『死ぬ気まんまん』(佐野洋子・光文社) | 近鉄八尾駅前にある鍼灸整骨院 東洋医学の事なら、いど鍼灸整骨院。

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今日は、またまたすごいタイトルの本を紹介します。

 

 

『死ぬ気まんまん』佐野洋子・光文社)

 

 

絵本『100万回生きたねこ』で知られる佐野洋子さんの遺作です。

 

佐野さんは2010年11月5日、乳がんで亡くなりました。72歳でした。

 

がんが転移し、余命2年と宣告されながら、相変わらず好きな煙草を吸い、イングリッシュグリーンのジャガーを購入し、ジュリーにときめく…そんな日常生活や、一風変わった友人たち、幼い頃の思い出などが佐野さんらしい視点で語られます。この強さ、この潔い正直さ!さすが佐野さんです。

 

ちなみにこのエッセイに登場する「ニコニコ堂」は長嶋有氏の父親で、国分寺・恋ヶ窪で古道具屋を営む長嶋康郎氏のこと。モモちゃんやトト子さんなど、佐野さんのこれまでのエッセイでお馴染みの人たちも出ています。

 

この本には表題作「死ぬ気まんまん」のほか、築地神経科クリニックの平井辰夫理事長との対談と佐野さん自身による「知らなかった──黄金の谷のホスピスで考えたこと」、関川夏央氏の寄稿『「旅先」の人──佐野洋子の思い出』も収録されています。

 

…仕事柄、平井医師の語られている「人称別の死」(死を「一人称の死(自分の死)」「二人称の死(近親者の死)」「三人称の死(他人の死)」と、3つに分類しようとする考え方。フランスの哲学者ジャンケレヴィッジが提起した。)で、医者と患者の関係は2.5人称という考え方はなるほどと腑に落ちるものがありました。私にとっても患者さんの死は文字通り「他人事ではない」と日々感じます。

 

ちなみに、1977年に出版されミリオンセラーとなった絵本『100万回生きたねこ』について、佐野さんは後年、こう明かしています。

ゆるやかに崩壊していった家庭を営みながら、私は1冊の絵本を創った。一匹の猫が一匹のめす猫にめぐり逢い子を産みやがて死ぬというただそれだけの物語だった。『100万回生きたねこ』というただそれだけの物語が、私の絵本の中でめずらしくよく売れた絵本であったことは、人間がただそれだけのことを素朴にのぞんでいるということなのかと思わされ、何より私がただそれだけのことを願っていることの表れだった様な気がする (『私はそうは思わない』)

1977年に『100万回生きたねこ』を出版し、1980年には離婚。

この頃の事はエッセイ『神も仏もありません』や自伝的作品『シズコさん』に書かれていますが、何に対しても思いの深い佐野さん。死と向き合っても変わることはありません。

 

平井医師との対談の中で「本当に元気で死にたいんですよ」と語る佐野さん。表題の『死ぬ気まんまん』は、ご子息の画家・広瀬弦さんが漏らした言葉、「おフクロ、なんかこの頃、死ぬ気まんまんなんですよね」からとられています。

 

生きること、そして死ぬことを丸ごと愛した佐野洋子さんの遺作。見事です。

 

ぜひご一読ください。

 

 

 

 

 

 

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