日本のリベラル派のなかにも冷静な識者がいる。東浩紀がAERAdot.15日付に「日本学術会議の任命拒否問題は菅政権のしたたかな戦略かもしれない」との一文を書いていたからだ▼東は多くのマスコミや野党のように一応は「説明責任を求めたい」としながらも、菅政権が「こんな暴挙に乗り出した」という背景には「勝てるという計算が働いたのではないか」との見方をする。その理由として「日本学術会議を自由の旗にすることがどれほど市民に支持されっるか、筆者はいささか心許ない」と述べている。「日本学術会議は税金で運営されているわりには、存在意義があいまいで運命も不透明な組織である」であり、だからこそ、菅政権が「最初の敵に選んだのではないか」と分析している▼「実際ネットでは、政権批判と同じくらい会議批判が広がっていること」に危機感を抱いたのである。ネット上では日本学術会議の問題点が次々と暴露されたいるからだ。東は「モリ、カケ、桜」の縮小再生産でしかないことを見抜いているのだ。実際に立憲民主党の支持率は頭打ちである。戦う前から勝ち目がないことを自覚しており、自分たちリベラル派が守勢に立たされているとの認識に立っている。それでもなお同じことを繰り返すマスコミや野党に、東は異論を唱えたのである。
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