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LGBTはアングロサクソンの個人主義から生まれたのだ 「プーチンの頭脳」といわれるロシア学者、かく語りき(宮崎正弘国際情勢解題)

2024-05-02 | 世界のヤバイ勢力

4月29日にタッカー・カールソンがユーチューブで公開したインタビューの相手は意外な人物だった。

ロシアの思想家、哲学者で政治評論家でもあるアレクサンドル・ドゥギンがゲストだった。 ドゥギンは「プーチンの頭脳」とも呼ばれることがあるが、屡々面会しているわけでもなければ、クレムリンで膝詰めの懇談をしたこともない。「プーチンの頭脳」というイメージが一人歩きしている。

ドゥギンは、しかしウクライナにおけるロシアの軍事作戦を熱烈に支持しており、ウクライナの独立国家は「存在すべきではない」と述べてきた。

このため左翼やウクライナから狙われ、悲劇に襲われた。2022年8月に娘のダリヤが走行中、自動車に仕掛けられた爆弾で殺害されたのだ。ロシア当局はウクライナ工作員によるテロと断定した。

ドゥギンの初婚の相手はロシアのLGBTの活動家で長男はロックミュージシャンだった。再婚した妻との間に父親よりロシア愛国を訴えた娘がダリアだった。彼女はユーチューバーとして頭角を現し、過激なナショナリズムの精神的支柱といえる存在になっていた。

ドゥギンは神秘主義、オカルト的発想が基底にあって、ロシアを欧米の退廃に対抗する「ユーラシア」帝国の中心に位置づける思想潮流の主導者になった。「ロシアの世界」という言葉の生みの親でもある。

この流れはウクライナのアイデンティティに対する強い嫌悪感を産み、「新しいロシア」という表現の復活にドゥギンが寄与したことになる。

プーチン大統領は14年3月にクリミアを併合した際、この語彙を使用した。

それで、プーチンのブレーンと言われるのだが、過大評価、もしくは誤った評価だ。

プーチン自身が尊敬しているのはソルジェニツィンである。

ドゥギンの書籍は「危険な書物だ」として米国では発禁になっており、アマゾンでは買えない。バイデンはドゥギンの影響力拡大を懼れていることになる。しかし、ドゥギンより危険な思想をばらまき、国家破壊を使嗾する思想書は「言論の自由」とかで、まったく野放しである。

さてカールソンとのインタビューでドゥギンは「いま、西側を蔽っているのは古典的リベラリズムではなく、ニューリベラリズムであり、家族を否定し男女の性差を差別することを拒否し、ようするに西側諸国のニューリベラリズムは『ウォーク・イズム』ともいえる。人間がもっと大切にするべき家族という概念の終焉をもたらしている」と述べた。画像を見る限り、ドゥギンは英語でカールソンとのインタビューに応じている。

▼『野放図な個人主義はかえって人間性を喪わせる』 

ドゥギンは「アングロサクソンの個人主義、西側の自由主義思想は人間のアイデンティティ」の喪失をもたらす。リベラリズムが人々を集団的アイデンティティから解放する。それがトランスジェンダーやLGBT、新たな形の性的個人主義につながっている。LGBTQなどのライフスタイルは、このリベラルなイデオロギーの実現と勝利に必要な要素である」と述べた。

ドゥギンは「最終的に、個人のアイデンティティを人間であるか、人間でないか選択できるようになる。すなわちトランスヒューマニズム、ポストヒューマニズム、シンギュラリティ、人工知能です」と比喩した。

LGBTやら少数優遇などの個人主義のせいで「家族が破壊されつつある」と同氏は繰り返し、リベラリズムの進展は「人間のアイデンティティの放棄」につながるだろうと付け加えた。換言すれば人類史は終わりを告げると示唆している。

「次の段階では、この過激なニューリベラルは少数派の支配を意味し、民主主義ではありません。それは全体主義です」。「フランシス・フクヤマが言ったように多数尊重という民主主義がヒトラーを生んだのだから少数のリベラリズムが次の世界を導くのだという(かれらの傲慢な思想)考え方に陥ったのが西側のニューリベラリズムの猖獗です」

たしかに指摘通りの側面がある。


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