ねこ庭の独り言

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敵基地攻撃能力 - 9 ( 伊藤元海将の言葉と、的外れな国会論議 )

2020-08-12 16:07:00 | 徒然の記

  《 2. 新聞のスクラップ帖 ( 6月16日以来の、千葉日報の記事 ) 》

 6月27日の、記事の説明が終わりました。

    4. 7月  9日 河野防衛相による、敵基地攻撃に関する説明

    5. 7月10日 河野防衛相による、北朝鮮の攻撃手段多様化に関する説明

    6. 7月16日 敵基地攻撃で、公明党が自民を牽制

    7. 7月23日 自民党がヒヤリングした、有識者4人が肯定的回答

    8. 7月25日 前防衛大臣 岩屋毅インタビュー

 今回は、4.番目と5.番目の記事です。「 河野防衛相による、敵基地攻撃に関する説明 」で、7月8日の衆議院安全保障委員会と、7月9日の参議院安全保障委員会における答弁が、報道されています。今回の記事には、余計な批判がなく、説明内容だけが書かれています。

 私もそれを真似、二日間の防衛大臣の答弁を、簡潔に箇条書きとします。

《 1. 7月8日の衆議院安全保障委員会 (  自民党・小野寺五典、立憲民主党・篠原豪、本田平直、日本維新の会・串田誠一 各氏への答弁)  》

  ・日本向けミサイルが発射前の、攻撃については、必要最小限度の措置で、他に防御手段がない場合は、法理的に自衛の範囲に含まれ、憲法上可能だ。

  ・敵基地攻撃に必要な能力は、ミサイル拠点探知能力と、制空権の確保、打撃力が必要だ。

  ・敵基地攻撃の判断は、国際情勢や相手国の意図、攻撃手段などで判断する。

  ・空からの脅威は、非常に多様化、複雑化している。

  ・極超音速兵器、複数ミサイルの同時発射などの「飽和攻撃」に対し、迎撃で対応するのは困難だ。

  ・新たなミサイル防御については、与党論議を踏まえて検討する。あらゆる選択肢を、テーブルに載せて議論する。

  ・来年度予算の締め切りとなる9月末までに、方向性を示す。

 [ 内閣法制局 近藤正春長官談 ]

  ・自衛隊が保有できる必要最小限度の実力とは、国際情勢や技術など、各種条件により左右される、相対的な面を有する。

  ・国会で、判断するしかない。

《 2. 7月9日の参議院安全保障委員会 (  自民党・佐藤正久、日本維新の会・浅田均、共産党・井上哲士 各氏への答弁) 》

  ・北朝鮮が、新型ミサイル開発などにより、攻撃手段を多様化し、日本への脅威が増大している。

  ・「イージス・アショア計画」断念後、新たな脅威への対抗策を、政府内で検討していく。

  ・あらゆるカードをテーブルの上に並べて、議論する必要がある。

  ・北朝鮮は、ミサイル防衛網を突破するため、低い高度で、変則的起動で飛行する、新型ミサイルを開発している。

  ・同時に、複数のミサイルを打ち込む「飽和攻撃」の、能力向上を図っている。

  ・移動可能な発射台付き車両を開発し、ミサイル発射の兆候を把握できにくくしている。

  ・北朝鮮は、前例のない頻度でミサイル発射を行い、同時発射能力と奇襲攻撃能力を、向上させている。

  ・北朝鮮のミサイル技術向上で、日本への脅威はさらに高まっている。

  ・「イージス・アショア計画」断念の理由とした、ブースター落下問題の改修には、10年の期間と2000億円以上の追加負担が生じる。

  ・改修は、ミサイル自体の性能向上につながらない。

 [ 防衛装備庁 武田博史長官談 ]

  ・地上イージスに使う予定だったレーダーは、イージス艦やレーダーサイトで、使用できる可能性がある。

  両日の記事のお陰で、国会内でどのような議論がなされているのか、おおよそが分かりました。ここで判明したことは、与野党の政治家たちが、北朝鮮の脅威についてだけ議題に乗せ、中国について議論していない事実です。説明する政府も中国に触れず、質問する野党もそれに疑問を唱えていません。

 私の考えでは、北朝鮮以上に危険なのは、共産党政権の中国です。尖閣の領海を侵犯し、沖縄は中国領だと主張し、「これ以上アメリカの側につくなら、日本の首都を壊滅させる」と、核兵器の使用をちらつかせる解放軍の将軍がいます。

 ここまできても、相変わらず国会は、中国への忖度ですか。国権の最高機関としての役目は、どこにあるのでしょう。政府批判なら、重箱の隅をつつくような話でも取り上げるのに、共同通信社も、この異常な国会審議を無言のまま肯定しています。一連の記事を、再度読んでいきますと、日本の政治が「まともでない」有様が、よく分かります。私でさえ疑問を感じますから、これではなるほど、伊藤元海将が意見を言わずにおれなくなるはずです。

 「戦略兵器というのは、相手にとどめを刺す、最終兵器のことを言います。」「これを所有していると分かれば、お互いが使えなくなります。」「つまり抑止力としての武器、でもあります。」

 「この戦略兵器が日本に飛んできたとき、どうするのかという議論が、」「弾道ミサイル防衛体制の、根っこにあります。」

「ここを言わずに、当たる当たらないの議論や、」「通常ミサイルについての話を一緒にするのは、間違っています。」「敵基地攻撃能力を持つというのは、抑止論のことでもあります。」「相手に、撃たせないための、工夫なのです。」

 伊藤氏の言葉を、今一度読み返し、焦点のずれた国会の審議と、反日・共同通信社の無節操な記事を比べてみれば、日本の問題点がいやでも浮き彫りになります。今回はここで一区切りとし、次は6.番目の、「7月16日 敵基地攻撃で、公明党が自民を牽制」です。これを読めば、さらに日本の問題点が明らかになり、気が重くなります。

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