鴨川市奈良林・奈良集落三嶋寺の胎蔵界大日如来真言
鴨川市西部の大山山麓。奈良林の三嶋神社と並んで建つ三嶋寺の境内に種字「胎蔵界大日真言」銘の石塔が立っていました。
いろいろな願い、結願が込められた胎蔵界大日真言塔です。正面に種字で「ア・ビ・ラ・ウン・ケン」、側面に「光明真言一億万遍供養塔/弘法大師第一千年遠忌/天保五年(1834)」銘があります。
「アビラウンケン」は胎蔵界大日如来の五字真言で、真言密教では重要な真言です。これが民間では様々な災難除け、蛇・虫の毒除け、傷病治しのときの呪文・呪いとして唱えられてきました。
「光明真言一億万遍」は大日如来に一切の罪障を除いて極楽往生などを願う真言、呪文。これを大勢で唱えた数が一億万回に達したのを区切りとしての造立です。
弘法大師は祥承和二年(835)に亡くなっています。それから千年後の年忌天保5年に造立されたのが「弘法大師一千年遠忌」です。