5月 美和台 支援の会 | 福岡の自閉症児ママの療育ブログ

福岡の自閉症児ママの療育ブログ

自閉症などの発達障がいと向き合う福岡在住のママたち

こんにちは。
 
ご無沙汰しておりますSMです。
 
5月の支援の会はABA(応用行動分析学)の学習会でした。
30分ほど遅刻して会場へ行くと実際のセラピーの様子をDVDで放映中でした。
ざっくり説明すると、課題がクリアできたら強化子(お菓子など対象のお子さんが好きなごほうび)を与え、逸脱行動は無視(その行動をしても起こらないということ、消去という)、課題がクリアできるようにプロンプト(ヒントや手助け)を与える。できたら強化子をすかさず与える。プロンプトなしにクリアできたら強化子を強化するという流れが課題ごとに収録されていました。
専門用語が沢山出てくるので難しく感じますが、私たちはある行動をした後、人から褒められたりごほうびがもらえたなど良いことがあった場合、その行動が強化されもっとしたくなるものです。
また、ある行動の後に嫌なことがあったりごほうびがなくなった場合その行動が弱化され減っていくことがABAの基本原理とのこと。
 
DVDでは、プロの指導者と経験の浅いお母さんの対応の差異が目を引きました。
プロの指導者の方は声掛けや強化子を与えるタイミングが的確で子どもも楽しそうにセラピーを受ける様子がありましたが、
経験の浅いお母さんは声掛けが多すぎたり、ダメだししたり子どもがどんどんやる気をなくしているように感じました。
普段、私の対応が間違っているために困った行動を強化していないか反省しきりでした。
 
DVDの後はテキストを見ながら、実際に福祉の現場で実践されてきた方よりABAの説明がありました。
セラピーの実践映像は、あくまでも個別のトレーニングとして参考にしながら、普段の生活の中でできることはたくさんあるということでした。
まずは「行動」の定義から。
徹底的行動主義における行動の定義では「行動とは死人にできないことすべて」で、日常使っている「行動」とは考え方が違います。
〇静かにしている
〇横になっている
〇屋根から落ちる
〇手を洗わない
〇背中をかいてもらう
は行動ではありません。
人形に置き換えて考えるとわかりやすく「~してもらう」「~しない」はここで言う「行動」には含みません。
その定義を踏まえたうえでABC分析についての解説もありました。
先行条件→行動→結果のマスの中に記入をしていくのですがこれがなかなか難しかったです。



ABC分析をする前に行動記録用紙をつけていると書きやすいとのこと。
この記録用紙は子どもの相談をしたいときにしたい行動を記録するのにも便利だなと思いました。



 
次回はABC分析から発展してストラテジーシートなるものに実際に記入して学習することになりました。



 
ご興味のある方は次回ぜひご参加ください♪
 
★参考図書★
対人支援の行動分析学
イラストでわかるABA実践マニュアル←支援の会メンバーオススメ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
次回の開催
日時:6月25日(月)
場所:美和台公民館
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
↓↓↓アドバイザーの方より補足のコメント頂きました。次回の学習会でまたお世話になります♪
 
福祉の現場でABAの原理を実践してきた者として、少しお話しさせてもらいます。
セラピーの実技DVDを見られたお母さんたちは「あんなふうにできない」、「難しい」と思われた方も多いかと思います。あくまでも個別トレーニングとして紹介されていましたが、普段の生活の場面でも十分にABAの実践はできます。
ABAで獲得したいことは大きく二つに分けられます。①行動形成と②行動変容です。
①行動形成…まだ獲得していない行動を形成する
②行動変容…望ましくない行動を望ましい行動に変容する
大事なのは子どもの行動を見るときの考え方です。そのために、ABAの基本原理を理解することはとても大切になってきます。
例えば、ごほうびを使って行動を強化するというやり方についてですが、
私たち大人も、“お給料”をもらうために仕事をしますよね?仕事を頑張れば“お給料”はアップしますが、上手くいかなければ“お給料”は少なくなり、最終的にはその仕事を辞めてしまうかもしれません。
この場合、強化される行動は[仕事]、強化子は[お給料]になります。
このように、私たちの生活の中であたりまえにこの原理が応用されていますので、見つけてみると面白いかもしれませんね。
“行動の背景には原因がある”これが、ABAの考え方です。子どもの気になる行動がある場合“何で”その行動をとるのか“何で?”を考えるようにしていきましょう。子どもにとっては、目的があってその行動をとっています。例えばその行動が社会的に望ましくない行動であった場合、私たちはその行動を止めたり、起こさせないようにしたりするかもしれません。でもそれでは、子どもの目的は達成されません。その行動はやめさせられたけど、別の望ましくない形で表出してくるかもしれません。
では、どうやてその行動の機能を探っていけばいいのか?そのために有効なのがABC分析になりますので、次回事例検討しながらみんなで学習できたらいいなと思います。