序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

プレーバック劇団芝居屋第39回公演「通る夜・2022」その16

2022-03-01 19:06:51 | 演出家


劇団芝居屋第40回公演出演者&劇団員オーディション兼ワークショップのお知らせ

あなたも覗く側(観客)から覗かれる側(役者)へ!

この度劇団芝居屋は、劇団入団希望者及び、
2022年10月に行われる第40回公演の出演者を選抜する
ワークショップ・オーディションを開催します。

劇団芝居屋は、「覗かれる人生劇」という俳優主体の芝居作りを目指しています。
劇団芝居屋公演に参加希望の方はお越しください。
あなたの役者としての可能性をこのワークショップで探ってみませんか。
自分の体で表現することに興味のある方はお気軽においで下さい。
【募集概要】
日時・・・2022年3月22日(火)29日(火)30日(水)31日(木)
計4回。18:00~21:30
応募資格・・健康な男女。年齢、演技経験の有無は問いません。
同劇団の芝居に参加したいという意思のある方。
ワークショップのみの参加も歓迎いたします。
料金・・・10,000円
内容・・・基礎的発声練習の後、これまでの上演台本を使い「覗かれる人生」劇の芝居創りの過程を、
追体験していただきます。
稽古場・・・品川区荏原文化センタ-(最寄駅は東急池上線「荏原中延駅」徒歩5分)
応募方法・・住所、氏名、電話番号、年齢、性別、演技経験の有無、写真(バストアップ)を
下記の劇団芝居屋事務所まで、手紙、メールのいずれかでご応募ください。
締切日・・・2022年3月15日



さて第五場でございます。
マサルに案内されたキートンの時間旅行もいよいよ終わりが見えてきました。
さて第四場で友情というものを確認できたキートンでしたが、それから時間は卒業間近へと飛びます。
3年B組の作品としてクラス対抗演芸コンクールに出したキートンが書いた「北高今昔物語」も大好評を得ました。
後は卒業を待つだけとなったキートン。
何とかして自分の想いをチーコに告白しようと呼び出します。




チーコ 「大評判だったね」
キートン 「エッ、なに?」
チーコ 「文化祭」
キートン 「・・ああ。うん、あんまり受けちゃったんでびっくりしちゃった」
チーコ 「大成功。あれもキートンのお蔭ね」
キートン 「そんな、そんなことはないよ。みんな一生懸命にやったからだよ。・・・
でもすごい拍手だったね」
チーコ 「うん、わたし感動しちゃった」
キートン 「俺、あの時これから自分がやりたい事が見えた気がしたんだ」
チーコ 「ヘエーッ、そうなんだ」
キートン 「自分が思っている事をさ・・・その、書いたりして・・表現する・・そ
ういう事がやりたいのかなって、あの時、舞台の上で考えていたんんだ。変だろう、
俺がそんな事考えるなんて」
チーコ 「ううん、そんな事ないわよ。自分のやりたい事が見つかったんでしょう。
素晴らしい事だと思うわ。わたし達若いんだもの、どんな事だって一生懸命にやった
ら何とかなるよ」

いよいよ、その時がきました。



キートン 「チーコ」
チーコ 「なあに」
キートン 「オレ・・・僕の事どう思う」
チーコ 「・・・どうって?」
キートン 「・・・だから、その・・・嫌い?」
チーコ 「・・ううん」
キートン 「ジャ、じゃ・・好き?」
チーコ 「・・・うん」
キートン 「本当!?」
チーコ 「うん」
キートン 「本当に本当?」



チーコ 「だって友達だから」
キートン 「エッ!・・・・」
チーコ 「友達だよね」
キートン 「・・・ああ、そうだよね。・・・そうだ、友達だもんな」

チーコから離れるキートン。

チーコ 「ゴメンネ」
キートン 「何が・・・何謝ってるんだよ。悪い事何にもやってないべや、チーコ」
チーコ 「知ってたの、キートンの気持ち」
キートン 「何言ってんだ、俺はなにも・・・」
チーコ 「タケコから聞いていたの」
キートン 「エッ!・・・あいつ余計な事を・・・」
チーコ 「キートンの事は好きよ。でも付き合っている人が居るの」

呆然とするキートン。

キートン 「(我に返り)ああ、そう・・・そうなの・・・そうなんだ(明るく)それで、そいつとはうまくいってんの」
チーコ 「うん」
キートン 「そうか、よかったね。・・・誰?俺の知ってる奴」
チーコ 「・・・うん」

マサルが現われる。
キートン 「マサル・・お前なんで」

キートン 「お前・・・まさか。・・・お前か?」
マサル 「ゴメン!」
キートン 「嘘だべ。だって俺が相談した時、何も言わなかったべや」
マサル 「お前があんまり真剣だったからいえなかった」
キートン 「そんな・・・」


キートン 「何でお前達が来んのよ・・・エッ、みんな知ってるのか」
マサル 「ゴメン、どうしていいのか分からなくて相談したんだ」
キートン 「じゃ、・・二人の事、みんな知っていたのか」

頷く一同。

キートン 「・・・いつから付き合っていたのよ」
マサル 「・・・文化祭の・・少し前」
キートン 「その時からみんな知っていたのか」

頷く一同。

キートン 「友達だとおもっていたのに・・・」
シュンジ 「俺たちは友達だよ」
ノッチン 「そうだよ、友達だよ」
フーコ 「そうだよ」
キートン 「笑っていたんだな、みんなして」
タケコ 「キートン」
キートン 「さぞ面白かったべな。お笑い草だよ、まるでピエロだ。みんなして陰で
笑っていたんだべ。親友だと思って、信用して何から何までみんなしゃべっちまった
んだからな」



ケイコ 「そんな事無いよ」
キートン 「うるせえ!」
マサル 「キートン、聞けよ!」
キートン 「それを裏切りやがって。ぶん殴ってやる!」

マサルに飛び掛かるキートン。
もみ合う二人を引き離す一同。
突き飛ばされるチーコ。
タケシに二人分けられるが、タケシを突き飛ばして、全員と対峙するキー
トン。



キートン 「お前なんか、お前達なんか・・絶交だ!」

マサルとはこういった経緯があったんですな。
さて今日はここまで。
明日の第六場大詰めへと移ります。


撮影鏡田伸幸


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