松原仁氏 ・・ 立憲民主党衆議院議員・元拉致問題担当大臣
磯崎敦仁氏 ・・ 慶應大学法学部教授 ( 専門・北朝鮮政治 )・・
蓮池薫氏 ・・ 新潟産業大学特任教授・
ワン・ソンテク氏・・韓国西江大学客員教授・
堤伸輔氏 ・・ TBS番組制作コメンテーター
今回は、3人目の専門家・蓮池氏の意見を紹介します。松原氏と礒崎氏が説明している画面の端に、聞き入っている氏の姿が映し出され、司会者が都度意見を求めています。番組の中で、氏がいかに重要視されているのかが分かります。
以前「ねこ庭」で紹介した時の氏は謙虚でしたが、今回は口をへの字に結んで顎を突き出し、胸を張っています。松原氏と礒崎氏が氏の意見に添って話をしているせいもあるのでしょうが、得意らしい様子が窺えます。
「北朝鮮問題の核、ミサイル、拉致の3点セットから切り離し、高齢化が迫る拉致問題を優先する」、というのが氏の持論です。岸田首相が氏の持論通りに北と交渉を進め成功したら、日本の戦後外交史に金字塔を立てる功績になります。
帰国直後に大学へ復学し、卒業後に講師となり、准教授、特任教授と昇格しただけでなく、国政の難題に助言するという活躍ぶりは、並の人間にできることではありません。氏が得意になっても、当然だろうと思います。
ただ私はつい先日の3月23日に、FNN プライムオンで「めぐみさんに関するインタビュー動画」に出演した氏を見た時と、同じ印象を持ちました。
・最近の氏の発言の頻繁さだけでなく、ネット界が突然「拉致問題」を報道し出した不自然さが目立ちます。
・国内の不自然な動きと、金正恩氏の「衝撃発言」は連動しているのではないか。
・蓮池氏は、本当に金日成バッジを外したのだろうか ?
今回も同じ疑問を抱きつつ、氏の意見をコメントなしで紹介いたします。
「 3. 蓮池薫氏の意見 」
・もちろん日本は、核・ミサイル・拉致の3点セットと言われるものを解決する。その上で国交正常化、過去の清算という流れではあるものの、岸田総理の話の中では、時間がないからと、特に拉致問題を人道問題として位置づけています。
・と言うことは、政治的軍事的な大きな問題は時間がかかるので、まずは拉致問題を人道という枠の中で解決する。人道については北朝鮮の食糧難であったり、また人の行き来など、日本独自の制裁にかかわるものがありますので、これとからめて解決しようとする方向性がある。
・北も、国交正常化ということを表に出さずにいるところを見ると、接近していく可能性が無くはないかと思います。そういった中で、日朝間で水面下のやりとりが行われ、多少歩み寄りというか、共通項が出て来たのではないかなとそういうふうに考えています。
・日本は今拉致問題に対して、私も含まれますが、期限をつけて解決しようと呼びかけています。総理の話の中にも「時間的制限」という言葉があり、このまま停滞したら、日朝の関係構築はあり得ない、無くなるかもしれないということですね。
・これって、期限を守れなかった場合、もう30年50年ずーと北が求めているような日朝の関係はできないのだと、だから存命の間に拉致問題を動かさないと、貴方たちには日本との関係は無くなりますよと言うことです。それは北にも伝わっているのではと思います。
・金正恩委員長の頭の一部には、「後継者体制づくり」、「今のうちに基盤を固めておきたい」と言う考えが明らかにあると、私には見えています。そうでなければ、あんなに若い娘さんを出してくるということはないのです。そういう意味で、今のうちに日本との関係で何かを動かさないと、次の代に支障が出てくると金正恩委員長が考えているのではないかと、私は考えています。
・韓国とは、関係を維持しつつ、拉致問題を解決する道は必ずあると思います。拉致問題については互いに協力しましょうと言う合意もありますし、さらに言えば、北にいる日本人の拉致被害者の所在については、日本よりも韓国の方が情報が入手しやすい。
・全体的なことを言えば、日本は拉致問題だけをやろうとしているのではなくて、核・ミサイル問題も含めて考えています。拉致問題を人道的見地から優先してやろうとしているだけなんです。アメリカや韓国との風通しを良くして、コミニュケーションをとっていけば、両国が反対するすることにならないのではないかと考えています。
・北朝鮮の作戦は、生きている人は出さないわけにいかない。出したくない人は、亡くなったと言うことにしている。めぐみさんに関する北の主張は、完全な捏造です。
・北朝鮮は拉致は解決済みと盛んに言うけれど、その中身には8人の死亡が含まれています。亡くなった8人については遺骨や報告書 ( 診断書 ) があっても、どれ一つとっても死を証明しているものはありません。
・ここで遺骨の問題について、一つだけ付け加えておきたいのですが・・・
蓮池氏の意見は、遺骨の説明で終わります。こんなに詳しく氏が経緯を語るのを聞いたのは、初めてです。もしかすると話の山場なのかもしれません。紹介するにはスペースが足りませんので、一旦ここで一区切りとし、残りを次回に致します。今日は3月29日、朝から激しい雨風が「ねこ庭」を騒がせています。叩きつける雨がガラス戸を濡らし、水滴となって流れています。
それでも昨日までの寒さが嘘のようで、ストーブなしで机に向かっています。
「強い雨ですが、桜の開花を促す春の長雨です。気温も暖かくなります。」
天気予報の通り、雨足は強くても気温が上りました。開花を促す春の雨なら、待てば花咲く春がすぐそこです。蓮池氏の話も、拉致問題の開花につながるのだとしたら、聞き逃すわけに行きません。次回も「ねこ庭」へ足をお運びください。