吉川ひなのさんの
『Dearママ』を読みました。
ひなのちゃんと言うと、
すごくかわいくて手足が長くて、ちょっと天然の女の子ってイメージでした。
でもかわいいな、と思うだけで
特にファンという訳でも無かったので、彼女のことはそんなに知らなかったのですが
以前、ひょんなことから読んだ本で、
彼女の親子関係に驚いて、興味を持ちました。
そして今回の『Dearママ』
宗教2世であることや、
親からされてきた虐待のことや
生きていく上で、いろいろと感じることを
そのままそのときに書いている感じの本。
かなり壮絶な子供時代なのだけど
それを恨むとかじゃなくて
そこから自分の感覚に目を向けていて
有名人ということを思うと、
恥ずかしくて、人には知られたくないような気持ちも書いていると思うので
すごく心を開いている人なんだな、と感じるし
素直にそのまま書いているからこそ、
ここまででは無くても
似たような体験のある人には、すごく伝わるものがある本だと思う。
ひなのちゃん(今彼女は40代だけど、どうしても、ちゃん付けしてしまう^^;)は
今は3児のママだそう。
彼女の子育ても書いているんだけど、
自分の代でこの連鎖を断ち切ると思って、すごく素敵な子育てをしていると思う。
私は自分が母親のようになるかもしれないというのが怖くて
ぜったいに結婚はしないし子供は産まない
と子供の時に決めた人生だったけど、
こういう生き方もあるんだなあ〜って思った。
あとHSPと毒親育ちは似ているんだけど、
先天性か後天性かの違いがあるって書いてあって、これもハッとした。
私はHSPのチェックリストを見ると、
過去の自分にものすごく当てはまるけど、今は違うところがけっこうあるので
環境とかで少しは治るのかなって思っていた。
でも毒親育ちも似ていて、それは後天的に環境でそうなっているというのに納得。
私は毒親って言葉がなんか好きじゃ無くて、
人が使うのはいいけど、自分ではあんまり使いたくない。
ものすごく上手い表現だとは思うけど。
なので毒親って書いているものは積極的には読んでいないし
育てられた人のチェックリストとか、見たことが無かった。
でも今回、これを機会に見ていたら
HSPではなくて、たぶん生育環境でそうなったんだろうな、って思った。
ほんとうに重なる部分があるので、
HSPだと思っているのが
実は生育歴という私のような人も、けっこういるのかもしれない。
あと、ひなのちゃんは子供の頃に何度も
母親に『お尻を出しなさい!』って革のベルトで叩かれている。
これ私にもしょっちゅうあって、
ただ私の方がマシなのは、定規か手だったこと。
そして今、子育てしている彼女が書いている文を見てハッとした。
11年子どもと暮らしてきて、この子たちはお尻を叩くほど悪いことを一度もしたことがない。
まだわたしの管理下にいるこの小さな人たちが、どんな悪さをできるというのか。
『Dearママ/吉川ひなの・著/幻冬舎』より
私は子育て経験が無いから、ほんとうには判らないけど
この最後の一文は、確かにそうだろうなと大きな気づきだった。
こういう本は、
体験のある人は読んで苦しくなったりもするけど
誰かが文字にしてくれていることで
気づきがあったり、納得ができたりもする。
自分だけじゃない、というだけでも
救われることもある。
私にとっては、すごく新鮮な気づきに満ちた本だった。