2023.4.1終焉・留萌本線 / 石狩沼田〜留萌間廃止 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。


2023.4.1
留萌本線 石狩沼田〜留萌間 廃止
JR北海道・留萌本線(深川〜留萌間、50.1km)は段階的に廃止が確定。
2023年(令和5年)4月1日(日)、路線の大半を占める石狩沼田〜留萌間(35.7km)は廃止となり、長い歴史に幕を閉じる。
学生の利用が多く、今回廃線が先延ばしになった深川〜石狩沼田間(14.4km)も、2026年(令和8年)4月1日(水)には廃止が確定。
1910年(明治43年)から続く留萌本線は、その長い歴史に幕を閉じる。






在りし日の留萌本線


深川駅(北海道深川市)

函館本線と留萌本線が発着する深川駅
留萌本線の表示は、小さく看板の片隅に。

留萌本線の発車時刻表は右片隅に。一日の発車本数は僅か7本。

一番外れにある短い6番線ホームは、ほとんど使われなくなった留萌本線専用ホーム。18時09分発留萌行き普通列車のみこの6番線から発車

深川駅4番線ホームへ。
深川駅13時13分、留萌からの普通列車が到着
国鉄末期に製造されたキハ54形気動車の単行


側窓は一段上昇の開閉窓。内側に冬季用の二重窓を設置。

車内は冷房無し。扇風機操作のスイッチ。

国鉄時代のマークが残る扇風機

車内は転換クロスシートが並ぶ。


車端部のみロングシート


キハ54系500番台気動車




運転台

デッキに便所入口

便所内部







キハ54 511












深川→留萌
留萌本線 深川発・留萌行き普通列車
13時28分、深川(ふかがわ)駅を発車
函館本線と分かれ、右へ分岐
留萌本線の全長は50.1km。JRで「本線」を名のる路線では、大部分の区間が廃止になったJR北海道の日高本線(30.5km)に次いで短い。


北一已(きちいちやん)駅
駅舎は、廃駅の深名線・宇津内仮乗降場を移設したもの。



田園地帯を行く。


秩父別(ちっぷべつ)駅




北秩父別(きたちっぷべつ)駅は通過

雨竜川(うりゅうがわ)橋梁

大雨で濁った川


石狩沼田(いしかりぬまた)駅



2023年(令和5年)4月1日(土)に留萌本線・石狩沼田駅〜留萌駅間が廃止されると、当駅が留萌本線の終着駅になる。その際、折り返し設備が新規に設置される予定。
しかし、残る深川〜石狩沼田間も、2026年(令和8年)4月1日(水)に廃止予定




真布(まっぷ)駅


木造待合室に板張りホーム



恵比島(えびしま)駅
 

貨車(ヨ3500形車掌車)の廃車体が恵比島駅の駅舎であり、右側の駅舎はテレビドラマのセットの跡。ドラマセットに合わせ貨車の駅舎も板張りにしてある。

1999年(平成11年)NHK朝の連続ドラマ「すずらん」の舞台になった駅。ドラマ内の設定では「明日萌(あしもい)驛」

かつては、観光列車「SLすずらん」(深川〜留萌〜増毛)が走り、恵比島駅はロケ地を訪れる観光客で賑わっていた。

古い駅舎に見えるが、テレビドラマの撮影セット

明日萌駅はテレビドラマ上の架空の駅名



標高100mの恵比島峠を越える。

非冷房のため、夏は窓を開ける。

峠道を下る。


峠下(とうげした)駅

一日の平均利用者は1名未満



幌糠(ほろぬか)駅
駅舎はヨ3500形車掌車




藤山(ふじやま)駅





大和田(おおわだ)駅




留萌川を渡る。


間もなく終点・留萌駅

留萌は、かつて留萌の各炭鉱から産出される石炭や、木材を鉄道貨物で輸送し留萌港から積み出していた歴史がある。

当時の留萌駅は、国鉄(留萌本線、羽幌線)や留萠鉄道の広大な留置線や貨物側線等があった。







終着駅・留萌
14時25分、終点・留萌(るもい)駅に到着





今は留萌本線の終着駅として、単行気動車がひっそりと発着する留萌駅だが、2016年(平成28年)12月4日まではこの先増毛駅まで留萌本線は続いていた。

また、かつては、国鉄羽幌線、天塩炭砿鉄道、留萠鉄道臨港線が分岐する鉄道の拠点だった。






留萌駅発着時刻表。「本線」とは名ばかりで、普通列車が一日7本のみの閑散路線。

改札口からホームを望む。

留萌駅は、有人駅で窓口や改札がある。

駅舎の出入口

留萌の特産はニシンの卵「数の子」

日本一の「数の子」のオブジェ


駅舎の一角には「懐かしの留萌本線」展示コーナー

かつて留萌本線を走っていた観光列車「SLすずらん号」を牽引する蒸気機関車C11 207に取り付けられていたヘッドマーク、留萠鉄道運賃表等を展示。


待合室内の一角に立ち食いそば・うどん店屋がある。

留萌名物のにしんそばが名物。

 
また、駅弁「にしん親子弁当」が事前予約制で販売されている。

駅そば屋の営業時間は8時00分〜14時00分。この日の営業は少し前に終了。後片付け中であった。

広い駅舎内。待合室から駅窓口や改札口方面を望む。

キハ54は、ここ留萌駅で14時25分から16時17分の折返しまで、1時間52分の小休憩。

現在は1番線のみ使用。向こうには2番線があるが現在は使用されていない。かつては観光列車「SLすずらん」などが2番線に停車する際は多くの観光客で賑わっていた。


使われなくなった2番線に向かう跨線橋は塞がれている。



駅から徒歩3分の場所には、おみやげ処「お勝手屋 萌」(留萌観光案内所)があり、留萌の特産品のほか、留萌本線オリジナルグッズも販売



留萌の駅舎。閑散ローカル線に相応しくない大きな駅舎は、かつてここが鉄道の拠点だった証。

現在の鉄筋コンクリート造2階建て駅舎は、1967年(昭和42年)に落成した2代目のもの。

留萌本線廃止後は、留萌市では、留萌駅を取り壊し、跡地に体育館や文化センター等が集約された公共施設を建設予定。

留萌駅前


駅から徒歩3分の場所にあるおみやげ処「お勝手屋 萌」(留萌観光案内所)。留萌の特産品のほか、留萌本線オリジナルグッズも販売。


店内には、さようなら留萌本線 留萌〜増毛 記念スタンプも置いてある。





留萌→深川
留萌駅に戻る。北海道や東北地方北部に停滞する梅雨前線の影響で雲行きが怪しい。
 




改札開始は列車発車時間の5分前

大粒の雨が降り出した。





日本海の方に空が暗く雷鳴も聞こえる。

この頃、東北地方北部・北海道辺りには前線が停滞し各地に被害をもたらせていた。留萌駅も土砂降りに。

留萌本線 深川行き普通列車に乗車

キハ54車内。雨が天井を叩く。

留萌本線普通列車深川行きは、激しい豪雨の中、
16時17分、留萌(るもい)駅を発車
駅員が列車を見送る。駅窓口の営業時間は16時20分まで。

留萌川を渡る。


山間部へ。


大和田(おおわだ)駅(反対側)


藤山(ふじやま)駅(反対側)
外は土砂降りの雨が続く。



幌糠(ほろぬか)駅(反対側)


峠下(とうげした)駅  
断続的に降り続く大雨の中、峠下駅に到着した旭川発留萌行き普通列車(キハ54単行)と交換

留萌本線で唯一列車交換が可能な峠下駅

現在の留萌本線には、キハ54形気動車(非冷房車)とキハ150形0番台気動車(冷房車)が走っている。

峠下駅は山間の秘境駅


恵比島(えびしま)駅
恵比島駅には、この駅が舞台になったNHK朝の連続ドラマ「すずらん」のロケセットが残る。ドラマ内の設定駅名は「明日萠(あしもい)」で、ドラマ撮影用の駅名標が残る。

古い駅舎はドラマ撮影用として造られたもので、本当の恵比島駅舎は左側の貨車を改造した小さなほう。貨車を再利用した駅舎にもドラマロケセットと違和感がないよう木の板がはめられている。



真布(まっぷ)駅



石狩沼田(いしかりぬまた)駅
留萌本線の石狩沼田駅〜留萌駅間が部分廃止後は、ここ石狩沼田駅が終着駅となる

当駅〜留萌駅間が廃止されるため、当駅に折り返し設備が新規設置予定

石狩沼田駅は駅窓口のある簡易委託駅。駅舎内にカフェを設ける計画が進んでいる。


雨竜川橋梁を渡る。

大雨で茶色く濁る雨竜川


北秩父別(きたちっぷべつ)駅


一部の普通列車は通過


秩父別(ちっぷべつ)駅

古い駅舎だが、地元の人たちにより花が飾られ大切に守られている。



北一已(きたいちやん)駅




雨が止んできた。


JR函館本線と合流

間もなく終点・深川駅


17時15分、終点・深川駅到着

※2022年(令和4年)8月上旬


2023年(令和5年)4月1日(土)
JR留萌本線 石狩沼田〜留萌間  廃止
(終わり)