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第95回選抜高校野球大会 出場校決定


 春はセンバツから。出場36校決定。

 3月18日(土)から14日間にわたって阪神甲子園球場で開催される第95回記念選抜高等学校野球大会の出場校を決める選考委員会が、1月27日(金)にオンラインで行なわれ、出場校が決定。第95回は記念大会となり、東北、関東、東海、四国の4地区で1枠増えて、一般選考32校、明治神宮大会枠1校、21世紀枠3校の計36校がセンバツ行きの切符を手にした。

 まず、21世紀枠から発表が行なわれ、東日本から氷見(富山)、西日本から城東(徳島)、地区を問わない3校目には石橋(栃木)が滑り込んだ。石橋は3回目の候補で、文字通りの三度目の正直で初の甲子園行きを掴んだ。

 一般選考は、明治神宮大会優勝校の大阪桐蔭(大阪)の近畿が1枠プラス。毎回議論にあがる関東・東京や中国・四国、近畿の最後の枠に賛否はあるだろうが、各地区ともにおおよそ順当な選出という印象だ。前回優勝の大阪桐蔭は4年連続14回目の出場を、昨夏の甲子園と昨秋の東北大会を制した仙台育英(宮城)も2年ぶり15回目の出場を決め、それぞれ大会連覇、夏春連覇に挑む。
 初出場は、21世紀枠の城東、石橋に加え、能代松陽(秋田)、彦根総合(滋賀)、光(山口)の計5校に。最多出場は龍谷大平安(京都)が4年ぶりに42回目の出場を決めた。

 組み合わせ抽選会は3月10日(金)に行なわれ、3月18日(土)に開幕を迎える。

◇◇◇

<第95回選抜高校野球大会 出場校>※発表順
【21世紀枠】(3)
氷 見 (北信越:富山)(30年ぶり2回目)
城 東 (四国:徳島)(初出場)
石 橋 (関東・東京:栃木)(初出場)
【北海道】(1)
クラーク国際(北海道)(2年連続2回目)
【東 北】(3)
仙台育英(宮城)(2年ぶり15回目)
東 北 (宮城)(12年ぶり20回目)
能代松陽(秋田)(初出場)
【関東・東京】(7)
山梨学院(山梨)(2年連続6回目)
専大松戸(千葉)(2年ぶり2回目)
健大高崎(群馬)(2年ぶり6回目)
慶應義塾(神奈川)(5年ぶり10回目)
作新学院(栃木)(6年ぶり11回目)
東海大菅生(東京)(2年ぶり5回目)
二松学舎大附(東京)(2年連続7回目)
【東 海】(3)
東 邦 (愛知)(4年ぶり31回目)
常葉大菊川(静岡)(10年ぶり5回目)
大垣日大(岐阜)(2年連続5回目)
【北信越】(2)
北 陸 (福井)(34年ぶり2回目)
敦賀気比(福井)(3年連続10回目)
【近 畿】(6+神宮大会枠1=7)
大阪桐蔭(大阪)(4年連続14回目)
報徳学園(兵庫)(6年ぶり22回目)
智辯和歌山(和歌山)(3年ぶり15回目)
龍谷大平安(京都)(4年ぶり42回目)
履正社 (大阪)(3年ぶり10回目)
彦根総合(滋賀)(初出場)
社   (兵庫)(19年ぶり2回目)
【中国・四国】(6)
広 陵 (広島)(2年連続26回目)
光   (山口)(初出場)
英 明 (香川)(5年ぶり3回目)
高松商 (香川)(4年ぶり28回目)
高 知 (高知)(2年連続20回目)
鳥取城北(鳥取)(2年ぶり4回目) 
【九 州】(4)
沖縄尚学(沖縄)(9年ぶり7回目)
長崎日大(長崎)(2年連続4回目)
海 星 (長崎)(7年ぶり6回目)
大分商 (大分)(3年ぶり7回目)

◇◇◇

 関東・東京は、関東では秋季関東大会の4強、山梨学院(山梨)、専大松戸(千葉)、健大高崎(群馬)、慶應義塾(神奈川)がすんなり決定。東京は前監督の体罰問題による解任があったものの秋季東京都大会優勝の東海大菅生がまず選出された。関東5枠目は、秋季関東大会準優勝の専大松戸に3-4と善戦した作新学院(栃木)を選出。最後の1枠を横浜(神奈川)と二松学舎大附(東京)で争う形になったが、二松学舎大附が甲子園行きの切符を掴んだ。

 横浜は秋季神奈川県大会1位で関東大会に臨み、初戦は浦和学院(埼玉2位)に2-0で勝利したものの、同準々決勝で健大高崎(群馬1位)に2-5で敗退。同大会での埼玉勢はシードの昌平(埼玉1位)が初戦となる準々決勝で慶應義塾(神奈川2位)に3-7で敗れ、山村学園(埼玉3位)が初戦に土浦日大(茨城1位)に勝利したものの、準々決勝で優勝した山梨学院(山梨1位)に1-9と大敗したこともあり、全体的に低調だったことを考えると、そのなかで1試合で2得点のみに終わったことが響いた模様。一方、二松学舎大附は、秋季東京都大会決勝では東海大菅生に2-8とやや差をつけられたため、同準決勝で惜しくも優勝した東海大菅生に2-3で敗れた日大三の可能性も考えられていたが、準決勝で帝京に8-3と打ち勝ち、1年ながら4番を任され3本の本塁打を放った片井を中心とした長打力や得点力が評価されたようだ。

 横浜と二松学舎大附の比較については、明治神宮大会での関東地区代表の山梨学院が初戦で英明(四国・香川)に7-10、東京地区代表の東海大菅生が広陵(中国・広島)に2-6と、ともに敗れたが、英明が準々決勝で北陸(北信越・福井)に敗れ、その北陸が、準決勝で大阪桐蔭との決勝戦で接戦を繰り広げるも惜しくも準優勝に終わった広陵に0-5の完封負けを喫していた。広陵を基準とすると、敗れはしたものの、東海大菅生は広陵戦で北島が追撃となる2ランを放って長打力を見せていたこともあり、明治神宮大会での関東地区代表と東京地区代表との比較、および、横浜が秋季関東大会で低調の埼玉勢への1勝のみに終わったことを考えると、最後の1枠が東京となるのも理解できる。また、21世紀枠で石橋(栃木)が選ばれていたことも、関東と東京のバランスを取るという意味で、少なからず影響があったともいえよう。
 
 ちなみに、東京が2校選出されると、決まって「東京だけが別枠なのがおかしい」「東京も関東大会に出ないのはおかしい」といった発言をする一部の人がいるが、何度も言っているように、北海道や東京が(夏の甲子園に)2枠あるのは、北海道は出場校数(北北海道74、南北海道102=176校)に加えて広大な地域性ということもあるが、全国47都道府県のなかで出場校数が200校を超えているのは東京のみ(東東京127、西東京125=252校)で、出場地区最多となる愛知ですら175校と北海道を下回っている。たとえば、夏には2018年の第100回大会などの記念大会では、南・北埼玉、東・西千葉、南・北神奈川、東・西愛知、南・北大阪、東・西兵庫、南・北福岡と増枠されたが、2022年の出場校数を見ると、1位から順に愛知(175校)、神奈川(170校)、大阪(165校)、兵庫(157校)、千葉(153校)、埼玉(147校)、福岡(136校)、東東京(127校)、西東京(125校)と、東・西東京より校数が上の地区が増枠されている。おそらく都道府県単位で200校を超えるところを一つの基準としているのだろう。

 また、関東大会うんぬんという話は、かつて関東大会には東京代表が出場していたこともあったが、当時東京が強く、なかなか関東の他県の活躍が見込めないことから、東京は別枠でやってくれとの申し出があって別途秋季東京都大会を開催したという歴史的経緯があるゆえ、今になっておいそれと関東大会に戻れとは関東地区側が言えない理由もある。

 甲子園で成績を残すと、やれ東京の枠を他地区へ回せだの、この地区は枠が多いだのということを言う人もいるが、基準はあくまでも出場校数に拠っているはずだ。成績を考慮し始めると、大会の運営上、期間内に安定して開催可能な全体の出場枠の上限もあるため、成績比較に終始してしまうと、それこそ出場に値しない地区などが出てきても良いという理屈になってしまう。印象としては近年近畿勢や東北勢が目覚ましい活躍をしているが、出場校数を元に考えれば、たとえば近畿は府県数と同数の出場枠が与えられていて、地元開催という利点(集客)を図っているためなのか、そもそも過多といえる。確かに、大阪や兵庫は出場校数も多い激戦の強豪地区だが、それに続くのが京都(72校・16位)、滋賀(52校・31位)、和歌山(37校・42位)、奈良(35校・44位)で、滋賀以下は軒並み下位だ。比較対象として関東・東京を列挙してみると、前述の神奈川、千葉、埼玉、東東京、西東京に、茨城(93校・12位)、群馬(61校・22位)までが上位、そこに下位の栃木(58校・26位)、山梨(33校・45位)が加わった1都7県に例年6枠(関東4.5、東京1.5)となり、出場校数を鑑みれば、関東・東京と近畿の枠が同数というのもどうなのかということになってくる。成績という点でも、なぜか東京は思ったよりも評価されない感じも受けるが、甲子園での通算勝利数や優勝・準優勝回数を考えれば、大阪や愛知、兵庫に比肩する成績だ。

 その近畿だが、最後の枠には社(兵庫)が滑り込んだ。昨秋の兵庫大会は3位で近畿大会出場するも、準々決勝で智辯和歌山に0-7とコールド負けを喫していたため、同じく準々決勝で龍谷大平安に0-5で敗れた高田商(奈良2位)が選ばれるという予想も少なくなかったが、近畿大会初戦で天理(奈良1位)を13-7で破ったことが評価されたようだ。

 中国・四国は、鳥取城北(鳥取)と鳴門(徳島)との争いで鳥取城北を選出。鳥取城北は明治神宮大会で準優勝した広陵に、秋季中国大会の準決勝で6-8と好ゲームを繰り広げていた。一方、鳴門は秋季四国大会の準決勝で高松商(香川)に1-4で敗戦。高松商は同決勝で英明に敗れ、その英明は明治神宮大会で広陵に完封負けした北陸に敗戦したことを考慮すれば、妥当な選出だったといえる。

 兎にも角にも、出場決定を決めた36校が、無事にセンバツの開幕を迎えることを祈りながら、球春を待ちたい。

◇◇◇

<第95回選抜高校野球大会 補欠校>
【21世紀枠】
小野(兵庫)
稚内大谷(北海道)
【北海道】
北 海
【東 北】
聖光学院(福島)
山形中央(山形)
【関 東】
横 浜 (神奈川)
山村学園(埼 玉)
【東 京】
日大三
帝 京
【東 海】
加藤学園(静岡)
津 商 (三重)
【北信越】
福井商 (福井)
松商学園(長野)
【近 畿】
高田商 (奈良)
神戸国際大付(兵庫)
【中 国】
高川学園(山口)
おかやま山陽(岡山)
【四 国】
鳴 門 (徳島)
明徳義塾(高知)
【九 州】
明 豊 (大分)
西日本短大付(福岡)


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