那須町芦野・温泉神社の逆立ち狛犬
芦野はかつての奥州街道関東最後の宿場町。街は外れの温泉神社に逆立ちした狛犬がいました。
かつては寺社屋内に守護として置かれた狛犬は、近世になるとどの神社の境内に造立されるようになりました。また形の決まりも少なく、像容は石工の腕の見せどころでしたから、よく見られる玉乗りや子持ちなどはじめ地方独特の型も生まれて、膨大な数の狛犬が造られました。これを分類した先人、出版物も出ました。
手元にある橋本万平氏の『狛犬を探して』(注)では、近世の狛犬を江戸・浪花・出雲・尾道・伊部・丹後・肥前など地方別に分類した狛犬が取り上げられています。
像容分類の中の一つが逆立ち狛犬で、金沢地方に多いそうです。
それで温泉神社の狛犬は、身体を45度に上げた見事な逆立ち狛犬です。逆立ちの角度はいろいろありますが、この45度が一番見栄えがします。
相棒は引き締まった表情の狛犬です。
(注)橋本万平著『狛犬を探して』昭和60年、精興社
(地図は国土地理院ホームページより)