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歴史遺産訪問 02(芋洗谷調整池ダム(高千穂発電所))再掲

2021年10月24日 05時15分28秒 | 旅、風景写真

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数年前、趣味が高じて土木遺産の調査を受託し、県内32箇所を回りレポートを作成。その土木遺産のひとつを紹介します。

芋洗谷調整池ダム(高千穂発電所)は、昭和5年に施工されたダム。名前が面白く「いもあらいだにちょうせいちだむ」と呼ぶ。竣工時の姿を唯一保持しており、貴重な存在。役場や村人に聞くも中々分からず、途中道ですれ違った古老に教えていただく。

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近代の重力式アーチダムの姿を竣工当時のまま留め、「日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2000」に選定された。

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調整池の真ん中にぽっかりと口を開ける直径約5mの余水吐け。基本的な水量の調整は取水口で行っているたけ、小さくても役に立つのだという。朝顔のようなこのタイプは日本で珍しいもの。

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国内につしかない近代の発電用重力式アーチダムで、今もチッソ(株)の施設として稼働中。

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芋洗谷調整池ダムDATA
■所在地 西臼杵郡高千穂町大字押方(五ヶ瀬川水系芋洗川)
■施工年 1930年(昭和5年)
■規模等 発電施設。堤高25.5m、堤頂長69.7m、堤体積7,000立方メートル、総貯水量61,000立方メートル、有効貯水量36,000立方メートル。
ダム事業者:チッソ株式会社高千穂発電所

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高千穂発電所DATA
■所在地 西臼杵郡高千穂町大字押方(五ヶ瀬川水系芋洗川)
■施工年 1930年(昭和5年)、昭和4年3月24日(1928)注水式運転開始(九州送電株式会社)
■規模等 発電施設。出力、認可出力最大12,800キロワット、常時6,000キロワット、使用水量最大19・84m2/S、常時9・18m2/S、有効落差83・33m

(取材メモ)
山中、道に迷い悪路のため車がスリップし、ズルズルと細い道を、さらに坂の下まで落ちていくというアクシデントに見舞われた。

午後5時、日がとうとうと暮れていく中で不安でいっぱい。こんなにぬかるみの場所で、元に戻れるのかと・・・。おまけに、現在の場所の説明など、初めてのことが多すぎて、難儀した。その後、知り合いから自動車整備工場を紹介いただき、危機脱出。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
幼稚園から小学校5年生まで高千穂の発電所社宅に住... (ぴかも)
2014-04-28 04:07:53
幼稚園から小学校5年生まで高千穂の発電所社宅に住んでいました。父が旧チッソ社員。現在は父を亡くし、私も関東に住んでおり、高千穂に行く機会はありません。
ふと懐かしく思い出して検索し、ブログにたどり着きました。父に弁当を渡す為渡った橋のアングルがあり、あの時のままの建物の写真が懐かしかったです。
あの山道の運転はさぞかし大変だったでしょう。 ブログ主様に感謝です。いつの日か、行ってみたいです。
ぴかもさんへ (songs)
2014-04-28 18:53:42
ぴかもさんへ
ブログ記事を見ていただきありがとうございます。
チッソへ電話して許可を取って撮影しましたが、親切にしていただきました。橋は、ぴかもさんの思い出の場所なんですね。いろんなものが壊されたり、処分されたりするなかで、いつまでも残して欲しいですね。また、この施設は宮崎県の土木遺産でもあるんですよ。ぴかもさん、いつか高千穂を訪問することがありましたら、声をかけてください。県民のみぞしるレアな情報をお送りします!これからも健康に十分留意され、健やかな毎日をおくってください。

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