2021年 独奏発表会〜2〜

 

◯子どもの部

子どもの部は、29演目。ピアノ5演目、バイオリン23演目、チェロ1演目でした。下は年中さんから上は高校一年生まで。

都会の子どもたちは、本当に忙しく、中高生になると習い事を阻む(?)、部活動まで始まります。長く続けて、名曲と言われる曲を、楽しく弾きこなすところまでぜひ到達して欲しい。願わくば、自分のアイデンティティーの一つに、音楽が好きな自分が確立できたら嬉しいなと思って教えていますが、中高生まで、続ける子どもたちが多いのも、私の自慢のひとつです。

忙しいときは、少しずつでいいんです。勉強や部活動とは違う脳の部分を使って、心身のバランスをとって、健やかに生活してほしいと願っています。

今回も、総入れ替え制の発表会でしたので、他の仲間の演奏をなかなか全員分聴いてもらえなかったのですが、なるべく同じグループに、小さい生徒さんから大きな生徒さんまでが混合されるように工夫しました。

小さい生徒さんには、「ずっと頑張っていくと、こういうかっこいいプレイヤーに成れるんだ」という、ロールモデルを見つけて欲しいですし、大きな生徒さんには、「こういう時代もあったな。ここからコツコツここまでやってきたんだな」と初心に帰る時間にもなります。

代々生徒たちには「あこがれの先輩」がいるようで、それが大人のときもありますし、子ども同士のこともあります。「ああいうふうになりたいから、もっとがんばる。」というのは、とてもいい刺激です。大人の生徒さんたちも、いつも子どもたちを応援してくれ、大きくなったねとか、上手になってびっくりしたよ。とか親戚のおじさんおばさんのような存在なのですが、このコロナで、そういう大人と子どもの交流が薄くなっているのが、なんとも寂しいです。

(今日の写真は、子どもたちから大人気のバイオリンもピアノも弾くSおじさんとピアノ科の豊永先生です。Mおじさんからは、激励のメールが当日にきました!喜)

 

◯暗譜について

弊教室の発表会では、暗譜で演奏するかどうか自由にしています。以前、暗譜で演奏しない一流の演奏家にどうして暗譜しないのか?と聞いたら、「楽譜が読めるからです」と答えていたという話をきいて、「なるほど!」と思ったことがあります。その演奏家さんが誰だったか、ずっと思い出してるんですが、思い出せない・・・。すみません。

子どもはなるべく、楽譜をきちんと読んでほしいので、「暗譜」という方法があることさえ、知らない子もいると思います。読譜して、そのあと暗譜だったら全然OKなので、暗譜で弾かせる子もいます。暗譜のいいところは、楽譜がない分自分の音に集中できますし、体に叩き込むほど練習するので、有意義だと思っています。暗譜はしてるけど、譜面を見て本番を弾くという子もいます。それぞれ、一番力が出せる方法でやってもらっています。

暗譜ばかりさせていると、ある日あれ?楽譜読めると思ってたけど、暗譜してるだけだったの?という事態に陥ることもあるので、気をつけなくてはいけません。

暗譜したときと弾けるときが、同じ時期になってしまうというのは、楽譜が読めない生徒さんに多いです。もちろん、コンクールや音大の試験は暗譜なので、そこを目指しているのでしたら、暗譜は必須ですから読譜して暗譜のトレーニングはする必要があると思います。

ピアノでも、ピアノの鍵盤しか見てないという子は、楽譜が読めない生徒に多いですね。このあたりはこの辺?みたいな弾き方では、いつか壁が来てしまいいます。バイオリンもピアノもチェロもビオラも、そこはしっかりと教師側が見抜かないとと思っています。楽譜が読めるからこそ、多忙な中高生がなんとか学問と部活動と音楽とを両立してくれるんだと思います。

◯見せ場をつくる

若い頃に自分の生徒たちに、発表会の曲を、著名な先生に公開レッスンしてもらうという企画をしたことがあります。芸大やその他一流音大にも生徒さんを何人も合格させたり、コンクールにも入賞させている先生。すごくいい先生で、私にも勉強になるように、でも私の顔も立ててくださって、上手にレッスンしてくださいました。

その時、すごいなと思ったことが、それぞれの生徒の特徴をすぐに見抜いて、レッスンのアプローチが違ったことです。呼吸の仕方をレッスンされてる生徒もいましたし、歌わされている生徒、踊らされている生徒。みんな違っていました。

そして、一番なるほどと思ったことが、どんなにアマチュアの生徒にも、子どもの生徒にも、必ずその曲の見せ場を作ってくださるんです。この曲の見せ場は、ここよね。ここはどんなことがあっても、こういう音で弾ききりましょうとか。ここは耳元でささやくようにとか、そういう感じです。

今回も、それぞれの生徒たちに、いろいろな見せ場を作ってあげようと思って、レッスンしました。ただずっと大きい音で、最初から最後まで、何の変化もない演奏では、弾いてる方も聴いてる方もつまらないですよね。そして、強弱や音質の変化に応えてくれる楽器を持っていればいいですが、まだ始めたばかりだからと、そういう楽器じゃない生徒もいて、とても苦労していて、これはいけないなと思い直しました。私がもっと自信を持って、良い楽器を勧めないといけません。その結果、やはり経済的にきびしいということだったら、それも仕方がないのですが、伝えることは伝えないとと思いました。

 

◯アンサンブル

弦楽器は無伴奏の曲でない限り、一人で演奏を完結することができません。ピアノは逆に一人で完結してしまうので、心してアンサンブルを積極的にさせないといけません。それがミュージックデータが相手だったとしてもです。小さい頃からミュージックデータとレッスンしている子どもたちが、データやピアノ伴奏を良く聴けていて、嬉しかったです。

伴奏をお願いしている堤さんは、学生時代から本当に伴奏が好きで、同級生の伴奏もたくさんしていたそうです。一人で練習するより、断然伴奏の練習を誰かとしている方が楽しいとか。

叩きつけるようなピアノじゃなく、本当に上手にピアノを鳴らしてくださって、素晴らしい伴奏でした。生徒たちももちろんピアノを聴き、堤さんもピタリとついてくださり、それぞれの子共たちの世界を大事にしてくださり、本当にありがたかったです。

音楽をやる=人と調和して何かをするという経験は、本当に楽しいものだと思います。私自身も、そういう経験をたくさんして、音楽と生きてきました。

それは同調するだけじゃなく、自己主張するところはして、譲るところは譲って、お互い寄り添い、一方的に自分のことを話すのではなく、会話し合うという経験が、いつかその子の人生のどこかで、役に立ってくれたらいいなと思っています。

クリスマスもドキドキした気持ちで、気の毒だったなと思います。冬休みはのびのびと楽しく過ごしてね。やりきってしまって、バイオリン弾く気持ちがなかなか起きなかったら、いい演奏をたくさん聴いて過ごしてくださいね。また、来年も一緒に頑張りましょう。

 

 

 

 

 

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