昼下がりの伊豆大島から夕暮れの浦賀水道 ☆ 東海汽船さるびあ丸【在りし日の貨客船ゆり丸乗船記⑤】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(太平洋を航行する東海汽船さるびあ丸船上)



★過去記事↓↓↓



太平洋上の離島・利島上陸。ゆり丸、高速船、さるびあ丸出入港風景【在りし日の貨客船ゆり丸乗船記③】 





1435大島発東京行き高速ジェット船(神津島〜式根島〜新島〜利島抜港〜大島〜久里浜〜東京)

1445大島発東京行き高速ジェット船増発


伊豆大島 岡田港入港
12時50分伊豆諸島(東京諸島)の利島から乗船した東海汽船の大型貨客船「さるびあ丸」は、間もなく伊豆大島(東京都大島町)に到着

伊豆大島の北端にある岬・乳が崎(ちがさき)

遠くに伊豆半島

「さるびあ丸」は、乳が崎をまわり込み大島岡田港へ。入港合図で汽笛を2回鳴らす。

この日は、大島の西側・町の中心地にある元町港が波やうねりの影響で桟橋状態が悪いため、島の北側にある岡田港に入港。

切り立った断崖絶壁

漁業中心の島の小さな岡田の集落。
早朝大島に到着する大型貨客船夜行便(東京発下り便)のほか、元町港の桟橋状態が悪いときの昼行便は、岡田港を使用する。

ちょうど東海汽船の高速ジェット船「セブンアイランド愛」が入港中


右側の三角屋根の大きな建物は旧・岡田港船客待合所。左側のビルは新しい岡田港船客待合所

接岸作業中の高速ジェット船


狭い港内で船体の向きをを180度回転させて接岸作業


港内でも海は青く澄んでいる。


「さるびあ丸」は、船客待合所から離れた桟橋の突端に接岸






岡田港防波堤灯台は、島娘(アンコ、アンコ椿)をイメージしたデザイン

乗下船用のタラップを取り付ける。




14時10分、大島岡田港到着


接岸と同時に、船首ではコンテナの積込作業開始

たくさんのコンテナを積んでいく。貨客船ならではの光景。




他の島から乗船し大島で下船する客は少ない。

大島から横浜・東京へ向かう乗船客は多い。


伊豆諸島最大の島から、たくさんのコンテナを船に積み込む。

「さるびあ丸」はカーフェリーではないため、物資はコンテナに詰めクレーンで吊り上げ、船に積載する。















素早い作業

コンテナの四隅にフックを引っ掛け、掛け声を合図に船側のクレーンでコンテナを吊り上げる。





大島では20分間停泊するが、コンテナ積載数が多いときは出港が遅延することもある。



岡田港は入り江になっており、波は比較的穏やか。

伊豆大島停泊中

のんびりした時間が過ぎる。








14時30分、大島岡田港出港

出港時は汽笛を1回鳴らす。


船内に「蛍の光」のメロディーが流れ、岸壁をゆっくり離れていく。

「アンコ灯台」


大島岡田港を出港した旨の船内放送がかかる。

太平洋の相模灘を航行

島の北側に位置する岡田集落が遠ざかる。



6階にある展望レストラン「ミルキーウェイ」
 
レストランの窓から大海原を眺める。

この日の相模灘は波穏やか。船は微妙に揺れを感じる程度。

レストランというより食堂の雰囲気

メニューも庶民的(東海汽船公式HPより)


島海苔塩ラーメン


14時35分に大島岡田港を出港した東海汽船高速ジェット船「セブンアイランド大漁」東京行きが、さるびあ丸を追い抜いていく。

東京行き高速ジェット船は、神津島→式根島→新島→利島(海況不良により抜港)→大島→久里浜→東京のルートを時速約80kmで翼走する。




太陽が輝く外部デッキへ。

相模灘と伊豆半島

遠ざかる伊豆大島


前方に房総半島(千葉県)の南端・野島崎が見えてくる。


船内モニターに映し出されたリアルタイムの前方映像



14時45分に大島を出港した高速ジェット船増発便・東海汽船高速ジェット船「セブンアイランド愛」東京行きが、さるびあ丸を追い抜いていく。


進行方向右側には、房総半島(千葉県)

南房総の洲崎

南房総・館山(たてやま)の街を遠望




「さるびあ丸」は、太平洋(相模灘)から東京湾に向かう。


進行方向左側には、神奈川県の三浦半島

三浦半島の先端の城ヶ島(じょうがしま)

「さるびあ丸」は、太平洋(相模灘)から東京湾の入口にある浦賀水道に差し掛かる。


東京湾を出入りする船舶の数が増えていく。


船内



5階外部デッキの自転車置き場


南房総の鋸山(のこぎりやま)

鋸山の正式な名称は乾坤山(けんこんざん)。標高は329.4メートル。
山は良質な建築石材の「房州石」の産地だったため、江戸時代から盛んに採石が行われ、石切場跡があり、山頂が鋸の歯のようなギザギザの形状をしている。

鋸山の麓は港町で、JR内房線の浜金谷駅や、東京湾フェリーの金谷港がある。





右側には房総半島

左側には三浦半島


浦賀水道航行



伊豆大島が浮かび上がる。





久里浜(神奈川県)の街

久里浜港(神奈川県)から、浦賀水道を横断し金谷港(千葉県)に向かう東京湾フェリー
 
夕暮れの三浦半島


オレンジ色に染まる空と海




三浦半島の観音崎(かんのんざき)






観音崎沖を航行

観音埼(かんのんさき)灯台東京湾海上交通センターがある。


横須賀沖(神奈川県)

横須賀の街と猿島(神奈川県)。後ろには1500メートル級の丹沢山地(神奈川県)が見える。


東京湾の入口の浦賀水道を航行。
浦賀水道は、狭い水道に数多くの船舶が行き交う海上交通の難所のため、長さ50m以上の船舶は、速力12ノット(時速22km/h)以下で航行しなければならない。「さるびあ丸」もしばらく減速航行。

6階後部の外部デッキに照明が灯り始める。


船尾


さるびあ丸の航跡


戦前の軍事上の要塞だった人工島・第一海堡を遠望




船は東京湾へ入る。


千葉県富津市・君津市の工場群


東京国際空港(羽田空港)に向かう旅客機


千葉県の富津岬(ふっつみさき)


左側が富津岬の先端

小さな貨物船を追い抜く。



人工島・第二海堡のすぐ脇を航行

第二海堡は、元々は、大正時代に完成した旧日本軍の要塞

灯台が灯る。






「さるびあ丸」は、間もなく横浜港へ。



※2021年(令和3年)10月


(続く)