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2022年11月08日
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京都歴史裏の小説~空海(弘法大師)のラブホテルは羅城門

 平安京の入り口には羅城門があり、その両脇に国寺の東寺と西寺が同じ規模同じ五重の塔で競い合っていた。羅城門の外は洛外で畑や田んぼばかりの農村地帯が広がっていた。その村は唐橋村といって主に九条葱を栽培していた。葱の農家ははそれぞれ屋号を持ちその屋号の「葱伊」の一人娘に志津がいた。

 その志津に東寺の管主の空海(弘法)と西寺の管主の守敏(しゅびん)が一目惚れをしてしまった。元々犬猿の仲だったこの2人は負けるものかとあらゆる手を使って取り合いになった。志津の父親の伊助は西寺に野菜や米を納入している関係で志津の相手は守敏に決めた。

 一方の恋に破れた空海はそれでも志津のことをあきらめなかったばかりか人妻となった志津の色気に前よりさらに好きになっていた。志津を嫁にした守敏は1年ほどは志津を可愛がっていたが、これも根からのケチでやきもちなのか志津の買い物や外出を厳しく監視していた。この守敏は酒癖も悪く、酔えば妻に暴力もふるっていた。これは現在にも通じる話で「釣った魚に餌はいらない」と思っていたのだろう。

 空海はそれを見透かしたかのように連日のごとく愛の文(ラブレター)を弟子に持たせて志津に手渡していた。そしてある夜、羅城門で密会の約束までしてしまった。羅城門というのは一ヶ月ごとに東寺と西寺が門番を置き交代で管理していた。門の2階は二十畳ぐらいの部屋になっているから、ここに寝具や行灯まで持ち込み本格的なラブホテルにもなっていた。

 しかし、これも守敏に知られることになり怒った守敏は羅城門に駆け上がり弓で空海を狙って矢を放ったが、矢は空海を庇おうとした志津の首に刺さってしまい志津はそのまま死んでしまった。この志津の死は不義密通とされ葬儀もだされず門外の横に穴を掘られて土に埋められてしまった。

 それを聞いた村民はこの地に地蔵を祀り、小さいながらも祠も建てられている。その地蔵の首には矢のあとが残っているということからこの地蔵を「矢負地蔵」とも「矢取地蔵」ともいう。この祠は今も羅城門址の片隅にあります。

 妻を寝取られ、妻を殺した守敏は都人から笑われ、妻殺しといわれてからは何をしても上手くいかず西寺は廃墟になってしまった。一方の空海は21日の月命日には老若男女が訪れていた。その西寺の現在は巨大の金堂の礎石だけが残っています。歴史を問わず、妻を大事にしなければ妻は空海や私のようなオトコに取られるというありがたいお話でした。ちなみにこの小説は史実には基づかないものどす。。。





画像①は、羅城門の横にある「矢取地蔵」…②は、今も栄える東寺…③は、妻を寝取られた守敏の西寺址…あるのは金堂の礎石のみ。


★~あとがき…この空海と守敏との死闘の戦いはまだまだ続きます。次回に書きます。🦊⛩️





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最終更新日  2022年11月08日 14時51分37秒
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