けんちそ!!のブログ

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MHFGの妄想全開のオリジナルストーリーを中心にプレイ日記やその他のブログなどなど更新していきます(*'▽')

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妄想狩猟大活劇 フィナーレ(最終話)





祖龍ミラルーツは、崩れさった


暗雲立ち込める外界が静寂に包まれる


絶対の支配者の敗北が、全ての終わりを静かに告げていた


『ルルーツ様が


『人間達ごときに敗れるとは



外界の闇の眷属達は放心したままその様を見つめ、もはや戦う意思さえ失っていた


その敗北は、瞬く間に三界全てに伝わる




全てが、終わったのだ










『ねぇ? それで? ハンター達はどうなったの?』

『みんなはどこ行っちゃったの?』


『ねー ねぇー?ジィジ?お話の続きは?』


春の日差しが優しく差し込む広場の一角で、語り部の爺やを取り囲む子供達が無邪気な瞳で問いかける


『ふむ…  それはな


語り部の爺は、目を閉じて少し深く息を吸い込んだ


ほぅっと息を吐き出し


ゆっくりと口を開いた


それは また 次のお話しだ


また 今度話して聞かせよう』


皺くちゃの顔を緩め優しく微笑んだ


『えーー!』


話の続きをせがむ子供達に優しい笑顔で微笑みかける語り部の爺


メゼポルタ広場は、戦いの歴史を忘れ去ったように平和で穏やかだった


『お久しぶりです』


語り部爺の背中越しに透き通るような美しい声がかかる


この声は


振り返る語り部爺に声の主が語りかける


『お元気そうで安心しましたフュエル様』


そこには、透き通るような声にまけない美しい女性が従者の女性を従えて立っていた


おお、ぽんちょ 

また再び其方に会えるとは


語り部フュエル・テスタ・フロンティアは年老いて皺くちゃになった顔をさらに皺くちゃにして微笑んだ


再会を喜びあい挨拶を交わす二人


しばらくしてフュエルは、従者の女性に言葉をかける


『其方まで、その様な姿で現れるとは、

いったい何事かの? この年寄りの昔語りを今更聞きたいという訳ではなかろう?』


従者にニヤリといたずらな笑みを浮かべてみせる


フン、  相変わらず食えぬ男だ』


そう言うと従者が、被っていたフードを取り去る


サワッと優しい春の風が従者の銀色の髪を撫でる


神々しいほどの美貌


しかし、凛とした雰囲気


従者の格好をしていたのは、あの雷帝キリンだった


『ふはは、其方ら二人が揃って会いに来るとは愉快な日だ!

だが、まさかキナ臭い話ではあるまいな?』


豪快にフュエルが笑う



『いや、 長い間退屈でショボくれてるのではないかと思ってな

お前の尻を蹴飛ばしに来たんだよ』


滅多に笑顔をみせない精霊王 雷帝キリンがいたずらな笑顔で返す


『むっ!

雷帝に蹴飛ばされてはただではすまんな!

わはは!!』


三人の楽しげな笑い声が広場に響く


楽しげな会話の中で


ぽんちょ、フュエル、雷帝キリンは


それぞれの心の中で一人の男を思い出していた


本来なら、この会話の輪の中にいるはずの


あのハンターの事を




ぽんちょは、空を見上げ

胸に手を当て呟いた


『父さま

父さまが夢見た平和が、皆んなが笑いあえる平和がここにあります

どうか、見守ってくださいね』


雷帝キリンとフュエルは、その様子を優しい眼差しで見つめていた






ーーー樹海ーーー


優しい春の穏やかな日差しは樹海にも等しく降り注ぐ


樹海の鬱蒼と茂った樹々のスキマからの木漏れ日が樹海の王『エスピナス』の顔を照らす


エスピナスは、午後の昼寝から目覚めゆっくりと立ち上がる


あたりを静かに見渡すと、エスピナスは自分の足下に視線を落とした


『これ、いつまで眠ってるつもりだ

起きろ!小僧!』


エスピナスの足下には、一人の男が眠っていた


『ん?  …  おぉ』


男は、起き上がると眠そうに大きなアクビをした


小僧

そろそろ、帰るのだろう?』


エスピナスはまるで諭す様に男に語りかけた


『ああ… 

そろそろ帰ってやるとするかな』


『エスピナスよ

長いこと世話になったな!また、遊びにくるよ!』


男は、防具を身につけエスピナスに別れを告げた


『暇を持て余したらいつでも来い

小僧、たっしゃでな!』


樹海の王エスピナスは、男の背中を見送った





その男の名は













かつての脅威は、お伽話となりメゼポルタは平和に包まれた


ハンター達は旅立つ


さらなる狩猟の高みを目指すために



さらなるフロンティアへ











ーーEND