東アジア歴史文化研究会

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう
歴史の書き換えはすでに始まっている

『日本を一番愛した外交官 ウィリアム・キャッスルと日米関係』田中秀雄著(芙蓉書房出版) ルーズベルトは狂人だと言った『フーバー回想録』をみごとに補完 ルーズベルトの陰謀の闇を親日大使の伝記が照射

2023-03-24 | 歴史の真実

「日本とアメリカは戦ってはならない」と開戦前から主張していた勇気ある米国の外交官がいた。

国務次官、そして日本大使を経験し、戦後日本政府は、この外交官に勲一等を叙勲している。

知っていますか? その人の名前を?

フーバー大統領は国務次官補だったキャッスルと突如呼び出して日本大使に任命した。フーバーは死後半世紀を経て回想記がでたが、ルーズベルトを狂人扱いしており、またハルノートの存在を知らされていなかったと後知恵ながらも詰問した。

後日、フーバーと会ったマッカーサーはFDR評価に同意した。

ウィリアム・キャッスルは1924年に排日移民法をつくった切っ掛けとなる植原駐米大使の失言はじつはヒューズ国務長官の示唆によると証言した。

状況は酷似していないか?

バイデンはロシアを疲弊させるためにウクライナ戦争にひきづり込んだ。ルーズベルトが日本に戦争を仕掛ける陰謀をめぐらし、まわりがソ連のスパイばかり。現在のバイデン政権でウクライナ戦争支援政策を推進しているブリンケン、ヌーランド、サリバンは反露感情のつよいユダヤ人ばかりである。ノルドストリーム爆破もドイツをひきづりこむ謀略だったとすれば平仄はあう。

主要敵が中国だとバイデン政権がいうのなら、裏側から中国を締め上げる地政学的ポジションに位置するロシアを味方にし、また北朝鮮を手なづけて反中陣営に取り込むのが大戦略だろうに、トランプが途中までやっていたことをバイデンはすべてひっくりかえした

パリ不戦条約(1928)の実質的作成者はキャッスルだった。

スティムソン国務長官の「満州国不承認宣言」(1932)に対してキャッスルは「満州は日本が統治したほうが一番良い」と主張した。

そしてルーズベルト政権の対日批判の動きキャッスルは「中国をたすけるべきではない。それは中国をソ連に明け渡すことだ」と主張した。

ルーズベルト大統領を囲んだソ連のスパイたちは日本を戦争に巻き込む陰謀を展開していたから、キャッスルの正論は黙殺された。

そして戦後、歴史家たちはグルーやマッカーサーらの研究をしても、キャッスルのことは無視、あるいは軽視した。吉田茂がもっとも高く評価し、また岸信介や中曽根が訪米すると、キャッスルと面会した事実も歴史家は話題にしなかった。

現代史の裏側にうもれていた外交官を田中氏は見つけ出し、歳月かけて資料を読み込み、はじめての伝記を書いた。

本書は労作であるうえ、現代史研究家にとっては必読文献になるだろう。

FDRは狂人と言ったフーバー大統領は、戦争がおわってから『回想録』を顕し、世界の現代史家たちは驚いた。それを田中氏はみごとに補完し、世紀の陰謀を展開し対日戦争を仕掛けたルーズベルトの闇を、この親日大使だったキャッスル伝記が照射する。

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序 章 ハワイという橋脚の島
第1章 外交官になるまで
第2章 ハワイにおける大ストライキ
一九〇九年のストライキ/一九二〇年のストライキ
第3章 国務省西欧部長・キャッスル
異例の出世/反日感情の昂進/ワシントン会議/日本移民の国籍問題/ドイツの政情不安/排日移民法の裏にあったもの/石原莞爾の日米最終戦争論/キャッスル、国務次官補となる
第4章 キャッスル、日本特別大使となる
国務次官補からの就任は異例だった/日本協会での演説/在日米人たちに対する演説/『日本及日本人』誌のインタビュー/軍縮会議の推移/多忙なキャッスル大使/キャッスル大使、帰国へ/条約をめぐるアメリカの議論
第5章 大恐慌の時代
アメリカの保護政策/日本の戦後不況と財閥批判/日本の金解禁実行とその影響/統制経済への期待
第6章 満洲事変の勃発
キャッスル、国務次官に就任/事変の勃発/スティムソン、事変拡大にいらつく
第7章 スティムソン長官の不承認宣言
スティムソンの魂胆/三井のドル買い批判/錦州進撃と不承認宣言/第一次上海事件の勃発/日本はフィリピンをねらっている?/フーバーとスティムソンの対立/スティムソン・ドクトリンからフーバー・ドクトリンへ/フーバー、キャッスルとスティムソンの不協和音/満洲国承認は可能である
第8章 キャッスルによる満洲事変の総括
 最近のアメリカの極東政策
第9章 ブロック経済、自給自足経済体制の深化
 世界経済のブロック化/財閥の転向/キャッスルの二・二六事件評/持てる国、持たざる国/日支事変の勃発
第10章 在野において旺盛に外交を論ず
キャッスルのモンロー主義/天羽声明について/ルーズベルトの移民政策/キャッスルの中国論/中国共産党を支持するトーマス・A・ビッソン
第11章 アメリカは戦争に関わらず中立を維持すべきである
米ソの国交樹立問題/ワシントン体制の終了へ/武器禁輸と中立法/戦争に巻き込まれるな
第12章 逆風に抗して―日中戦争の時代
スティムソンの大論説/「日本の中国侵略に加担しないアメリカ委員会」/キャッスルのルーズベルト批判/日米通商条約の破棄/第二次大戦の勃発/キャッスルの不気味な予言/日中戦争における中立性について」/執筆と講演に全力を尽くす/破局に向けて
最終章 第二次大戦中の雌伏、そして戦後の日本の再生
秘策はインド洋作戦/歓迎されないキャッスル/天皇制を問題にするビッソン/終戦前後/ニューディーラーたちによる日本革命/「アメリカ対日協議会」の結成/日本の武装解除問題/日本の防衛問題/吉田茂による憲法改正/岸信介、中曽根康弘を評価するキャッスル/レッド・パージ/老雄たちは逝く


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