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米下院「エネルギー商業委員会」がTIKTOKのCEOを議会へ召喚 グーグルは中国の宣伝隊=「ドラゴン・ブリッジ」などの口座を閉鎖(宮崎正弘国際情勢解題)

2023-02-03 | アメリカ情勢

下院に「中国問題委員会」が発足し、マイク・ギャラガーが委員長となった。ギャラガー議員は海兵隊大佐退役。ジョージタウン大学で「冷戦」を研究し、熱烈なトランプ支持者としてウィスコンン州選出四期目。まだ39歳。対中強硬派で知られる。

この中国問題委員会は中国共産党の調査研究にあたり、とりわけ技術、経済、米中関係ならびに米台関係の現状、サイバースパイの実態、南シナ海問題、ウイグル、チベットなどにおける人権問題などを取り上げる。

また下院にはキャシー・マクモリス・ロジャーズ議長の「エネルギー商業委員会」が3月23日にTIKTOK創業者の周受資(ショウ・ジ・チュウ=40歳))を議会に喚問して公聴会を開く。ロジャーズはオレゴン州選出。九期のベテラン女性議員(共和党)」である。

周受資はシンガポール生まれの中国人。ハーバード大学でMBA取得、TIKTOKの創業でビリオネアとなったが、米国の安全保証にとってTIKTOKの画像投稿アプリ等が脅威と見なされるようになってマークされてきた。

TIKTOKは中国人が開発した動画共有アプリ。膨大な利用者データや機密情報が中国政府に渡る可能性が強く、米国では州政府や米議会が禁止を打ち出してきた。中国にデータが漏れるという脅威は広く認識され、カンザス知事などは同州政府職員に対し使用を禁じた。

米議会では、中国政府がアプリ利用者の個人情報を不正に入手する懸念が高まり、連邦政府公用端末での使用を禁じる規定を含む法律が昨年12月に成立。下院外交委員会は、全米での利用を禁止する法案を2月に採決する予定となっている。

グーグルは落ち目、1万2千人の従業員を解雇したうえ独禁法違反で巨額の罰金。インドで1・6億ドル、EUからは5億ユーロ。ロシアでは3450万ドルの罰金制裁を受けた。

そのグーグルにはネット検閲の「脅威分析チーム」がある。グーグルは中国の宣伝に利用されているとして「スパムフラッグ・ドラゴン」と「ドラゴン・ブリッジ」など5万のユーチューブを削除した。

これらはユーチューブチャンネルを利用して反米親中の政治プロパガンダを繰り返し、ゼロコロナ政策を礼賛し、アメリカの外交は失敗、台湾は中国の不可分の領土などと繰り返し悪質な宣伝を展開してきた。アメリカ国内に「トロイの木馬」を仕掛けられたようなものだった。 

ピューリサーチの直近の世論調査で82%のアメリカ人が中国に好印象をもっていないとの結果があり、議会やグーグルの動きはこうした世論を背景にしている。

▲ネット空間が中国の政治宣伝の戦場となった

とくに「ドラゴン・ブリッジ」のユーチューブの手口は露骨なほど短絡的な政治宣伝である。

22年6月28日のロイター電は「サイバーセキュティー会社マンディアントが公表した報告書は、中国のビジネス利権にとって障害となる鉱業関連企業を標的にした情報工作活動が展開されていると指摘した。こうした企業への反感をあおるため、ソーシャルメディアの偽アカウントが使われているという」。

この種の活動チームを専門家の間では「ドラゴン・ブリッジ」のコードネームで呼ぶ。

「ドラゴン・ブリッジ」はアドホックなネット・グループで、「コロナウイルス感染症の発生源は米国だ」と主張したこともある。

豪ライナス・レアアース、カナダのアッピア・レアアース・アンド・ウラニウム、米国のUSAレアアースの3社の事業について、環境面や健康面の懸念をかき立てる意図的な投稿が集中し、ユーチューブばかりか、ツイッターとフェイスブックに大量に出回った。

欧米と豪におけるレアアース開発は「環境破壊」に繋がり「自然環境保護」を求める地元住民の反対運動が起きているなどと過剰で扇動的な映像を流し続けた。

環境を完全に棄損し、周囲の自然を破壊し、過酷な労働を強いているのは中国の採掘現場であるにも拘わらず、自国の実態には触れないのである。

中国が民間団体のボランティア活動を装わせて、こうした政治的プロパガンダを西側、とくに豪やカリフォルニア、欧州の一部(最近はスウェーデンに100万トンものレアアース埋蔵が確認された)のレアアース鉱山開発に反対する。動機は単純明快、レアアース市場を中国が独占するためだ。

それかあらぬか、フォードはEVカー生産本格化に向けて、中国企業「アンペレックス技術」と提携し、35億ドルを投下して、中国にリチウム工場を建設するとする報道がある。


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