西本願寺門前町の伝統文化的ないけず石特集・いけず石と迷惑石の違い・いけず石の聖地・いけず石

西本願寺門前町の伝統文化的ないけず石特集・いけず石と迷惑石の違い・いけず石の聖地

　おいこら!ここに車を停めるな!という下品ないけず石ではなく、京都一千年の都人が日頃の生活から角が立たず家屋敷を守るために編み出したのがこの上品ないけず石になる。どの家も意地悪とは取られないための知恵と工夫が「いけず」になる。

重要文化財いけず石 24
　明治45年に建てられた「西本願伝道院」の石像の石柱だが、果たしてこれがいけず石なのか?。しかし、現在も建物本体を駐禁や車の激突から守るための石柱になっているので立派な重要文化財のいけず石に認定しました。

隠れいけず石 25
　なんともセンスのある坪庭風のいけず石だが、前の道路は画面右から左への一方通行で石は隠れて運転手からは見えない。横着して草花を車が倒そうとしてもいけず石がガッチリガードして家屋敷を守ります。

鞍馬石のいけず石 26
　赤茶色の石はたぶん鞍馬石だと思う。この石は鞍馬しか採掘出来ない貴重な銘石の「いけず石」とすれば、この「京のいけず石」は伝統文化財にもなる。さらにいけず石の置き場所も古典的でいけず石を説明するにはこの画像1枚で事足りるほどの名作になる。

仏足石のいけず石 27
お釈迦様の足裏を石に掘ったものでいけず石ではないが、本来この場所は裏鬼門といけず石定置場所になる。このありがたい仏足石を守るために防火バケツと店の行灯がいけず石になっている。

銭形のいけず石 28
　中国の古銭にこの「五隹矢疋」があったらしいが、意味を調べても分からなかった。しかし、この字を掘った「つくばい」は多数あるという。

大寺院礎石いけず石 29
　これほど巨大な礎石は大寺院のものに間違いはない。そういえば史跡西寺跡の五重塔の中央の心柱の礎石がないそうです。ここから西寺跡には近い、ひょっとしたらこれがその礎石ではないかと夢とロマンは大きく広がります。

石舟いけず石 30
　この石舟には絶えず新鮮な季節の花が活けられている。もちろん「いけず」を意識しているのではなく老舗の前庭の粋なおもてなしになる。しかし、敷地内ギリキリに置かれた石が「いけず石」の定義ならやはりこれも文化的いけず石に認定しなければ不公平になる。

石臼いけず石 31
　その昔の生活は石と木と紙で出来ていた。その石の生活必需品といえば大小の石臼になる。それが不用になっての廃物利用にはこの「文化的いけず石」が最適になるのか石臼のいけず石は京都市内あちこちにある。

苔むしたいけず石 32
　京都の民家の仕来りには「門掃き」(かどはき)、「打ち水」がある。これは朝一番に家の前を掃いて、水をまくというもので家の前はその家の責任で綺麗に清めるという文化になる。そうなるといけず石にも水がかかり苔むした文化財的いけず石になる。

以上、この9個は西本願寺門前町の狭い場所で発見した。これはほんの軒先の文化的いけず石にしかならないが、その昔は大八車や牛車、馬車から家屋敷を守るために置かれた石がやがて敷地からはみ出したり、道路に置かれるという迷惑石になるということになってしまった。文化的いけず石と迷惑石との違いが分かって貰えば嬉しい。