鼻中隔延長術の長期経過例 プロテーゼ、鼻尖形成、鼻中隔延長、耳介軟骨移植 術後2年 | 医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

湘南美容クリニック新宿本院主任医長兼技術指導医Dr.村松が日々の症例や美容外科に関することを分かりやすく解説します。

本日ご紹介する症例の患者様は当院のスタッフ(受付カウンセラー)で、とにかくお鼻を綺麗にしたい、とのご希望でした。

 

当初はプロテーゼの挿入はしたくないとのご希望でしたが、いわゆる「忘れ鼻」を目指すためにはこのスタッフの場合はプロテーゼは必須であることを説明し、納得頂いたうえで下記の施術を行いました。

 

・プロテーゼ

・鼻尖形成

・鼻中隔延長(鼻中隔軟骨使用)

・耳介軟骨移植(含 鼻唇角形成(いわゆる猫手術))

 

術前→術後2年です。

 

 

 

 

特に横顔および下から見上げた形状の変化が大きいですね。

 

当院にご来院される患者様からも鼻をお褒め頂くことが多いようで、非常に満足だそうです。

 

 

いわゆるコーカソイドに分類される白人系の鼻は非常に高く立体感がありますが、一方で日本人に多いモンゴロイド、黄色人種系の鼻はコーカソイドの鼻に比べて立体感が無く、言ってみれば上から潰したような状態に見える鼻の方も多いと言えます。

 

鼻中隔延長術は、そういったお鼻に立体感を出すうえで不可欠となる手術です。

 

ですが鼻中隔延長術において最も問題となるリスクは、延長により引っ張られた鼻が元に戻ろうとする力および術後炎症に伴う拘縮に対して、延長用に移植した軟骨の強度が負けてしまい、鼻が潰れてきたり曲がったりしてしまうことです。

 

例えば家などを建設する際にも土台をしっかり建てないと上が揺らいでしまうわけで、鼻中隔延長術においても土台をしっかりと硬く組むことが重要となります。

 

鼻中隔軟骨による鼻中隔延長に関しては、

・L-strutは上方、前方とも十分に温存し鼻中隔自体の強度を保つ

・くり抜いた鼻中隔軟骨に耳介軟骨を重ねて強固な土台を形成する(鼻中隔軟骨単独での延長は行わない)

 

ことが長期的な安全性において極めて重要と考えて手術を行っております。

 

 

長期経過例ということで、横顔(側面像)の経時的変化もみてみましょう。

 

術前→術後1ヵ月→術後4ヵ月→術後2年です。

 

術後1ヵ月はお鼻の完成度は80%前後、そこから術後6ヵ月頃にかけて浮腫み等が改善し、更に術後1年頃にかけてわずかにスッキリしていく、というのが通常の経過となります。

 

ご参考になりましたら幸いです。