遊爺雑記帳

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今年の米大統領選、わずか7州で決まり?

2024-03-23 01:23:56 | 米国 全般
 2024年の大統領選挙の勝敗は、人口が全体の5分の1に満たない7州の結果で決まりそうだと、WSJのカール・ローブ氏。
 
【寄稿】今年の米大統領選、わずか7州で決まり? - WSJ

 激戦州の少なさは選挙の展開に極めて大きな影響
 By カール・ローブ 2024年3月21日

  米国には50の州とコロンビア特別区があり、3億3600万人が住んでいる。しかし
2024年の大統領選挙の勝敗は、人口が全体の5分の1に満たない7州の結果で決まりそうだ。これらの激戦州がほぼすべての注目を集めるだろう。

 
ほとんどの州で、有権者の投票行動の見通しは既にかなりはっきりしている政治専門家らによると、ドナルド・トランプ前大統領が24州の選挙人票219票を得る一方、ジョー・バイデン大統領は20州とコロンビア特別区の選挙人票226票を獲得する可能性が高い(これは、下院選挙区ごとに選挙人票を割り当てる二つの州で2020年と同じ結果となることを前提としている。前回、トランプ氏はメーン州農村部の第2選挙区で、バイデン氏はネブラスカ州オマハ地区の第2選挙区で勝利した)。

 
残りはアリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシンの主要7州の93票となる。トランプ氏は2016年、このうちネバダ州を除くすべてで勝利を収めた2020年には、トランプ氏が1.34ポイント差でノースカロライナ州を制する一方、バイデン氏は0.23~2.78ポイント差で他の6州を勝ち取ったバイデン氏が再選を果たすには、これら7州の選挙人票のうち45票が必要であり、トランプ氏の返り咲きには51票が必要となる。いずれかが目標水準に達するには、7州のうち少なくとも3州で勝たなければならない

 7州という数は、最近の選挙の激戦州の数より少ない。筆者がストラテジストを務めた2000年のジョージ・W・ブッシュ氏の選挙活動では、21の激戦州で争い、14州で勝利した。ブッシュ氏が敗れた州があと一つ多ければ、アル・ゴア氏が大統領選の勝者になっていた。

 
2024年大統領選で激戦州がこれほどまでに少ないという事実は、選挙の展開に極めて大きな影響をもたらすだろう。各候補は、訪問先や選挙対策組織、何億ドルもの広告費をこれら7州に集中させるだろう。各候補が非激戦州に赴く理由は、資金を調達する、自宅のベッドで寝る、(実現する場合)討論会に参加する、あるいは全国的なインパクトのあるイベントに出席する、のいずれかになろう。例えば、ロナルド・レーガン氏の1980年大統領選の最初の舞台は、自由の女神を背景としたニュージャージー州の海岸だった。

 激戦州の数がこれほどまでに少ないことで、各候補には、これら7州にそれぞれ特有の争点に集中するよう
求める圧力がいっそう強くのしかかることになる。ミシガン州では自動車業界について、ペンシルベニア州では天然ガス生産について話すことになるだろう。ネバダ州ではユッカマウンテンの放射性廃棄物処分場に関する立場を説明するよう求められる一方で、アリゾナ州では国境問題のほか、水資源の問題も重要になるだろう。

 
これらの州における民主、共和両党の支部の質もまた重要だ。この点は共和党にとって悩みの種となる。民主党の状況は良好ないし極めて良好だ。7州の同党支部はバイデン陣営および民主党全国委員会から豊富な資金援助を受けるだろう。それとは対照的に、共和党のアリゾナ、ジョージア、ネバダ各州の支部はひどい状態にあるミシガン州の共和党支部は今年1月、支部組織を破産に追い込んだとして支部長を解任した。その後任となった元連邦下院議員で元(駐オランダ)大使のピート・ホークストラ氏は組織を立て直せるかもしれない。しかし、共和党全国委員会がどの程度の資金を支部に提供できるかは明らかでない

 
州知事の役割も同様に重要だ。州の選挙で勝利を収めた彼らには政治的な影響力があり、動員可能な有権者を擁している。ジョージア、ネバダ両州の知事は共和党系その他の5州の知事は民主党系だ。ノースカロライナ州のロイ・クーパー知事は今年で任期が切れる自身の政治キャリアを高める上で、同州でバイデン氏を勝利させる以上に望ましい方法はあるだろうか

 
これら激戦州での戦いは、バイデン氏が郊外の大卒共和党員や無党派層から集めるよりも多くの票を、トランプ氏が労働者階級の民主党員や無党派層から獲得できるかどうかにかかっているとみられる。これらの州の有権者に占める大卒者の割合は、全米のほぼ平均水準にある。これが大統領選で接戦となる大きな理由の一つだ

 この一握りの激戦州以外に住んでいる人々は幸運だ。政治で起きていることはニュースで知ることになるが、家のテレビがネガティブキャンペーンの選挙広告であふれたり、郵便受けがちらしで一杯になったり、電話が絶え間なく鳴ったり、選挙運動員が玄関の呼び鈴を鳴らしたりすることはないだろう。

 激戦州に住む世帯へのアドバイスは次のようなものだ。ペンシルベニア州のアーミッシュの村に住んでいない限り、わずらわしさから逃れることは困難だ。今から選挙当日までテレビを見ないことや、広告なしのストリーミングサービスの料金を支払うことを検討すべきだ。各種料金の請求をオンラインに切り替え、知らない番号からの電話は無視したほうがいい。誰かがドアに近づくと、犬のうなり声を発するスピーカーを購入するのも手だ。

 
すべての州の一人一人の票に価値があるが、誰が大統領になるかを決めるのは、七つの激戦州に住む6100万人の米国民だ。これらの州の人々にとってのなぐさめは、次々に大統領が交代していく中で、焦点でなくなる州もあれば、新たに浮上する州もあるということだ。しかし期間が長く、費用がかさみ、敵意に満ちた今回の選挙戦では、彼らが貧乏くじを引いた。容易ではないが、彼らの票が持つ重みは極めて大きく、恐らく歴史的とさえ言えるだろう

***

――筆者のカール・ローブ氏は、政治活動委員会「アメリカン・クロスロード」の設立に関わった。著書に「The Triumph of William McKinley(ウィリアム・マッキンリーの勝利)」(サイモン&シュスター2015年刊行)がある。

 2024年の大統領選挙の勝敗は、人口が全体の5分の1に満たない7州の結果で決まりそうだ。
 ほとんどの州で、有権者の投票行動の見通しは既にかなりはっきりしている。政治専門家らによると、ドナルド・トランプ前大統領が24州の選挙人票219票を得る一方、ジョー・バイデン大統領は20州とコロンビア特別区の選挙人票226票を獲得する可能性が高いと、WSJ・カール・ローブ氏。

 残りはアリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシンの主要7州の93票。
 
 トランプ氏は2016年、このうちネバダ州を除くすべてで勝利を収めた。
 2020年には、トランプ氏が1.34ポイント差でノースカロライナ州を制する一方、バイデン氏は0.23~2.78ポイント差で他の6州を勝ち取った。
 バイデン氏が再選を果たすには、これら7州の選挙人票のうち45票が必要であり、トランプ氏の返り咲きには51票が必要となる。いずれかが目標水準に達するには、7州のうち少なくとも3州で勝たなければならないと、WSJ・カール・ローブ氏。

 これらの州における民主、共和両党の支部の質もまた重要だと。
 この点は共和党にとって悩みの種となる。民主党の状況は良好ないし極めて良好だと、WSJ・カール・ローブ氏。

 7州の同党支部はバイデン陣営および民主党全国委員会から豊富な資金援助を受けるだろう。
 それとは対照的に、共和党のアリゾナ、ジョージア、ネバダ各州の支部はひどい状態にある。ミシガン州の共和党支部は今年1月、支部組織を破産に追い込んだとして支部長を解任した。その後任となった元連邦下院議員で元(駐オランダ)大使のピート・ホークストラ氏は組織を立て直せるかもしれない。しかし、共和党全国委員会がどの程度の資金を支部に提供できるかは明らかでないのだそうです。
 
 州知事の役割も同様に重要だと、WSJ・カール・ローブ氏。
 ジョージア、ネバダ両州の知事は共和党系、その他の5州の知事は民主党系だ。ノースカロライナ州のロイ・クーパー知事は今年で任期が切れる。自身の政治キャリアを高める上で、同州でバイデン氏を勝利させる以上に望ましい方法はあるだろうかと。

 これら激戦州での戦いは、バイデン氏が郊外の大卒共和党員や無党派層から集めるよりも多くの票を、トランプ氏が労働者階級の民主党員や無党派層から獲得できるかどうかにかかっているとみられるのだそうです。
 これらの州の有権者に占める大卒者の割合は、全米のほぼ平均水準にある。これが大統領選で接戦となる大きな理由の一つだと、WSJ・カール・ローブ氏。

 すべての州の一人一人の票に価値があるが、今回の大統領選では、誰が大統領になるかを決めるのは、七つの激戦州に住む6100万人の米国民となる。
 今回の選挙戦では、彼らが貧乏くじを引いた。容易ではないが、彼らの票が持つ重みは極めて大きく、恐らく歴史的とさえ言えるだろうと、WSJ・カール・ローブ氏。

 選挙戦の世論調査の報道がしばしば見られ始めていますね。
 全体ではトランプ氏が優勢との報道が現時点では大勢。「もしトラ論争」が姦しい。
 7州の、大卒者の票と、労働者階級の票が最後の勝敗を決めると言うWSJ・カール・ローブ氏の予測。
 説得力を感じました。



 # 冒頭の画像は、スーパーチューズデーのバージニア州の投票所の様子
 


  この花の名前は、チオノドクサ・ルシリエ

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