見慣れた景色…。
いつもは全く気にならないのですが、今回の展示会が始まってから前を通る度に博物館の前に掲げられたミイラの大きな絵柄から視線を感じます…。
私だけ!?
週末、子供達は友達と遊びに行ったので、ママと二人でミイラ展に突撃してきました。
平日の博物館の様子を見る限り予約無しでも大丈夫かなと思いましたが、念の為、予約をしてから訪れることに。
土日の博物館って思っていたより混雑してるんですね。予約をしてから訪問したのは正解でした。
係りの案内通りに3階で受付を済ませてから順序通りミイラ展を見させてもらいました。
紀元前に作られたミイラが驚く程綺麗な状態で保存され、装飾品や染め物まで色褪せることなく残っている事がとても不思議です。
何千年も前に繊細な装飾加工を施せる技術と技法があったのかと…。かなり精密。鉄や銅の加工技術が凄く高いと感じましたし、装飾品や置物の細かな曲線美に感動しましたね。
勿論、麻で包まれたミイラをそのままの状態でCTスキャンし、3次元で再現することが出来る現代のテクノロジーは恐ろしく凄い。化学分析、遺伝子検査、炭素年代測定により身長、体重、健康状態や死因までも分析出来ている。麻で綺麗に包み隠されているのに、丸裸にされてますやんと不謹慎な思いも持ちつつミイラ見学。
ミイラ職人によって遺体に施された防腐処置も解明されており、当時の人が魂の宿る場所として体を保存しようとした強い思いを感じる事が出来ました。ミイラ職人さんもまさかこんなに丸裸に解明されるとは想像もしてなかったでしょうね…。
考古学者は遺跡等を発見する度にアドレナリン出まくりなのでしょうね。ある意味羨ましい限りです。
宗教や思想により、上流階級の方が来世で復活する際に肉体が必要だったと考え、ミイラを人工的に作るようになったのはわかる気がします。ミイラを作り始める切っ掛けは分かりますが、止めた切っ掛けは何なの!?と思ってしまいます。
誰かがボソッと「保存しても復活しませんやん」って言い出したのでしょうか…。
ミイラ職人の人手不足の問題に直面したのでしょうか…。
作成に物凄く材料も費用も負担が大きかったのでしょうか…。
「ピラミッド、作るのしんどいねん」って言いだしたのでしょうか…。
ミイラ以外に儲かる術が出来たのでしょうか…。
まぁ、思想の変化によるものなのでしょうが、今まで必要だとされていた事を止めるとなった切っ掛けがとても謎。
しかし、古代の方が望んだような復活は出来なかったたしても、このように数千年経過した現代社会において、当時の生活や文化を知る術として存在しているだけで大変大きな意義があると思います。
博物館に展示されてたミイラや装飾品の一部は写真撮影が可能な案内がありました。おぉ、意外。
それまで色々と展示品を見てきたというのもありますが、写真撮影が可能だから撮影しようという気分にもなりません。館内にいらっしゃった方も同じような気分なのか、撮影をしている様子は全くありませんでした。
倫理観が近しいというのはストレスを感じません。混雑している館内でもスムーズに展示品を見ることが出来た要因でしょう。
自分もミイラとなって保存されたい気持ちは1ミリもありませんし、家族すら親父のミイラがあるねんっていうだけで気持ち悪いし嫌がるでしょう(笑)お墓も要りませんし、太平洋や白馬の山々で綺麗さっぱり散骨でもして跡形もなく散らして欲しいですね。
大英博物館は今回展示されていたミイラを個人や会社から購入しているようですが、一体いくら位の値段が付けられているのでしょうか。どのような経緯で保有することが出来るのか、莫大な資産を持ったコレクターとなればそのような話もわんさか貰えるようになるのでしょうか。
色々と謎が増えた博物館の突撃でした。
面白かったので良しとしましょう。
明日からも視線感じるのかな…。