評価 (3点/5点満点)
高い視点から課題を捉え、脳が瞬時にタスクを処理するようになるのが、本書でお伝えする思考法=「超」メタ思考です。
課題解決では、基本的に以下の3つのプロセスを踏む必要があるとのこと。
1.課題の認識(何が問題で、最終的にどうしたいのかを正しく捉える)
2.課題の推論(何をするのか、何から始めるのか、仮説を立てて整理する)
3.施策の執行(決めたタスクを決めた手順で行う)
著者もコンサルファーム時代に「課題の認識」と「課題の推論」を集中的に学んだことで、現在の自身のビジネススキルの8~9割ほどは身についたそうです。
これまでやっていた無駄な作業の9割はなくなるほどの威力だと言います。
本書にまとめられたようなポイントに気づくことで、無駄な作業や不要なストレスはどんどん減っていき、上司からも評価されるようになっていくはずです。
【my pick-up】
◎自己アピールは媚びではなく「武器」になる
謙虚なタイプが多い日本では、上司に対するアピールを遠慮しがちな傾向がありますが、上司側から見れば、いったい何を考えているかわからない不満げな部下よりも、自ら手を挙げてくれる部下や自分の意見を前向きに聞いてくれる部下の方がやりやすいと感じるのは当然です。やはり行動する人が得をします。
どんな上司であれ、自分とよりよい人間関係を築こうとする人を高く評価するのは当たり前です。あなたが主体的に上司との信頼関係を築いていくことによって、自己評価と他者評価の乖離も減っていくということです。
◎相手に信頼される!「思考」の先読みのススメ
自分のキャリア形成に影響力を持つ相手なら、上司を好きか嫌いかにかかわらず、その人の「攻略法」は絶対に押さえておくべきです。攻略するためには、まず相手をよく観察し、その行動パターンや性格を把握しておきます。
すると、資料を作る時も、それを見た上司がどんなことを言ってきそうか、どこに突っ込んできそうかについてもだいたい予測できるようになります。それがわかってくれば、茶々を入れられそうなところは先に対策を考えておくことができますので、やり直しや間違いは少なくなります。それは上司にとっても無駄なタスクが減ることになるため、あなたの評価も自然に上がっていきます。
◎「絶対に定時に終わらせる」というマインドを持つ
私も過去は残業ばかりの時期もありましたが、たとえば定時が18時なのに毎日20時とか21時まで仕事をしていた頃は、頭の中で何となく「定時は20時」と思い込んでいた節がありました。「20時頃まではやるもの」という前提でいると、どうしても20時過ぎまでかかってしまいます。
そこで、絶対に定時で帰ろうと決めておくと、意外と2時間ぐらいは短縮できることに気がつきました。
◎果たしてそれは本当に重要な仕事なのかを考える
誤解を恐れずにいえば、いつも忙しいと言っている人のうち、3割くらいは本当に忙しくて困っている人でしょう。しかし、残りの7割程度は、本当は手を抜いてもいいような仕事を一生懸命にやり、忙しい自分に酔っている人ではないかと想像しています。いわば「作業だけのプロフェッショナル」になってしまっているということです。
時間は有限なので、「この仕事は何のためにやっているのか」を考え、やらなくてもいい仕事はやめ、付加価値の低い部分は手を抜くなど労力の配分をしましょう。