DOC(ドック) あすへのカルテ 第10話 ふたり Quello che siamo

リンク広告 テスト




DOC(ドック) あすへのカルテ
(DOC – NELLE TUE MANI)
制作:2020年 イタリア
原作:Pierangelo Sapegno、Pierdante Piccioni

https://www.nhk.jp/p/doc-karte/ts/WL5QPY99G7/

第10話 ふたり Quello che siamo

脚本/Francesco Arlanch、Viola Rispoli
監督/Ciro Visco

【STORY】

●障碍者施設

マウロ(Diego Facciotti)は建物内でスザンナ(Alice De Carlo)
の事を探す。暗い場所に居た彼女に対してマウロは「遊んでいる
つもりなのか・・一人で離れてはいけないと言っただろう」とし
「どうして分からないのか」と告げる。
そんなスザンナだが立ち上がって一緒に行こうとすると、
眩暈がし気持ちが悪いとして倒れ込む。
マウロは急いで外でスポーツ大会をしていた生徒たちに助けを
求める。
アレッサンドロ(Massimo Ciccotti)はスザンナを見つけて声
をかける。

●アンドレアの自宅

彼はEdaxの薬を飲むべきかどうか迷っていた。
精神科のエンリコから処方された薬だが最近それを飲むと体調が
悪い。迷っていたところで呼び鈴が鳴る。
ドアの外に居たのは娘のカロリーナだった。
授業前に様子を見に立ち寄ったたけだとして、母親との関係が
上手く行かなかったことは知っているという。
室内が汚いことに言及する彼女。

「以前はあんなに綺麗好きだったのに・・」

娘に対して週末一緒にモルジエに行かないか?と誘う。
ミアジェ湖に氷河を見に行こうという。
しかしカロリーナによると氷河は溶けたとし、モルジェの別荘
も売ってしまったことを告げる。どちらも15年以上前のこと。

銃弾に撃たれた後にもそのことは覚えていた筈。
最近物忘れがひどいとし、12年よりももっと前のことを忘れて
いることを語る。少し休んだ方が良いという。

「モルジェに行ったらどうか?・・誰か良い人は居ないのか?」

その娘の言葉に、アンドレアは驚く。
この前まで人形遊びをしていたと思ったらそんな発言をする。

過去は過去として次に進まないといけないというカロリーナ。

例えばこのカバンはだいぶ古いので、新しいのに替え時で
あること。それを聞いたアンドレアは古いカバンに例えられて
いると知ったらママが怒るぞと語る。

「ママとは終わらせる気は無い。パパは諦めない」

そんな父に対して取り合えずカバンはクリーニングに出して
置くとして彼女は学校へと向かう。

■アンブロシアーノ総合病院

自販機の前でリッカルドはアルバのことを気にしていた。
アンドレアはそれを見て言葉をかける。

「気持ちを伝えたらいい」
「彼女とデートした奴に喰ってかかるくらいならば君もオペラ
に誘え」

君は右足を失い、僕は12年の記憶。だからと言って諦める
理由にはならないことを語る。
リッカルドはアルバは元妻とは違うとするが、アンドレアは
真実を言わなければ何も始まらないことを語る。

●スザンナの病室

スザンナは眩暈/vertigoの症状で救急外来に運ばれて来た患者
であるとリッカルドは語る。
現在安定しているが体温は38度の熱があり、強い頭痛
/strong migraineを訴えていること。
血圧/Pressureは100-70、背中に皮疹が出ている。
そしてこれまでに行った検査結果を見せる。
外傷が原因なのか・・

・患者の問診

一つ質問したいとしてジュリアが語る。

眩暈がする前にあなたは何をしていたのか。

すると彼女ではなく同行してきたマウロが語る。
「隠れていた。遊びでよくやるもので、僕が見つけたら具合を
悪くした」。
突然割り込んできた男性を怪訝そうにしていると彼は自らの
身分を語る。自分は昼まで彼女を預かっている施設の教員。
光を近づけるゲームをしても良いか?と尋ねるが嫌だとして断ら
れる。家族に連絡したのか?と問うと、双子の兄妹がここで働い
ているのだという。

慌てたようにしてそこにロレンツォがやってくる
彼女のことをスージーと呼んだ彼と彼のことをロッロと呼んだ
彼女。二人は二卵性の双子だった。

●医局、コンサル

ロレンツォを中心として患者について語る。
スザンナと自分は一緒に住んでいるとし両親はいないこと。
症状に関してアルバが改めて語る。

眩暈、熱、赤い皮疹、頭痛と項部硬直。
そしてトリソミーだというのはアンドレアだった。
ダウン症は症状ではないというロレンツォに対して、無視
出来ないことを語る。僕は健忘症だが言われても気にしない事。
トリソミー患者は特定の病気にかかりやすいとリッカルドも
語る。ここで考える前に彼女から話を聞くべきだと主張する。
しかしロレンツォはそれを拒否する。彼女は子供と変わらない
事と、話をすることで動揺させて危険な事。
何の病気が分からない方が危険ではないか?と問うとロレンツォ
は本人以上に自分の方が答えられるという。

「髄膜炎だよ/Meningitis」

アルバは確かにすべてに当てはまるという。
施設の遠足で行ったトスカーナで髄膜炎が出たと後で分かった
のだという。ジュリアはそれなら施設全体が危ないので先ずは
検証が必要だという。ロレンツォはすぐにCT検査をするべき
事を語り、他にも感染者が居ないは調べるべきことを語る。

●エルネストの病室

ガブリエルとエリーザはエルネストのケアをしている看護師の
テレーザに挨拶する。患者は“ネーヴェNEVE”とずっと言って
いること。
警察が彼を見つけた時には外をさまよっていた。所持品を
見る限り彼はエルネスト・ガルビアーティであることを語る。

【感想】

今回は大きく分けると二つ。

医療従事者間での人間関係と、医者が患者と必要以上に関わる
べきかを問う流れがある。

男女関係に於ける信頼関係を揺るがすような個人が抱える事情が
秘密として存在し話せずにいること。
相手の事を大切に思い、好きだという気持ちが強い程に、その
秘密が重くのしかかる。容易に話せれば苦労はしないし、こんな
に回りくどいことにもならない。ましてや人の命を左右する様な
ことも起きない筈だ。

話すことが出来ないのは、今の状況が良くも悪くも壊したく
ないものとしての存在が大きいからで、その秘密を公開した
ことに対する反動の大きさなどもあるのだろう。

嫌でも時間は進む。
秘密によって縛られている間にも本命の相手との関係性は
進展せず、相手は別の選択肢を選んでいってしまうかも知れない。

しかし隠していてもいつかは公にされるのが人生であり運命だ。
秘密は墓まで持っていくというのはドラマでは通じない。

恋愛関係に於いては命取りになる程ではないが、それでも
不本意な潮流に乗って人生は動き出してしまう可能性は高い。
告白する決断・タイミングは人それぞれで、その時相手がまだ
傍に居るならば良い方だ。

ドラマとしての一番の秘密はやはり医療過誤の問題だろう。

アンドレアの誤診だと思われていたものが、実際には
マルコによるものだったという証拠の品がカバンの中に有った。
そしてマルコが妻と行っていたと思われるアンドレア破壊工作
として薬に処方以外の薬とすり替えるようなことを起こしている。

恋愛に於いてはどうだろうか。

・アルバとリッカルド
・エリーザとガブリエル
・アンドレアとアニェーゼとジュリアとダヴィデ
・ジュリアとロレンツォ
・スザンナとアレッサンドロ
・ロレンツォとジュリア

この中でも今回はアンドレアがリッカルドとアルバの関係を
目にして、背中を押すような行動計画を立てる。
ジュリアに相談し、偶然を装い二人が出会い話し合うよう
仕向ける。

また今回はエリーザとガブリエルが秘密ミッションを行う。
犬を病院内に連れ込むこと。
途中でテレーザに見つかりそうになるが、二人のコンビーション
で乗り切る。

これらミッションは二人の関係を近づけることに役にたつだ
ろう。

映画「スピード」のジャックのセリフに
「異常な経験に基づく関係は絶対にうまくいかない」

しかし異常ではなく共同作業は二人の関係を強固なものに
する。

偉いと思ったのはジュリアがその場の雰囲気に流されずに
ロレンツォからの求愛を断ったこと。
気持ちが無いのに体の関係を持ってしまった代償とまでは
いかないけれど、友達だと一貫していたところは凄い。
ただロレンツォのこともそう責められることは出来ない。
彼は兄として親として、妹の生活に於いて何不自由なく生活
させようとして努力してきたからね。
依存していたのは彼女ではなく彼の方に有り、人生設計を
立てていた彼女の方が大人として成長していたという皮肉と
偏見が存在していた。

【患者】

●スザンナ・ラッザリーニ

ダウン症/トリソミーで双子だという女性。
その双子の相手はなんとロレンツォだというのだから驚きだ。

マウロの存在が良いアクセントになった。
彼はイケメンではあるけど何だかスザンナとの間で不審な行動が
みられたので何やら危険な香りを漂わせていた。
彼女に虐待でもしているのかと思った。

「僕らの秘密の話を今出来るか?」
「嫌」
「兄さんとその話をしたいか?」
「しない」

この手の施設での闇って結構耳にするし、終盤の流れからして
梅毒を持ち込むことが出来るのはこの人しかいないのではない
かと思ったから。
運ばれて来る前には彼女は地下室にいた。
マウロとの隠れん坊という名の隠語で何やら怪しい行動も有った
よね。ただ後に判明するが光が苦手のようだった。

彼女が運ばれてくる。

眩暈、熱、赤い皮疹、頭痛と項部硬直。
ロレンツォの話では髄膜炎だろうとのこと。
否定することは何もなく症状とも合致する。
確認の為にCT検査する。

感染症科で髄膜炎の症状が無いかを調べてもらう。

検査している状況の中で体温は更にあがり38.5度の熱。
痛みなども変わらず痛い。
「家が恋しい」

携帯の音が鳴る。彼女のものでもなければ、その場に居た
アンドレアのものでもない。誰の携帯なのか。

病院のロビーで電話しているスザンナを見かける。
スザンナはロレンツォに本当のこと(恋人が居る)を話せば
彼はパニックになると考え、逆も然りだった。
しかしアンドレアは話すべきことを主張。
すると彼女は発作をおこして倒れてしまう。

「君が彼女の本当の姿を見ようとしないから診断が滞っている」

そう言われたロレンツォが過剰に反応する。
そして薬を飲んでいないと知ったアンドレアのことを
「自分自身をコントロール出来ていない」
としてマルコからアニェーゼに告発する。
こういう時の告発は早いもんだと感心させられる。

・スザンナの自立心 ※1

スザンナの検査結果で髄膜炎は否定される。
しかし彼女は失禁していた。
その後ベッドから立ち上げようとするも彼女の視力が灰色で
見えづらくなる。

・コンサル /スザンナの症状として現れたもの。

眩暈、熱、赤い皮疹、頭痛、項部項直、赤沈が早い、失禁、
目のかすみ。

アレルギーを議題に挙げるがロレンツォが否定。
急性肝炎をあげたのはリッカルドだが、感染には気を付けて
いたとしてロレンツォは却下。
でも断言はできずA型肝炎はアサリからも感染する。
肝炎ならば黄だんが出る筈。

髄膜血管型の後期、神経梅毒なら全ての説明が付くという。
背中の赤褐色の皮疹も丘疹も数か月前に出ているというアンド
レア。
しかしロレンツォはそもそも彼女は性行為をしていないと
して否定。

ジュリアが主治医なので彼女の命令で確認する必要性を唱え、
TP抗体を調べる。

検査の結果「第三期の神経梅毒」だと判明。
ペニシリン水溶液を4時間、300から400単位で注入する。
第三期ということで感染したのは数年前。

マウロは難民センターで働いているので感染をうつしたのか。

問題は梅毒の問題だった。

スザンナはアンドレアが正しいことを医局に来て話した。
自分には友達(恋人)が居ること。アレッサンドロという人物。

アレッサンドロの母親であるヴェロニカにも確認すると息子に
恋人がいるとして驚いたことを語る。

彼女から話を聞くと10年くらい前に彼は旅行でインドに行って
おり、その国で事故に遭い急遽輸血が必要になったこと。
輸血バッグが感染していたであろうこと。治療はしたが菌は
完全に消えていなかった。

※1・スザンナの自立心

ダウン症の妹に対して過度に過保護な態度に出るロレンツォ。

アンドレアはスザンナは既に大人であり人格がある事を告げる。
しかしジュリアに相談した際にはロレンツォは常に一緒にいる
ので彼女に関する事は彼以上に知る術はないのではないか
と考えている。
アンドレアは病院との契約の中で薬を飲むことを条件にして
医療にかかわっていた為に、それを破って患者と接したこと
により、ロレンツォの怒りが頂点に達して理事会にかけられる
ことになる。

・理事会

しかし理事会はそれぞれにアンドレアの事を擁護する発言をして
いく。当初はご愁傷様的雰囲気が有ったけど、流石にスザンナ
とかかわり合ったが故に真実が判明していったのだ。
そもそも告発したロレンツォが取り下げたことにより最早
擁護する発言も必要は無くなった。それにしても理事長の変わり
身の早い事(笑)

●エルネスト・ガルビアーティ

ホームレスかと思われた老人男性。
3日前から家に帰宅していないが誰からも捜索願は出ていない。
服を脱がせようとするが嫌がられる。

救急に運ばれて来た時には「脱水」「頻脈」「呼吸困難」
現在は「腕の震え」が有る。
そして何よりも「意味の無い言葉」を繰り返していること。

アルツハイマーではないか。
しかしそれだと頻脈と呼吸困難の説明が付かない。
ガブリエルは老人が3日彷徨えば呼吸くらい乱れるとのこと。

精神科に頼むべきではないか。

しかしテレーザは彼が語る”ネーヴェNEVE”という言葉には
何か意味があると考える。
特別な記憶が蘇ったり、女性の名前かも知れない。

エルネストは抗生剤が効かない。
更に血球数が下がる。

・エリーザは単独でエルネストの自宅マンションを尋ねる

玄関のドアは開いていた。
誰か居ないか呼びかけるとクローゼットの中に犬のネーヴェ
の姿が在った。

彼女は病院に戻りマルコに相談するが動物を入れることは出来
ないことを言われる。髄膜炎が出ているかも知れない時だし
その辺は仕方がない。

しかし密かに犬を病院に持ち込んだ。
エルネストは喜び医師との会話も弾む。
そして彼は換気することなく防虫剤を使用していたことが
判明する。
「急性ベンゼン中毒」
コルチゾンを使って処置する。

【その他】

・エリーザの母親は老年性認知症だと思われたが、彼女自身が
母親と話した結果心臓疾患であることに気が付いたという。

・ジュリアはロレンツォに憤りを感じる。
10年一緒に働き、体まで許した関係で彼女(障害を持つ妹)の存在
を話さずにいた。

・リッカルドはアルバに義足であることを告白する。
雨の降る中での告白。

・犬を探して回るエリーザとガブリエル。
保護犬の活動を支援しているエリーザの優しさは先日の
エピソードの中でも見られた。犬を探す中で逃がしてしまった
ガブリエルが何とか雨の中探して来た。エリーザの家にその日
は泊まることになる。

※7話の中でエリーザは保護犬の支援をしている光景がある
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=8077

・妻のことをあきらめると言ったアンドレア。
そして彼はジュリアがしているイヤリングに何か思いがある
様子。「片方無くしたけど大事なもの」

※3話の中でアンドレアは自宅にあるイヤリングについて疑問に
思っていた。

S1-3 夫婦
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=8058

・仲間
理事会にかけられた際に周りの人たちが協力してくれる。
エンリコが感情の抑制・バランスを監視して責任を持つこと
を語る。

・どうしようもなく彼が好き
ジュリアはロレンツォとの関係をこれ以上は進めずあくまで
友達だとした。

・イレーネとマルコ
アンドレアがすり替えられた薬を捨ててしまったことに焦り
を覚えるかと思われたが、既に時は来たりとばかりに
シカゴのセントルイス病院の医療部長職を用意している。
サインを押すだけで手続きは完了する。

・証拠
ジョヴァンニ・パヴェージのカルテが古いかばんの中から見つ
かる。娘がクリーニングに出したからこそ見つかったもの。

【SOUNDTRACK】

・I’ll Find You in the Dark by Nico Bruno
・Need you right now by Nico Bruno
・Changed at all by Nico Bruno

【CAST】

アンドレア・ファンティ (Luca Argentero) 元内科医長
ジュリア・ジョルダーノ (Matilde Gioli) 医師、アンドレアの恋人
アニェーゼ・ティベリ (Sara Lazzaro) 外科医、元アンドレアの妻
マルコ・サルドーニ (Raffaele Esposito) 内科医長、秘密を持つ

エンリコ・サンドリ (Giovanni Scifoni) 精神科医
ロレンツォ・ラッザリーニ (Gianmarco Saurino) 内科医
リッカルド・ボンヴェーニャ (Pierpaolo Spollon) 医師、アンドレア慕う
アルバ・パトリツィ (Silvia Mazzieri) 研修医
エリーザ・ルッソ (Simona Tabasco) 研修医
ガブリエル・キダーネ (Alberto Boubakar Malanchino) 研修医

テレーザ・マラルディ (Elisa Di Eusanio) 看護師
カロリーナ・ファンティ (Beatrice Grannò) アンドレアの娘
***マティア・ファンティ (Luca Morello) アンドレアの息子
***若い頃のキャロリーナ (Giulia Patrignani)
イレーネ・チェラルド (Maria Rosaria Russo) マルコの妻
レナート (Luca Avagliano) 看護師
ダヴィデ (Simone Gandolfo) アニェーゼの現在の夫

マウロ (Diego Facciotti) 施設
スザンナ・ラッザリーニ (Alice De Carlo) ダウン症、ロレンツォの妹
エルネスト・ガルビアーティ (Gianni Franco) 患者
(Federico Fazioli) 病院の理事・取締役
リディア (Simonetta Solder) リッカルドの母
アレッサンドロ・モレッティ (Massimo Ciccotti) スザンナの彼
ヴェロニカ・モレッティ () アレッサンドロの母

スポンサーリンク
レンタグル大336

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
レンタグル大336