5月16日、米連邦議会上院公聴会に「倒産銀行」のCEO三名が召喚され証言した。
「シリコンバレー銀行(SVB)」のグレゴリー・ベッカー氏(元CEO)、シグネチャー・バンクの元上級幹部であるスコット・シェイとエリック・ハウエルが上院銀行委員会で、「破綻原因はロシア、ブロガー、空売り者、FRB、規制当局だ」とした。
ベッカーの準備書面には次の指摘があった。
(1)3月8日、シルバーゲート銀行(「シルバーゲート」)は自主的に事業を縮小し清算する意向を発表した。預金者が同銀行の取り付けを引き起こしたからだ。
(2)SVBとシルバーゲートはまったく異なる銀行である。シルバーゲートはほぼ100パーセント暗号通貨に特化した銀行であったのに対し、SVBは暗号通貨顧客からの預金のわずか約3パーセントしか持っていませんでした。
これらの違いにもかかわらず、SVBは2月21日に掲載されたフィナンシャル・タイムズ紙の記事でシルバーゲートと比較されており、シルバーゲートとSVBの証券ポートフォリオに関して否定的なコメントを提供した。
つまりシルバーゲートの失敗とSVBとの関連により、ネット上で噂や誤解が急速に広がり、後に前例のない取り付け騒ぎの始まりにつながった。
(3)翌日の3月9日までの10時間で420億ドルの預金がSVBから引き出された。毎秒100万ドルのペースだった。
(4)3月10日、およそ1,000億ドルの引き出しがあった。僅か二日間で実際の預金と要求された預金の流出総額は約1,420億ドル、預金総額の約80%となった。米国史上最大の取り付けは、16 日間で 190 億ドルの預金額だった。
(5)超党派の上院議員4名は銀行破綻に至るまでの5年間に役員に支払われた報酬を回収する権限を連邦預金保険公社に与える法案を提出した。