。重役なら愛人の一人や二人はいないと箔がつかない!という意識かなあ。若い女性のほうも当然のように受け止めているし、そういう時代の価値観ですね。だからこそシェルドレイク夫人があっさり離婚したのがびっくり。やはり偉い方のお嬢様で、彼女のほうが立場が上だったのでしょう。
4人いえ4カップルはそれぞれ場面があるけれど、役回りが同じなので、個々の印象が残らない(私が宙組さんを知らないのが大きい)。まあブロードウェイ・ミュージカルは役が少ないから、これでも出番が多い方ですね。


映像に残らない、CDだけって「フットルース」を思い出すわ(あれは名作だったのに。今でも見たいよ~)。CDすらなかった「20世紀号」よりは少しだけましですね。見に行けてよかった。



いろいろ改正事項があり、10~11月はめちゃくちゃ忙しかった。
星組、月バウ★、雪新人公演★、OSK武生★、劇団新感線、花組も見たのに書けてない(★はライブ配信)。
違う原稿ばかり書いていました。そのうち・・・メモが起こせるうちに書きたいと思います。


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えり

お久しぶりです!良かった!あまりに更新がないのでお元気なのかな?と心配していました。個人的に前の記事の作品があまり好きではなく、開けるたびにドーンとポスター…が若干しんどかったのですが、でも訪れるのがあまりにも日課になっていて……本当に良かったです!またご
無理のない範囲で更新よろしくお願い致します☆
by えり (2021-11-20 22:01) 

えりあ

ありがとうございます!元気です~(笑)
長らく更新せず、ご心配おかけしました。
毎日見に来てくださっていたなんて、感涙です。
体調不良ではなく、単に仕事が忙しくなりすぎたため気力が無くて、すみません。
花組も今書いてますが、まだ書かなきゃならない仕事があり、それをやりつつ、また更新していきたいと思います。(花組別箱のあと本公演の間私も休んでしまったんですね・・・)

元気をいただいたので!これからも、ちゃんと適度に更新していきたいと思います、どうぞよろしくお願いいたします。


by えりあ (2021-11-21 23:57) 

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