里山の石神端書67 栃木県茂木町千本・千本神社の奉納鳥居
千本という地名は古くからあったようで、地元の案内では中世にこの地を支配した那須氏の一族が千本氏を名乗り、これが近世まで続いたそうです。
街の中心に千本神社があります。神社に登る急な参道脇の土手に多くの石塔が立ち、なかでも十九夜信仰が盛んだったようで「十九念佛/寛政元年(1789)」「十九夜塔/文政八年(1825)」「十九夜塔/嘉永二年(1849)」の三基もあります。他に「馬力神」「天照皇大神」「聖徳太子」「報徳碑」などです。
街のなかにある神社はどこも立派で、千本神社も手入れされ落ち着いた雰囲気です。奉納鳥居は本殿脇の覆い屋の中の梁に打ち付けてあります。20㎝ぐらいのブリキの鳥居です。どのような謂れがあっての奉納かはわかりません。神社への奉納物、数えたことはありませんがそうとうありそうです。変わったところでは和歌山県九度山町の慈尊院ではオッパイの絵馬を見ました。同県の和歌山市加太の淡島神社では下着の奉納がありました。南アルプスの鳳凰三山地蔵岳の賽の河原には、地蔵を借りてきて祈願を続け、叶ったら二体にして返すという信仰がありました。しかし地蔵二体を賽の河原まで運び上げるのは大変なことです。
<九度山町・慈尊院>
<南アルプス・地蔵岳>
(地図は国土地理院ホームページより)