竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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万葉集 集歌2766から集歌2770まで

2022年01月22日 | 新訓 万葉集
集歌2766 三嶋江之 入江之薦乎 苅尓社 吾乎婆公者 念有来
訓読 三島江(みしまえ)し入江し薦(こも)を刈りにこそ吾(われ)をば公(きみ)は念(おも)ひたりけれ
私訳 三島江にある入り江の薦を刈る、その言葉のひびきではないが、かりそめだからこそ、私に貴方は想いを寄せたのですね。

集歌2767 足引乃 山橘之 色出而 吾戀南雄 八目難為名
訓読 あしひきの山橘し色に出(い)でて吾(われ)は恋なむを止(や)め難(かて)にすな
私訳 足を引きずるような険しい山の山橘のように、はっきりと色に出して、私はお前を抱こうとしているが、お前はそれを躊躇している。

集歌2768 葦多頭乃 颯入江乃 白菅乃 知為等 乞痛鴨
訓読 葦(あし)鶴(たづ)の騒く入江の白菅(しらすげ)の知らせむためと乞痛(こふた)かるかも
私訳 蘆辺の鶴が鳴き騒ぐ入り江の白菅、その言葉のひびきではないが、貴女に知らせる(=気づかせる)ためだと人は騒ぎ立てる。

集歌2769 吾背子尓 吾戀良久者 夏草之 苅除十方 生及如
訓読 吾が背子に吾(あ)が恋ふらくは夏草し刈り除(そ)くれども生(お)ひ及(し)く如(ご)くし
私訳 私の貴方に私が恋い焦がれるのは、まるで、夏草を刈り取り除いてもまた生え茂るようなものです。

集歌2770 道邊乃 五柴原能 何時毛々々々 人之将縦 言乎思将待
訓読 道の辺(へ)のいつ柴原(しばはら)のいつもいつも人し許さむ言(こと)をし待たむ
私訳 道のほとりの厳柴の原、その言葉のひびきではないが、いつかは、いつかはと、その娘が私の想いを許す。その言葉を口に出し神に誓う時を待ちましょう。

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