ハウジーマガジンを運営するキッチン・雑貨の専門卸売り「クラスフィルグループ」で実験を担当するリケジョ。「何を買ったらいいの?」という悩みに応えるべく、商品を実験して徹底調査していきます!

【検証実験】手で研ぐのとどう違う?「手vs米とぎ棒」実際に、比較してみた
かき混ぜるだけでお米が研げるという「米とぎ棒」。手を濡らさず、米が研げる便利なグッズです。でも、かき混ぜるだけなんて、何だかずぼらな気がするし、ちゃんと研げるの?
ということで、今回は、手で研ぐのとどう違うのか、タイプの異なる3つの「米とぎ棒」を使って比較してみました。

「米とぎ棒」とは、どんなアイテム?

米とぎ棒
「米とぎ棒」とは、お米を洗うためのキッチン道具で、手を水に濡らすことなく研ぐことができる便利グッズのことです。写真のような棒状でくるくる回して洗うタイプのほか、手のひら型やスプーン型で米をかき出しながら研げるものもあります。
素材は、シリコーン製でできたものやプラスチック製のものなど、さまざま。柔らかい素材でできていて、炊飯器の内釜を傷つけたりお米が割れたりしないよう配慮されたものもあります。
米とぎ棒を使うと、手を濡らさずお米が研げるので
- 寒い冬でも冷水に手が触れず、手荒れ防止になる
- ネイルを保護できる
- ケガをしているときに便利
一番オーソドックなタイプの「米とぎ棒」のパッケージをよく見ると、「手とぎ並の…」なんて、気になるワードが……。

確かに、手と同じようにお米が研げないと、便利なグッズとはいえません。でも、本当に手と同じように研げるのでしょうか?
また、口コミをみると、「専用アイテムなので効率的にお米が研げる」といった声もありますが、本当なのでしょうか。実際に、試してみることにしました。
【手とぎvs米とぎ棒】比較する3つのアイテム

今回の実験で使用するアイテムをご紹介します。
【A】米とぎ棒

米とぎ棒
先端が網目状になった米とぎ棒です。網目が菱形になっていて、くるくる回したときに水が不規則な乱流を生み出す仕組み。これにより、お米をまんべんなく研げるそうです。
【B】スクリュー型の米とぎ棒

先端に、シリコーン製ブラシが2つ付いたスクリュー型の米とぎ棒。ブラシには158個の突起があり、この突起が研ぎ効果を高めるとのこと。
【C】軽量カップ付き米とぎ棒

計量カップが付いた米研ぎ棒。棒状の部分で0.5合の米が量れるようになっています。
先端に6本のツメのようなものがついていて、この部分がひっかかることでお米が研げる仕組み。長さは15cmくらいで、3つのうちで一番コンパクトなサイズです。
そして、3種類の米とぎ棒に立ちはだかるのは……この手。

さてさて、どうなるのでしょうか? 実験開始です!
【手とぎvs米とぎ棒】米とぎ棒の使い方は?実験する方法
3つの米とぎ棒を使う場合と、手で研ぐ場合、同じ条件で比較するため、以下の手順で実験していきます。


1.米は2合、水は1リットルで実験
2合のお米に1Lの水を入れます。

3.もう一度水を入れ、米とぎ棒でかき混ぜる
1リットルの水を再び入れ、「1、2、3…」と数えながら、グルグルとかき混ぜます。かき混ぜる回数は、それぞれの商品説明に従います。

4.手でも同じように研ぐ
手で研ぐ場合も、1~2の手順は同じ。シャカシャカと音が鳴る程度に、軽くかき混ぜます

5.とぎ汁の濁り具合を比較する
ビーカーにとぎ汁を入れて、にごり具合を比較します。
【手とぎvs米とぎ棒】米を研いだときの使い心地をレポート
3つの米とぎ棒の使い心地は?レポートします。
【A】米とぎ棒は、驚くほど軽い研ぎ心地

ひし形の網目で乱流を作り出す「米とぎ棒」。グルグルとかき混ぜてみると、網目をお米が通りぬけていくような感覚です。力をほとんど使わず軽い使い心地で、「本当にとげてるの?」と心配になるほどです。
このとても軽い使用感はなぜ? よく先端部分を観察してみると……

こんなふうに開いていました。網目がつながっていなくて開いているので、お米が詰まったり行き止まりになることがないようです。
だから、水流やお米の重さを感じることなく、スムーズにかき混ぜられるんですね。
軽くかき混ぜるだけで、手研ぎと同じように、お米が研げていたらいうことなしです。
【B】スクリュー型の米とぎ棒は、手ごたえバッチリ

少し平たい形の持ち手が特徴で、握りやすい。こちらも「1、2、3…」と数えながら、30回グルグルとかき混ぜていきます。
すると、「お米を研いでる!」というザクザクっとした感じが手に伝わってきました。【A】の米とぎ棒と同じようにかき混ぜているのに、あまりにも違う感覚にビックリ!

ただ少し、シリコーンでできた先端のブラシ部分にお米が挟まってしまうこともありました。
【C】軽量カップ付き米とぎ棒は、2合が限界

一番小さな軽量カップ付き米とぎ棒。お米との距離が近く、楽にかき混ぜることができました。
今回はスムーズにかき混ぜられましたが、2合で目一杯という感じ。小さい分、3合のお米だと同じようにはかき混ぜられないかもと思いました。
手でもお米を研いで終了

お米2合、水1リットルを使って、手でもお米を研ぎます。これで、実験は終了です。
【手とぎvs米とぎ棒】ちゃんと研げているか、とぎ汁で比較
お米のとぎ汁を4本の試験管に分けて、それぞれのにごり具合を比べてみます。どの試験管のとぎ汁もにごり具合は同じ…!? パッとみただけではわからないので、アップにしてみます。

一番左が手でといだ場合のとぎ汁です。そこから右へ順番に「【A】米とぎ棒」、「【B】スクリュー型の米とぎ棒」で、一番右が「【C】軽量カップ付き米とぎ棒」のとぎ汁です。結果として、とぎ汁のにごり具合に違いはなし!
実は、米とぎグッズを使ったときのかき混ぜる感覚が、それぞれで違ったので、とぎ汁のにごり具合にも違いが出るのでは?と予想していたのですが……結果は、どの米とぎ棒を使っても、手でとぐのと同じようにちゃんと研げるということが明らかになりました! 手を濡らさず、同じように研げる「米とぎ棒」は、とても便利な米とぎグッズといえそうです。
また、研いだお米を炊いたところ、味に違いもありませんでした。
使ってわかった「米とぎ棒」の便利さは
冒頭で、手を濡らさず使えることから「手荒れ防止」「ネイル保護」などのメリットがあるとご紹介しましたが、実際3つの米とぎ棒を使って、以下のようなメリットがあるなと思いました。
<使って分かった米とぎ棒のメリット>
- 米に手が触れないので、衛生的に米を研ぐことができる
- 効率的にお米を研ぐことができる
お米のとぎ汁は大根を煮たり、野菜のあく抜きするのにも重宝します。そんな再利用をしたいとき、衛生面でも心配のないとぎ汁が出るのはいいなと思いました。
実は、今回実験で使ったような形以外にもさまざまな「米とぎ棒」があります。下記記事でくわしく紹介しているので、気になった人はぜひ参考にしてみてください。
公開日:2020年4月14日
更新日:2025年3月19日
※実験は、2015年9月19日に行ったものです。
