懐かしの軽便鉄道の車両たちと国鉄旧型客車【北海道✴鉄道巡り⑭】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(森林の中を走るナローゲージ列車)




全線電化区間を走る非冷房キハ40✴札幌発旭川行き長距離鈍行(深川→旭川)【北海道✴鉄道巡り⑨】 








 

丸瀬布森林公園いこいの森(北海道遠軽町)の車両たち
762mmナローゲージの森林列車SL「雨宮21号」牽引列車から見えた車両格納庫

全国から集めた軽便鉄道車両が並ぶ。

文化的価値の高い貴重なナローゲージ車両たち。



〜動態保存車両〜

旧・王滝森林鉄道(上松運輸営林署)「B客14号客車」
1956年(昭和31年)岩崎レール工業製造の客車。軌間は762mm。
北海道北見営林局管内の森林鉄道で使用後、長野営林局上松運輸営林署の旧・王滝森林鉄道に転属され、同線廃止まで活躍。
北海道でも活躍した時期がある客車だったため旧・丸瀬布町(現・遠軽町)が譲受。
現在の塗装は、北海道北見営林局留辺蘂営林署の旧・温根湯森林鉄道の客車に倣ったもの。
丸瀬布森林公園いこいの森で、当客車運転時は、トロッコ形客車を併結するほか、運材台車、緩急車を併結することも多い。

動態保存車両として、今も、旧・井笠鉄道の客車とともに、機関車(SL又はDL)に牽引され活躍。



客車内の様子。今も乗車できる旧・王滝森林鉄道のナロー客車。この日は旧・井笠鉄道の客車が運用に入っていたため、当客車は車両格納庫で休み。

ビニール張りのロングシート


手動扉





旧・武利森林鉄道(丸瀬布営林署)の運材台車
鋼製運材台車は武利意森林鉄道で用いていたもので、1955年(昭和30年)夕張製作所製の「1372号」と、1956年(昭和31年)夕張製作所製の「1359号」の2台車1組に、丸太を積載した状態で動態保存。旧・王滝森林鉄道の客車に併結され、往年の運材列車の再現列車として運転されることが多い。




武利森林鉄道(丸瀬布営林署)の緩急車(復元車)
2軸木造緩急車は、運材列車制動手の添乗と、牽引機の薪炭積載として使用されていた車両。こちらは復元車であり、運材台車とともに、旧・王滝森林鉄道の客車に併結され、往年の運材列車の再現列車として運転されることが多い。

  



元・北炭夕張炭坑の運炭用鉱車
丸底鋼製鉱車。蒸気機関車「雨宮21号」に併結し薪炭車として使用される鉱車。





旧・井笠鉄道ホハ18(→西武鉄道 旧・山口線31型35号)客車。 
岡山県の軽便鉄道、旧・井笠鉄道用の客車として、1925年日本車輌製造で製造された木製ボギー客車。ホハ13,14,18,19号の4両。

旧・井笠鉄道で活躍後、埼玉県所沢市の西武鉄道の旧・山口線(遊園地前〜ユネスコ村間3.7km、軌間762mm、通称︰おとぎ電車。現在は案内軌条式鉄道(新交通システム)に移行)に移り、31型37,38,35,36号客車として活躍
蒸気機関車又は蓄電池機関車に牽引され活躍した。

廃車後、埼玉県所沢市の旧・ユネスコ村駅で保存されていたが、旧・丸瀬布町が4両譲受し、このうちホハ13,19の2両は井笠鉄道時代の塗装に戻され、今も動態保存車両として活躍している。


旧・西武鉄道山口線時代の姿で残る31型35号(井笠鉄道時代はホハ18)。
ちなみに、38号(井笠鉄道時代はホハ14)は、足回りを残して解体。


朝顔型連結器

西武鉄道時代の表記が残る。

今は新交通システム化された西武鉄道山口線には、かつて蒸気機関車や蓄電池機関車が牽引する、この客車が走っていた時代があった。

客車内

西武鉄道時代の社紋が残る。野球ボールのようなデザインで、通称「野球マーク」と呼ばれていたが、
実は西武の「西」の字をモチーフとし、大正時代から使用されていた社章であり、西武ライオンズ球団とは無関係。

西武鉄道山口線時代に、片方の車端部が、展望車風に改造された。

反対側の車端部も、西武鉄道山口線時代にオープンデッキ化改造






住友金属鉱山鴻之舞鉱業所3005号3tディーゼル機関車
1954年(昭和29年)協三工業製の鉱山用3tディーゼル機関車で、既に閉山された北海道紋別市鴻之舞の金鉱山、住友金属鉱山鴻之舞鉱業所の坑内軌道で使用。

坑内用機関車としては珍しい内燃式



住友金属鴻之舞鉱山の人車
軌間は508mm。




住友金属鴻之舞鉱山のグランピー鉱車(左側)
軌道横のダンパー装置で片側面が開く車両
住友金属鴻之舞鉱山のチップラー用鉱車(中央)
チップラー装置で反転して積み荷の鉱石を鉱井に落とす車両
住友金属鴻之舞鉱山のバケットローダー5014号(右側)
切羽で鉱車に鉱石を積み込む車両
いずれも軌間508mm。





西武鉄道5形蒸気機関車532号機
1928年(昭和3年)ドイツのコッペル社で製造されたC1形タンク式蒸気機関車。台湾の製糖公司で使用後、1973年(昭和48年)に西武鉄道山口線(遊園地前〜ユネスコ村間3.7km)で1977年(昭和52年)〜1984年(昭和59年)まで活躍。引退後、旧ユネスコ村駅で静態保存。
1993年(平成5年)、旧・丸瀬布町が譲受し、ここで静態保存されている。





台湾の製糖公司の銘板

西武鉄道時代の社章も残っている。





北見営林局10tディーゼル機関車(旧長野営林局127号)
1956年(昭和31年)、協三工業製の10tディーゼル機関車。北海道の北見営林局滝上営林署濁川森林鉄道(紋別郡滝上町)で使用後、長野県の長野営林局上松運輸営林署に転属し127号に改番。王滝森林鉄道で活躍。
森林鉄道廃止後、岐阜県内のドライブイン、愛知県内の愛知森林管理事務所定光寺自然休養林のキャンプ場と点々と場所を変えて保存された後、旧・丸瀬布町が譲受し、ここで保存されている。

丸瀬布森林公園いこいの森では、この機関車も動態保存化を目指している。







武利森林鉄道(丸瀬布営林署)緩急車
2軸木造緩急車は、森林鉄道の付属車両として、運材列車制動手の添乗と、牽引機の薪炭積載として使用されていた。








その他の車両

トロッコ形客車
旧・王滝森林鉄道の客車が運用されるときは、オープンスタイルのトロッコ形客車も一緒に連結されることが多い。

オープンスタイルの客車は、乗客に人気がある。




動力付き軌道用自転車など







園内のナロー軌道


この辺りは、武利ダム湖の造成地。奥に湖が見える。



木板の踏切



武利川を堰き止めて出来た人造湖・武利ダム湖


ナロー蒸気列車が走る。


SLが汽笛を鳴らし、列車は林の中へ。

木陰を走るナロー蒸気列車






武利川


川の向こうはキャンプ場

山奥に源を発する澄んだ清流


清流では川遊びができる。











武利川を跨ぐ森林鉄道の鉄橋

園内を流れる武利川。かつて、この川に沿って武利意森林鉄道が延びていた。

2016年(平成28年)8月、大雨により武利川が氾濫し、園内の武利川の右岸の森林鉄道軌道、オートキャンプ場、遊具が冠水・流失する大きな被害があったが、2018年(平成30年)7月に全面復旧した。





武利川に架かる鉄橋を渡るナロー蒸気列車





SL列車の後を続行運転する、動力付き軌道用自転車





国鉄急行用三等座席車スハ43系客車「スハ43-703」

このスハ43系700番台は、耐寒改造車で、二重窓と歯車駆動方式車軸発電機が特徴。

静態保存の休憩用車両として、車内に入れる。

旧・国鉄の旧型客車




サボ受け


台車


床下機器





手動扉


扉の取っ手


列車愛称板受け





車内へ。


デッキ

便所の扉の使用中表示部分。今は、便所は使用不可。




洗面所(今は使用不可)








客室内

ボックスシートが並ぶ。

扇風機作動スイッチ

天井には扇風機

国鉄マーク(JNRマーク)の入った扇風機と丸い照明

耐寒型の二重窓

休憩用車両のため、今はテーブルが設置されている。

二重窓の取っ手。冬季以外は上部に格納しておく。


窓は一段上昇の開閉式

日除けブラインド










丸瀬布森林鉄道の情景



















隣接する高台にある丸瀬布温泉「やまびこ」敷地から、丸瀬布森林公園いこいの森の森林鉄道列車を見下ろす。

タクシーで丸瀬布森林公園いこいの森を後に…



★動画↓↓



※2021年(令和3年)夏