反骨の女性ジャーナリスト(中)<本澤二郎の「日本の風景」(4700)

<21世紀の松本英子・日刊ゲンダイの峰田理津子記者が来訪>

 2023年1月29日の正午から我が老人夫妻の築50年の埴生の宿が華やいだ!21世紀の松本英子に違いない日刊ゲンダイの、目の大きな八頭身美人が、粗末な居間に陣取ってくれたからである。最近になって気付いた大型と思われるネズミも、天井裏で驚いたであろう。

 紫のコートでさえも似合う彼女の趣味は和服だと知った。出身は愛知県、徳川の三河出身。憶測だが、明治が誕生させた官僚養成の東京帝国大学、戦後の東京大学は、明治以降の藩閥天皇制国家主義や、戦後の自民党官僚政治を支えてきた。三河の識者らはそのことに屈服することはないだろう。

 同じ東大生でも愛知県のエリートは、従順に屈することなくそれぞれが考えるところがあるかもしれない。それにしても、我が家の来訪者・峰田理津子記者のセンスの良さは、服装からして抜群である。当方の取材で判明したのだが、彼女は特別な教育を受けたわけではなかったが東大に合格した俊才、その後に除籍された。理由がすごい。「マージャンばかりしていて講義も試験もパスした」という。想像しなくてもわかる。つまらない授業にやる気が消え失せた。その程度の東大に三下り半を突き付けたのだ。これはやはりすごい人物である。

 まさに21世紀の松本英子に見立てたことにブレはない。しかし、両親の衝撃はたとえようもなかったろう。親孝行に気持ちを切り替えてほしいのだが、峰田理津子の孝行とは、反骨のジャーナリスト・松本英子のような人間として生き抜くことなのであろう。健康管理を特に心がけるように忠告した。

 とはいえ初の美人の訪問に普段は縁の薄い缶ビールを出して乾杯した。

 

<少数精鋭!きつい深夜勤務・全て反骨の男女ジャーナリストばかり>

 ともかく日刊ゲンダイの記者は、筆者同様に反骨の人ばかりで、悪しき権力に真正面から体当たりして追及する。居眠り野党に代わって民意を汲み上げて、容赦なく政府や自民党を批判する。小気味いい。

 

 昔はこんなことがあった。政府が新聞や雑誌に消費税をかけるといい出した。

新聞は読売新聞の渡辺恒雄らが抑え込んだ。週刊誌・雑誌は徳間書店の徳間康快を先頭にして、時の自民党幹事長の小沢一郎と総務会長の渡辺美智雄、政調会長の西岡武夫に陳情することになったのだが、東京タイムズ社長を兼務していた徳間が政治部長の筆者に段取りを要請してきた。

 週刊新潮の佐藤社長や講談社の服部社長ら雑誌出版連盟の面々が雁首をそろえて自民党3役に助けを求めた。この時の印象が遠慮知らずの渡辺が、講談社の服部にかみついた。日刊ゲンダイの発行元に圧力をかけたのだ。むろん、そんなことでひるむような講談社ではなかった。しかし、ことほど日刊ゲンダイの威力は、相当なもので政府自民党の耳目を揺るがしていたことの何よりの証拠と言えた。

 ついでに首都圏紙の東京タイムズだが、こちらは大平正芳首相は官邸で必ず読んでくれたことを確認した。大手紙はほとんど大差がない発表記事が中心だから、自宅で朝日に目を通せば済んでしまう。永田町のインサイドの記事をほぼ毎日書いた。政治部長時代の8年9か月は、反骨記事を書いて実に充実していて快適だった。そのせいか峰田理津子記者が「年齢よりも10歳若い」と誉めてくれた。

 

<次男正文の無念の死・読売元政治部長・多田実の自分史=本澤二郎の「日本の風景」10巻の製本>

 彼女の来訪目的は、2009年からほぼ毎日書き始めたblog「本澤二郎の日本の風景」を、昨年になんとか無理して10巻10セットに製本したことと、その事情を取材するためだった。彼女は製本費用を聞いて仰天した。現在市民活動家らが救済に知恵を出してくれる事情も説明した。

 なぜ製本したのか。一つには次男正文の医療事故による無念の死と、反省も謝罪もしない財閥病院のことから、それまでは「自民党のスポンサー」とだけ表現していたことが間違いだったことを、息子の死が教えてくれたこと。311のフクシマ東電原発3号機が問題の財閥製品だったこと、しかも核爆発だったこと。311の4日後の315に大量の放射能が首都圏に流れ込んだこと、このところの日本人死者数は飛びぬけて増えている事情とフクシマ放射能被ばくとの関連など新聞テレビが報道しない事実を、後世の研究者に伝えたいという思いなどを説明した。

 なぜ80代からなのかについては、大学の先輩・多田実さん(元読売政治部長)が80歳から「自分史」を書き始めたものの、間もなく亡くなったという厳しい健康的現実に目を向けたこともあった。長命の家系なので「あと20年」を吹聴しているが、無理しない散歩も心がけている。筆者を育ててくれた人物は、平和軍縮派の宇都宮徳馬さんである。生涯ジャーナリストに徹する人間として人生を送ろうと思う。

 本日のこの記事も製本してゆく覚悟である。反骨ジャーナリストの文章に興味を持つ研究者が現れてくれるかどうか、やや掛けの部分もある。世界は情報が最大の価値を生む時代に突入して久しいのだが。

 その価値の決め手は真実だ。嘘情報は、すぐ馬脚を現す。反骨の勇気と正義のそれが、時代を主導していく。日刊ゲンダイの取材陣は、反骨の塊の記者ばかりだ。松本英子も泉下で拍手してくれている様子が目に浮かぶ。

 我が勇気と反骨も息子がくれたものである。仰天情報が飛び込んできた。安倍の「回顧録」?冗談ではないか?御用記者たちの嘘にまみれた回顧録なのか。日刊ゲンダイの反骨記者の評価に注目したい。

2023年1月30日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

共同通信社の世論調査によると、細田博之衆院議長が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を非公開の場で各党に説明したことについて「十分ではない」は84.2%、「十分だ」は11.9%にとどまった。

 

 【ワシントン=田島大志】米空軍のマイク・ミニハン大将が、2025年に台湾有事が起き、米中間で戦争になる可能性があるとのメモを作成し、空軍内で共有していたことが明らかになった。