ねこ庭の独り言

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拉致問題・青山繁晴氏の意見 -4

2024-04-04 13:38:14 | 徒然の記

    1.  令和6年2月16日【ぼくらの国会・第673回】「金与正氏の誘惑を切る」〉

   ・拉致問題の解決を遅らせたのは、野党もそうです。しかし自由民主党に一番の責任があります。それを知っているのが北朝鮮だから、今回そこにぐっと手を突っ込んできました。

 拉致問題の解決よりも国交正常化の方を目指した、「日朝国交正常化推進議員連盟」と、所属する議員名を知りますと、自由民主党の議員が断然多く、しかも幹部級の名前が並んでいます。議員たちが朝鮮総連を通じて、北の独裁者一家と親しい関係にあるのだとしたら、安倍元首相の党内での孤立状況が見えてきます。「安倍一強政治」、「安倍の独裁を許さない」と反日活動家がプラカードを掲げ、マスコミがこれを材料に安倍氏を激しく攻撃していましたが、騒がれるほどの独裁はどこにあったのでしょう。

 「条件をつけず、北と直接話す用意がある」と、最初に呼びかけていたのは安倍元首相でした。これだけの数の自由民主党の議員が邪魔をすれば、北が呼びかけに応じるわけがありません。破産した朝鮮総連のビル売却問題が立ち消えになったことや、拉致被害者の救済が一歩も進まなかった原因が、今なら分かります。名簿には岸田首相の名前もあり、今その岸田氏が、「条件をつけず、直接話す用意がある」と安倍元総理と同じ言葉で北に応じています。

   ・従って今回金与正士が、北は妥協しないということを強調した訳ですよ。拉致問題は解決したんだ、もう存在しないんだ、それを認めろと言っている。しかし日本は認める訳にいかない。

   ・棒を飲んだように北はそれで通すかと思っていたら、かっては3人と言っていた特定失踪者を、理由はハッキリ分からないけれど 今回2人に絞っている気配があります。

 ここまで氏が語れるということは、4人の北朝鮮専門家とは別に、北の動きが氏に入っていることになります。

   ・これは安倍さんの時代にもあった話で、安倍さんが苦しんだところです。特定失踪者問題に関して、身を粉にして働いてこられた荒木さんが、帰る可能性のある人がいるのならそれだけでも帰すべきだと言われ、これは全く正論ですが、けれども同時に北朝鮮はそれを認めたら、それで拉致問題を終わりにします。

   ・だから安倍さんは、この話に乗らなかった。

 議員連盟の名前と人数を知った今、政府と党内で孤立していた安倍元首相が、数少ない理解者だった青山氏に語った理由も伺えます。同時に、当時は荒木氏が関係者として参加していたことが分かりました。先日紹介した松原仁氏の意見を、ここで思い出してみましょう。

  ・全ての日本人側のステークホルダー、つまり「家族会」「救う会」「調査会」「有識者」、そして「日朝議連」。これが集まって一定の解決案というものを合意し、もし7割8割合格の答えが出てきたならば、北への人道支援も、万景峰号を含め解禁をしましょうと、私は大臣時代に言っているんですよ。

 ステークホルダーと新語を使わなくとも、荒木氏など関係者は当時から加わっていたのではないでしょうか。だとしますと、小泉訪朝時の状況を氏が知らないのか、知った上で北の要望通り話をまとめようとしているのか、少なくとも事実と違う意見だったことが明らかになります。

  ・北朝鮮が一番気にしていたのは、横田めぐみさんのことでしたが、あの時は5人だけを選び、犯罪を犯した北側が勝手に選んで、5人の方を日本に帰しました。

  ・と言っても本当は帰したのでなく、一時帰国だったんですけれども、当時安倍さんが支えていた中山恭子さんの踏ん張りがあって・・一番踏ん張ったのは中山先生だったと僕は思いますけれども、5人の方が無事日本へ戻れたんです。

  ・あの時北朝鮮は、世論の力というものを初めて知り、びっくりしたのです。世論を全否定しているのが独裁国家ですから、5人を帰したのに日本の世論がなぜ激しく北を非難したのか、意味が分かりませんでした。

  ・北が学んだのは、当時の日本の世論が横田めぐみさんに集中していたという事実でした。拉致問題の象徴になっていためぐみさんを外したため、日本国民の世論が怒りに変わったのです。

  ・確証は今だにありませんが、小泉首相が北に約束したと言われる一兆円の援助が、このため一円も来なくなった。核・ミサイルの問題が乗っかって、逆に制裁がやってきた、これが世論の力でした。

 もう一度ここで、拉致担当大臣だった松原氏の意見を思い出してみましょう。

  ・つまり5人の拉致被害者を帰したのに、「北朝鮮はけしからん、この野郎。」となったわけですよ。あれを繰り返したくないというのが、北の最大の関心事ですから・・・これは言葉を変えていうと、「出口論」ですよね。

  ・私は国内では強硬派としてやってきましたが、今回は北朝鮮が了解し、納得できる「出口論」をどう作るかです。私が拉致担当大臣の時野田総理に提言し、安倍さんにも話をしてきたが・・・

 自由民主党と立憲民主党の間に、いかに意思の疎通がないかという実例にもなりますが、青山氏の説明を聞くと、松原氏の意見が的外れだと明らかになります。もう一つ的外れな意見は、ステークホルダーの参加による合意案の策定です。今見たように「日朝議連」が国交回復を主眼とする議員の組織なら、拉致被害者の救出を第一とする「家族会」「救う会」「調査会」「有識者」とは、最初から水と油の関係になり合意案を作れるはずがありません。

 「日朝議連」と略称を言うので、てっきり「日朝国交正常化推進議員連盟」と考えてしまいましたが、日朝間にはもう一つ議員連盟があり、それが「日朝友好議員連盟」でした。ウィキペディアが、次のように説明しています。

  〈 日朝友好議員連盟 〉

  ・朝鮮民主主義共和国 (北朝鮮)との友好関係を目指す、超党派の国会議員でつくる議員連盟である。

  ・平成12 ( 2000 ) 年12月に結成され、自由民主党、社民党、民主党、公明党、自由党、共産党、改革クラブなどの超党派の国会議員が参加した

  ・ 初代会長には村山富市が就任し、2代目会長は中山正輝が務めた

  ・ 両国の関係悪化により 、近年はほとんど機能していない。

 小泉訪朝が平成14 ( 2002 ) 年ですから、平成20 ( 2020) 年結成の「日朝国交正常化推進議員連盟」はこの時まだ存在していません。もしかすると氏の言う「日朝議連」とは、「日朝友好議員連盟」だったのかもしれません。

 また森の脇道へ逸れますが、安倍元総理の孤立状況が更に分かりますので、次回は所属議員名を紹介します。

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