*** june typhoon tokyo ***

FC東京 vs 福岡 @味スタ【ルヴァンカップ】

 フレッシュな陣容でチャレンジするも、シュート少なくスコアレスドロー。

 前節でルヴァンカップ敗退が決定しているFC東京は、若手と主力外の選手を中心に実践の場を与えながら、リーグ戦への底上げを目論む。一方、福岡は湘南とともにグループステージ1位。だが、勝ち点2差で磐田が追っており、この試合で敗れてもグループステージ突破の可能性はあるものの、確定していないゆえ、最悪でも引き分けて勝ち点1以上を積み上げたい一戦だ。

 FC東京のトピックとしては、なんといっても怪我で戦線を離脱していた森重が先発で復帰したことだ。東廉太とCBコンビを組み、リーグへ向けての実戦調整となった。GKには児玉が入り、品田、渡邊のほか、安田や熊田といった若手を抜擢。ベンチにも岡庭、土肥、荒井ら若手がズラリと揃い、試合に飢えている熱を発揮出来るかが問われることになった。
 福岡は前節から7名先発を変更し、ターンオーヴァーを選択。熊本、井上、輪湖、森山、杉本、東家、城後が先発に名を連ねた。

 球際で激しい寄せを繰り出す場面もあったが、FC東京は最終ラインでボールを回しながら、攻撃のチャンスを窺う形。アンカーの位置に入った東慶悟が低い位置まで下りて福岡の前からのプレスをかわし、前への推進力を生もうとするが、思うようにいかない。森重が逆サイドへロングフィード、東廉太が縦パスと両CBからの長いパスを試みるが、森重は実践から離れていたこともあったか、ミスも散見。ボールを保持する時間帯は多いものの、福岡のプレスを避けて外へボールを回す印象が強く、効果的な攻撃は影を潜めた。
 
 福岡はボールを握る時間帯は少ないが、ボール奪取からリズム良くFC東京陣内へ攻め入り、左サイドから北島と森山、右サイドから金森と杉本が前線の城後、東家へボールを供給しようとするが、こちらも決定機を生み出すまでには至らない。

 FC東京は後半開始から“試運転”の森重を蓮川壮大へスイッチ。福岡は55分に城後、東家の前線2枚をルキアン、ジョルディ・クルークスの外国人に代えると、その後両チームとも選手交代を重ね、システムを変更しながら活性化を図っていく。

 ただ、互いにアタッキングサードまではテンポ良く進出しても、なかなか得点機を生み出せない。CKやFKといったセットプレーからゴールへ近づく場面もあったが、特出したチャンスは見出せず。FC東京はアンカーだった東慶悟を品田とダブルボランチを組んでボールを供給し、安田に代わってピッチに投入された荒井がドリブルで切り崩そうとするなど、攻撃にアクセントをつけようと試みるが、シュートチャンスは少ないまま。対する福岡も、2列目に古巣対戦となる田邉草民や田中達也、金森に代わって志知をFWとして投入し、攻撃の圧を高めようとするが、FC東京以上にシュートを繰り出せない。

 最後は、湘南対磐田の経過を踏まえて、福岡は失点を避け、最低限引き分けて勝ち点1を奪取することに移行したか、むやみにゴール前への圧力をかけてカウンターのリスクを生むより、ボールを保持して時間を進めていく。アディショナルタイム突入後は、コーナー付近でボールをキープ。FC東京は福岡を押し込んで波状攻撃からゴール前を脅かそうとする場面もあったが、ペナルティエリア付近までには進出するものの、福岡のディフェンス対応を掻い潜ることは出来ず。福岡が勝ち点1を積み上げ、グループステージ突破を決めた。

 若手や主力外の選手を中心としたフレッシュな陣容ながら、ところどころでチャレンジも見せ、得られるものもあった。しかしながら、FC東京は7本、福岡は3本とシュート数が少なく、得点を奪う意識としての積極性があったかというと、首を縦に振るまではいかない。福岡がしっかりとした守備をしていたこともあるが、ミスを恐れてか、ペナルティエリア手前から多少強引でもミドルを放ったり、ドリブルで仕掛けるなどのアグレッシヴなプレーが少なく、パスを回しているうちに精度を欠き、相手ボールとなる場面が散見。チャンスをシュートで終われない消化不良のシーンも少なくなかった。

 アンカー起用の東慶悟をはじめ、GK児玉、FWで起用された三田といったヴェテラン勢は、落ち着きながらもアグレッシヴなパフォーマンスを見せていたことでは良かったが、群を抜いて特出した出来だったかというと、そこまでには至らず。若手に慎重なプレーが多かっただけに目立ってはいたが、明確に底上げとなる出来とまでは至らないか。

 ルヴァンカップのグループステージは今節で終了。FC東京は2020年に優勝、2021年に4強とこの2年は好成績を収めていたが、2022年は1勝2分3敗のグループステージ4位で去ることとなった。ただ、ターンオーヴァーで若手を中心に実践の場を与えたことや森重の試運転、東慶悟のアンカー起用といった次に繋がる要素もあり、なによりリーグ3連敗の流れをひとまずストップさせたことはプラス材料か。この一戦を無駄にしないためにも、中2日とタイトな日程だが、週末のホームでの柏戦では勝ち点3を獲得し、流れを好転させたいところだ。

◇◇◇

【JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ 第06節】
2022年5月18日(水)19:03試合開始 味の素スタジアム
入場者数 4,532人
天候 晴 / 気温 19.4℃ / 湿度 61%
主審 井上知大 / 副審 山内宏志、森川浩次
第4の審判員 俵 元希

 FC東京 0(0-0 / 0-0)0 福 岡 

得点:
(東)
(福)

〈試合経過〉
12分 警告 東京 中村帆高
46分* 交代 東京 森重真人 → 蓮川壮大
55分 交代 東京 城後 寿 → ルキアン / 東家聡樹 → ジョルディ・クルークス
58分 交代 東京 渡邊凌磨 → 岡庭愁人 / 安田虎士朗 → 荒井悠汰
62分 交代 東京 バングーナガンデ佳史扶 → 鈴木準弥
66分 警告 東京 熊田直紀
73分 交代 福岡 杉本太郎 → 田邉草民 / 北島祐二 → 田中達也
86分 交代 福岡 金森健志 → 志知孝明

◇◇◇

【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 01 児玉 剛
DF 49 バングーナガンデ佳史扶 → 鈴木準弥(62分)
DF 03 森重真人  → 蓮川壮大(46分*)
DF 42 東 廉太
DF 37 中村帆高
MF 18 品田愛斗
MF 10 東 慶悟
MF 23 渡邊凌磨  → 岡庭愁人(58分)
FW 45 安田虎士朗 → 荒井悠汰(58分)
FW 52 熊田直紀
FW 07 三田啓貴

≪サブスティテューション≫
GK 13 波多野豪
DF 25 蓮川壮大
DF 28 鈴木準弥
DF 39 岡庭愁人
DF 46 土肥幹太
MF 40 平川 怜
MF 48 荒井悠汰

≪監督≫
アルベル


◇◇◇



◇◇◇

【FC東京 2022シーズンスケジュール・JリーグYBCルヴァンカップ】
《Dグループ》
第01節 02月23日(水)15:00 FC東京(中止)磐 田(H・味スタ 
第02節 03月02日(水)19:00 ✕FC東京 0-1 福 岡(A・ベススタ
第01節 03月15日(火)19:00 △FC東京 0-0 磐 田(H・味スタ)〈代替開催〉
第03節 03月26日(土)15:00 〇FC東京 2-1 湘 南(H・味スタ
第04節 04月13日(水)19:00 ✕FC東京 1-2 湘 南(A・レモンS
第05節 04月23日(土)15:00 ✕FC東京 1-2 磐 田(A・ヤマハ
第06節 05月18日(水)19:00 △FC東京 0-0 福 岡(H・味スタ

【Dグループ順位表】
1位 湘 南 12/6/4/0/2/9/6/3
2位 福 岡 10/6/3/1/2/6/6/0
3位 磐 田 07/6/2/1/3/4/5/-1
4位 FC東京 05/6/1/2/3/4/6/-2
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点差)

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