みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1332「専業主夫」

2022-11-28 17:26:26 | ブログ短編

 私は専業主夫(せんぎょうしゅふ)。最初(さいしょ)は、家にいるのがちょっと後ろめたい感じもあったのだが…。でも、今では、普通(ふつう)に近所(きんじょ)の奥(おく)さんたちと立ち話をしたりして。どうも私には、サラリーマンよりこっちの方が性(しょう)に合っているのかもしれない。
 会社を辞(や)めたきっかけは、働(はたら)き過(す)ぎで身体(からだ)を壊(こわ)してしまったから…。会社を辞めたばかりの頃(ころ)は、私の人生(じんせい)、終(お)わったなって思ったこともあった。これからどうしたらいいのか、まったく先(さき)が見えなかった。何をする気にもなれなくて、妻(つま)にひどいことを言ったこともある。私にとっては最悪(さいあく)の時だった。
 私は、妻に感謝(かんしゃ)している。こんなダメな私を見捨(みす)てることなく、ここまで一緒(いっしょ)に歩(あゆ)んでくれた。私が会社を辞めると言ったときも、「あたしが働くから大丈夫(だいじょうぶ)よ」って…。普段(ふだん)はのんきな彼女が、この時ばかりは頼(たの)もしく思えた。
 いま思えば、妻も不安(ふあん)でいっぱいだったはずだ。私に隠(かく)れて実家(じっか)へ足を運(はこ)んだことも、一度や二度ではないだろう。私は妻と出会えて幸(しあわ)せだ。でも、妻の方は…どう思っているのか…。確(たし)かめたことはないのだが――。
 私は、少しずつだが仕事(しごと)をやり始めた。これは、友人(ゆうじん)たちが助(たす)けてくれたおかげだ。妻からはムリしなくてもいいからと言われているが…。家族(かぞく)が増(ふ)えるのだ。少しでも、妻の助けになることをしなくてはいけない。
<つぶやき>生きてることを楽(たの)しみましょう。どんな時も、それを忘(わす)れないでいてほしい。
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