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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

G7で同性婚の制度がないのは日本だけ。台湾など世界31か国で法制化。杉田水脈議員を政務官にし、同性カップルを見るのも嫌だと言った荒井氏たちを秘書官にした岸田首相に、G7サミットの議長をやる資格はない。

2023年02月05日 | ジェンダーフリーと性的マイノリティの人権

同性婚を認めることで経済的効果があったという統計はあっても、社会に悪影響があったとか、同性婚カップルが養子縁組をした子どもたちに異性婚カップルのそれよりも問題が生じているという科学的統計は一切ない。

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 岸田文雄首相は2月1日衆院予算委員会で、立憲民主党の西村智奈美代表代行が同性婚の法制化を求めたのに対して、

「極めて慎重に検討すべき課題だ」

「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だからこそ、社会全体の雰囲気にしっかり思いをめぐらせたうえで判断することが大事だ」

と全面否定しました。

岸田首相が性的少数者に「僕だって見るのも嫌だ」などと差別発言をした荒井首相秘書官を更迭。岸田首相自身が同性婚を認めると社会が変わると否定。杉田水脈登用含め岸田政権の統一教会的な価値観が問題の根本だ。

 

 

 このように同性婚を認めると社会が変わってしまうとまで岸田首相が全く根拠なく言ったので、岸田首相の演説原稿を書いているという懐刀の荒井勝喜首相秘書官に、記者たちがオフレコで岸田政権のLGBTなど性的少数者や同性婚のあり方について質問したんですね。

 これに対して荒井秘書官が

「嫌と思う人はたくさんいると思う。僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいてもちょっと嫌だ。」

「社会に与える影響も大きい。マイナスだ。秘書官たちに聞いたらみんな嫌と言う」

「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」

とまで言ったんですよ。

 この荒井秘書官の差別暴言が公表されたため、慌てた岸田首相は荒井秘書官を更迭しました。

末尾の毎日新聞の詳報にあるように、これだけの暴言を吐いておいて、「自分は差別するような人間じゃないから差別から出た発言じゃない」といいまくっている荒井氏。大暴投したあとに「俺はコントロールのいいピッチャーだ」といっているようなもので、この自分の差別感覚に対する自覚のなさが、救いがたい。

LGBTQに対する理解を増進する法案に「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」という表現が入るのは当たり前。性的少数者に「種の保存」に反するなどという人たちの方が「法と道徳に反する」。

 

 

 岸田首相の秘書官たちは、どんなスキャンダルが出ても更迭されない長男の翔太郎秘書も含めてみんな同性婚が嫌だという事ですから、これは総とっかえをしないといけないですね。

 5月にはG7サミットが岸田首相の地元広島で行なわれる予定で、日本は議長国。

 その時に日本がもはやコロナを克服したという姿を見せるために、その前に岸田首相は新型コロナを感染症法5類に格下げし、屋内マスクも着用を求めず個人の判断に委ねるという態勢にしようとしています。

 それほど岸田首相が力を入れているサミットですが、G7の先進国の中で同性婚や同性パートナーシップ制度など、同性カップルに異性婚のカップルと同じ法的保護を与えていない国は日本だけ。

 マスクしてるより同性婚を認めていないこと、まして選択的夫婦別姓さえ認めていない方がよほど国際的にカッコ悪いと思うのですが。

各国で合法化の動き: 日本経済新聞

衆院総選挙公示。党首討論で最下位争いをした岸田文雄自民党総裁と松井一郎維新代表(笑)。岸田氏は選択的夫婦別姓とLGBT法案に1対8で反対して孤立。松井氏はN国の立花氏以下で自滅ww

 

 

 G7サミットには同性愛など性的マイノリティーの各国スタッフもたくさん訪れるわけですから、同性カップルは見るのも嫌だという岸田官邸が出迎えることこそが日本の恥でしょう。

 ロイター通信はこの事件について、日本以外のG7の国には同性婚を認める法律やパートナーシップ制度があると報道し、AP通信は荒井総理秘書官の更迭を伝えるなかで、

「日本には、LGBTQ、女性、外国人などへの偏見が根強く残る」

と指摘しています。

 岸田首相にサミットの議長をやる資格はありません。

「男女平等は反道徳の妄想」「男女差別はない」「女性はいくらでも嘘をつく」「LGBTに生産性はない」と差別意識丸出しの発言を連発してきた杉田水脈議員を政務官にした時点で岸田内閣はアウトなのだ。

 

 

 世界における同性婚の合法化は、2001年オランダ、2003年ベルギー、2005年にスペインとカナダ、2006年南アフリカ、2009スウェーデンと続いていて、2022年現在、世界31の国や地域で同性婚が正式に認められています。

 アジアでも台湾が2019年に同性婚を法制化しており、日本は一人当たりのGDPでも抜かれた台湾にコロナ対策だけでなく性的マイノリティーの権利保障でもはるかに後れを取っています。

 荒井秘書官は同性婚が日本で認められたら国を捨てる人が出てくるとまで言っていますが、そういう人が万一いたら、その人は先進国には住めませんね。

 朝日新聞の世論調査では1997年には同性愛を「理解できない」が65%を占め、「理解できる」の28%を大きく上回っていたのですが、2021年には同性婚を「認めるべきではない」は22%にとどまり、「認めるべきだ」は65%にのぼりました。

 ほかのメディアの世論調査でもほぼ全世代で同性婚を認める人が過半数になっていて、社会から取り残された古い価値観なのは岸田政権だけなのですよ。

 LGBT法連合会などが求めているLGBT差別禁止法がなぜ、誰に対して必要かというと、それは権力者である岸田首相と自民党に対してなんです。

自民党の「神道政治連盟国会議員懇談会」の会合で「同性愛は後天的な精神の障害、または依存症」「性的少数者の性的ライフスタイルが正当化されるべきでない」などLGBTに対する差別文書が配布される!

 

 

🌈イギリスの中学校の校長が全校集会でゲイであることをカミングアウトし、イギリスの公立中学校で史上初めてゲイであることをオープンにしている校長となった!🌈

 

関連記事

🌈同性婚訴訟で東京地裁が同性パートナーと家族になる法制度がない現状について「同性愛の人に対する重大な障害であり個人の尊厳と両性の本質的平等を定めた憲法に違反する状態だ」として違憲状態と判決。

立憲民主党が政権公約第2弾を公表。「多様性を認め合う社会」を構築するため、選択的夫婦別姓や同性婚を認め、LGBT平等法の制定、入管制度見直しなど、自民党政権では絶対に永久に実現しないものばかり!

LGBTQ差別の杉田水脈議員、人種差別のDHC吉田嘉明会長、女性差別の森喜朗元首相、生活困窮者差別のDaiGo氏、女性差別の張本勲氏。差別発言をしたら「致命的な」社会的制裁が行なわれる社会に。

民族・人種・女性・LGBT差別の杉田水脈政務官がやっと、やっと一部発言を撤回するも、岸田首相は「職責を果たすだけの能力を持った人物と判断した」と更迭を拒否!不適材不適所の岸田内閣は総辞職せよ。

差別発言連発の杉田水脈総務省政務官がやっと辞任!=事実上の更迭。「差別していない」「そういう発言を聞いて応援してくださっている支援者の方もたくさんいらっしゃいますので」とネトウヨ配慮の最後っ屁(笑)

 

 

 

荒井秘書官は同性婚を認めたら国を捨てる人が出るなんて言ってますが、そんな人には同性婚を禁止して刑罰を与えるロシアなんておすすめです。

私は逆に、こうして世界各国がどんどん進歩していっているのに、日本は同性婚どころか異性カップルの選択的夫婦別姓制度さえ認めない現状を考えると、そのせいで日本から出ていきたくなりますけどねえ。

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更迭の荒井首相秘書官「同性婚、社会変わる」 発言要旨と詳報

荒井勝喜氏=経済産業省提供

 荒井勝喜首相秘書官が3日夜、オフレコを前提とした記者団の取材で性的少数者に関して述べた主な発言

 ・(同性婚制度の導入について)社会が変わる。社会に与える影響が大きい

 ・マイナスだ。秘書官室もみんな反対する

 ・隣に住んでいるのもちょっと嫌だ

 ・同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる

「完全にプライベートの意見」

 荒井首相秘書官は3日深夜、記者団のオンレコの取材で、性的少数者や同性婚に関する自身の発言を撤回した。主な内容は次の通り。

 ◆先ほど(オフレコの)囲み(取材)で、やや誤解を与えるような表現をしまして、大変申し訳ありませんでした。同性婚のところで、社会の中で賛成意見を持つ方、反対意見を持つ方、いろいろいらっしゃると言ったが、僕個人がそれに対してどういうふうに思うかと言ったところはきちんと撤回をさせていただきます。それは個人の意見であって、今の公職においての意見では全くなく、完全にプライベートの意見でしたが、ただプライベートの意見であってもこういうポストにある人間が、個人的な意見であっても言うのは望ましくないというところは、全くおっしゃる通りだったので、そこについては完全に撤回をさせていただきます。

 岸田政権は、非常に包摂的で格差のない社会を目指すということなので、それは僕も全く同じです。そういう方向に向かって、きちんとしっかり進めたいと思います。基本的には私からの説明は以上です。

 ――具体的に撤回する発言はどれか。<picture>荒井勝喜首相秘書官=国会内で2023年1月31日午前9時、竹内幹撮影</picture>拡大

荒井勝喜首相秘書官=国会内で2023年1月31日午前9時、竹内幹撮影

 ◆私が、個人としてそれに対してどういう感情を持つかという部分です。

 ――例えば「隣に住んで~」か。

 ◆隣に住んでいるとしたら、どういうふうに思うかとか、そういうところは撤回します。

 ――「見るのも嫌だ~」は。

 ◆「見るのも嫌だ」とは、さっき言ったと思わない、そういうふうには言っていないです。そこはちょっとミスリードだと思います。「隣に住んでいる」のも、そんなに差別的な発言は個人的には。どっちかと言うと差別のない人間なので、多分、毎日話を聞いてくれている方はわかると思いますが、そういうふうなことは基本的に思わない人間ですけど。若干ミスリードなことを言ったと思いますので、その部分は撤回します。

 ◆そうです。中身自体も撤回はしますが。秘書官は、個人的な意見と言ったって、どうしても秘書官として話をしていることになるので、それは秘書官として言うのは適切ではなかったと思います。

 ◆そうですね。公私を混同した発言だと思います。

 ――発言の内容自体には、問題はなかったと思うのか。

 ◆発言の内容は、僕は基本的にそんなに差別をしてる人ではないので、どういう人であっても一緒にきちんと共生して過ごしていくという人間なので、そこに対して、特別差別的な意識を持っているわけではないので、プライベートの意見としてでも、もし差別的なことを思っていると捉えられたとしたら、それも撤回します。

 ――ミスリードとは、差別的な発言だと捉えられたというところに対してか。

 ◆そうです。実際そういうトーンで言ったのは、事実だと思うので、それは撤回した方がいいと思います。「いや、実はこうだ」とか言い換えるよりは、撤回した方がいいと思います。

 ――この件で岸田文雄首相と話したか。

 ◆話していません。むしろ皆さんから、いろいろご意見をいただいて「それは良くないですよ」と言われて、それでです。

 ――発言があったことは認めたと思うが、撤回以上の方法はあるか。

 ◆きちんと真意をしっかりと述べていこうと思いますし、岸田政権の「包摂的な」というところに寄り添ってやっていくのが一番大事かと思います。

 ――発言内容を確認するが、(性的少数者が)「隣に住んでいたら嫌だ」と。

 ◆はい。

<picture>視察先の福井県で荒井勝喜秘書官の更迭を表明する岸田文雄首相(右)=福井県坂井市で2023年2月4日午後4時25分(代表撮影)</picture>拡大

視察先の福井県で荒井勝喜秘書官の更迭を表明する岸田文雄首相(右)=福井県坂井市で2023年2月4日午後4時25分(代表撮影)

 ――「見るのも嫌だ」と。

 ◆見るのも嫌だとは言ったと思っていないです、そういうふうには思っていないです。言ったと思っていないですが、やや誤解を与えた発言があったかもしれないですね。「隣に住んでいるとして、同性婚でってなったら、まあそれは嫌な感じを持ちますよね」みたいなことを言ったと思います。

 ――「秘書官全員で話しても、皆そういう考えだと思う」という趣旨の発言もしたのか。

 ◆考えじゃないかなという。同世代だからという、そういう趣旨で言ったんですけど、そこも撤回します。勝手に他の人の意見を言ってしまうのもあれなので。実際、聞いているわけではないので。すいません、撤回します。

「差別的な意識を持っていません」

 ――「同性婚なんて導入したら、当事者よりも多く、国を捨てる人が出てきてしまう」という発言はあったのか。

 ◆賛成、反対いろいろあって、反対の人が多いのではないかという趣旨で。国を捨てるというか、嫌だと、この国は嫌だと思う人がいるのではないかと思うという話はしました。賛成、反対の人がいるということは、そう思いますが、そこで捨てると、もし僕が表現していたとしたら、それは撤回します。

 ――自身でそういう考えを持っているが発言を撤回するのか、そもそもそういう考えすらないということなのか、どちらか。

 ◆はい、後者です。

 ――そういう考えはないが、先ほどそういう発言をしたということか。

 ◆いや、ちょっと違う表現を使ってしまったということです。

 ――自身の考えとは違う表現が、口から出たということか。

 ◆はい。

<picture>記者の質問を聞く岸田文雄首相(左)。右は荒井勝喜首相秘書官=首相官邸で2023年2月3日午後6時15分、竹内幹撮影</picture>拡大

記者の質問を聞く岸田文雄首相(左)。右は荒井勝喜首相秘書官=首相官邸で2023年2月3日午後6時15分、竹内幹撮影

 ――それはどうしてか。

 ◆ちょっと、私の不徳の致すところですね。

 ――「不徳の致すところ」とはどういう意味か。

 ◆不徳の致すところというのは、「申し訳ないです」っていうことですね。

 ――自分の考えと違うことが、自分の口から出てきてしまった。申し訳ないというのはわかるが、理由の説明にはなっていないが。

 ◆やりとりの中で、ちょっと大きく言ってしまったっていうことですね。

 ――改めて考えをお聞かせ願いたい。

 ◆差別的な意識を持っていません、しっかりと、ともに社会の中で、どういう方であっても、社会の中で一緒に生きていきます。実際、包摂的な社会を作っていくということは、政権にとって大事な課題だということです。

 ――社会に与える影響がマイナスだと思う趣旨の発言だったが、国を捨てるという言い方については撤回すると。この社会に与える影響については。

 ◆プラス、マイナスはわからないですよね、正直ね。ただ、反対の方もそれなりにいるというのは事実だとは思います。反対の方が多いのではないかという意味で、マイナスと言いましたが、確かにプラス、マイナスは僕が決めつける話ではないので。いろいろ冷静に見ていかないといけないと思います。

 ――自身は同性婚に反対なのか、賛成なのかどちらか。

 ◆反対も賛成もそれはないです。首相もこの間、(国会で)聞かれて、首相も、今僕がさっき言ったように、公私を区分して、プライベートの意見を言ってはいけないということでしょうし、プライベートの意見もそもそもは、そんな差別意識はないんですよ。公私含めた存在なので、それは賛成でも反対でもなく、ただ社会の中で、国民がどういうふうに理解をしていくのか、どれだけ理解を得られているのかということを見ながら、いろいろと判断していくことだと思いましたね。

政権への影響「首相には申し訳ない」

 ――公職であり、政権に対する影響もあると思うが。

 ◆個人の発言です。<picture>記者団の取材対応を終え、首相官邸を出る岸田文雄首相(左)と荒井勝喜首相秘書官(右)=東京都千代田区で2023年2月3日午後6時16分、竹内幹撮影</picture>拡大

記者団の取材対応を終え、首相官邸を出る岸田文雄首相(左)と荒井勝喜首相秘書官(右)=東京都千代田区で2023年2月3日午後6時16分、竹内幹撮影

 ――政権の責任も問われると思うが。

 ◆私自身はもう慎重に、あらゆる発言を気をつけてやっていきます。

 ――政権への影響は。

 ◆政権への影響は、ちょっと首相には申し訳ないです。本当に。もちろん僕個人の意見として言って、個人で迷惑を掛けているので、首相自身が、そういうことを言っているわけでも、考えているわけでもないので。

 ――同性婚などが理解が得られないということで、いろいろな思いを抱えてる方々に対する思いはないか。

 ◆もちろんその方々の、わかりますよ立場は非常に。だって本人は全く悪いことはないわけですからね。世の中の見方、賛成、反対、いろいろあるが、本人たちは何の罪もなくて、僕個人としてもシンパシーはあります。やはり尊重されないといけないというところはあると思います。

 ――負の感情の助長などの結果についてはどう思うか。

 ◆それは申し訳ないと思います。真意をもう一回、撤回も含めてきちんと伝えることで、そういう負の連鎖が起こらないようにしていくということだと思います。

 ――「隣にいるのも嫌」という発言が本意ではなかったにせよ、(性的少数者らを)傷つける結果になりかねない。メッセージはあるか。

 ◆それは申し訳ないと思いますので、おわびをして、後はきちんとそういう人たちが浮かばれるように努力をしていくということで報いるということだと思います。

 ――国会の審議に影響があると思うが、発言に対して説明が求められた場合は、場を設けて説明する考えか荒井勝喜首相秘書官=国会内で2023年1月31日、竹内幹撮影

荒井勝喜首相秘書官=国会内で2023年1月31日、竹内幹撮影

 ◆どういう形でするかということだと思いますけど、どこが説明するのか分からないですが、(内閣)総務官室なのか仕組みが分からないですが。

 ――求められれば説明をするか。

 ◆官房副長官なのか官房長官なのかわからないですが、首相が国会で聞かれるのかわからないですが、説明する機会はあるかもしれないですね。

 ――自身が求められた場合は、説明する考えはあるか。

 ◆首相秘書官は、そういう形にならないのだと思います。秘書官は独立した存在ではないんですよね。

 

 

荒井勝喜秘書官の更迭を発表する岸田文雄首相=4日午後、福井県坂井市(代表撮影)

  • 荒井勝喜首相秘書官の差別的発言に関して、記者団の質問に答える岸田文雄首相=4日午前、首相公邸
  • 衆院厚生労働委員会で答弁資料を見る岸田文雄首相(右)と後藤茂之厚労相(左)。中央奥は荒井勝喜首相秘書官=2022年4月15日、国会内

荒井首相秘書官を更迭 LGBT差別発言、後任に伊藤氏

 首相は同日午後、視察先の福井県坂井市で記者団に、荒井氏を交代させたと説明。「性的指向や性自認を理由とする不当な差別、偏見はあってはならない。任命責任を感じている」と厳しい表情で語った。判断の遅れを批判された昨年の「閣僚ドミノ辞任」とは対照的な対応で、問題の重大性を認識したためとみられる。
 荒井氏は3日夜、オフレコの取材で性的少数者などについて「見るのも、隣に住んでいるのも嫌だ。同性婚を導入したら国を捨てる人も出てくる」などと発言。ほかの首相秘書官も同様の認識を示したと語った。
 端緒は1日の衆院予算委員会の質疑にあった。「LGBT法制がないのはG7(先進7カ国)議長国の日本だけだ」と指摘した立憲民主党の西村智奈美代表代行は、同性婚の法制化を求めた。首相は「極めて慎重に検討すべき課題」とした上で、「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だからこそ、社会全体の雰囲気、全体のありようにしっかり思いを巡らせた上で判断することが大事だ」と答弁した。
 3日夜のオフレコ取材は、答弁の真意をただそうとしたものだった。
 党内基盤の弱い首相は一昨年の自民党総裁選の時から最大派閥安倍派に配慮してきた。同派は「保守派」が多いことで知られる。昨年8月の人事で、女性や少数派への差別的な言動が目立った同派の杉田水脈氏を総務政務官に起用。批判の高まりを受け同12月に更迭した。
 先月の施政方針演説では「多様性が尊重される社会」「包摂的な経済社会」を掲げたものの、LGBTや同性婚といった問題への言及は一切なかった。
 ◇野党は一斉反発
 西村氏は4日、取材に「明白な差別発言。任命責任と首相自身の責任、官邸の人権感覚を厳しく問う」と批判。同性愛者であることを公表している立民の石川大我参院議員はツイッターで「我慢の限界だ。最大の抗議の準備をしよう」と呼び掛けた。共産党の小池晃書記局長は取材に「首相の性的少数者に対する考え方が問われる」と問題視した。

 

 

欧米メディア「日本には偏見が根強く」秘書官更迭報じる

2/5(日) 0:41配信

日テレNEWS
荒井総理秘書官が性的マイノリティーへの差別発言で更迭された問題は、欧米メディアでも報じられています。

ロイター通信は、荒井総理秘書官の発言や更迭について伝えた記事のなかで、「5月にG7の指導者を迎える準備をしている岸田氏を困惑させる出来事だ」と報じました。

そのうえで、日本以外のG7の国には同性婚を認める法律やパートナーシップ制度があるとしています。また、AP通信は、荒井総理秘書官の更迭を伝えるなかで、「日本には、LGBTQ、女性、外国人などへの偏見が根強く残る」と指摘。

同性婚は認められていないが、認めようとする動きは広がりつつあるなどと、マイノリティーの権利擁護に関する状況などにも触れています。

 

 

同性愛公表の石川大我参院議員「孤立した人さらに追い込み許されず」荒井秘書官発言でコメント

[2023年2月4日17時24分] 日刊スポーツ

記者団の取材に臨む岸田首相。左は荒井勝喜秘書官(2022年11月・共同)記者団の取材に臨む岸田首相。右は荒井勝喜秘書官(共同)記者団の取材に臨む岸田首相。左は荒井勝喜秘書官=2022年11月(共同)荒井勝喜秘書官のLGBTなど性的少数者への差別発言を受け、記者団の取材に応じる岸田首相(共同)荒井勝喜秘書官のLGBTなど性的少数者への差別発言を受け、記者団の取材に応じる岸田首相(共同)

岸田文雄首相の荒井勝喜秘書官が3日夜、LGBTなど性的少数者や同性婚のあり方について発言した際に「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」と、報道陣の取材に述べたたことを受け、同性愛者であることを公表している立憲民主党の石川大我参院議員は4日、コメントを発表した。コメントは以下の通り。

    ◆    ◆    ◆

荒井秘書官は総理のスピーチなどの原稿を担当しているという。「社会が変わってしまう」という予算委員会での岸田総理の裏にはこうした考えがあったということが国民の前に明らかになった。全国にはLGBTの当事者であることすら周囲に言えず苦しむ当事者が多くいる。こうした孤立した人たちをさらに追い込むことになり許されない発言だ。「岸田内閣は多様性を認め包摂的な社会を目指す」とするのであれば、同性婚について法制審に諮問するなど具体的な行動で示すべきだ。

総理も同性婚制度を導入すべきとの質問に「社会が変わってしまう」というのであれば、どう変わるのか、説明する責任がある。

5月にG7を控えている。G7で同性同士のパートナーに法的保障を与えていないのは日本だけだ。欧米各国は同性婚を人権の問題として捉えている。こうした発言が政権中枢から聞こえてくる中、果たして議長が務まるのか。

杉田水脈氏を政務官に任命し、「同性愛は種の保存に背く」と発言したとされる簗和夫副大臣を続投させるなど、岸田政権はLGBT嫌悪が抜けきれていない。荒井氏は「秘書官室もみんな反対」と話しており、他の秘書官が荒井氏のような差別的考えを持っているのであれば秘書官の総取替えが必要ではないか。

「同性婚について社会的にマイナス」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」「見るのも嫌」など、同性婚に6割以上の人が賛成している日本で、同性愛嫌悪をここまで明らかにする人は珍しい。LGBTに否定的な自民党政権を忖度(そんたく)してそのような発言をしたのか、自身の考えなのか、説明すべきだ。

「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」というが本当にそうか?日本で同性婚が認められないので、仕方なく外国人パートナーのいる外国に行く人は何人も知っているが、異性愛者が自分とは関係ない同性婚制度があるから国を捨てるなど、同性婚を導入した国で聞いたことがない。荒唐無稽な言いぶりで差別を煽るやり方で悪質だ。

 

 

 

LGBT法連合会

2023月2月4日

岸田首相秘書官の差別発言報道に関する声明

一般社団法人 性的指向および性自認等により
困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会(略称:LGBT法連合会)
代表理事・理事一同
(団体 URL:https://lgbtetc.jp/)

 

2023年2月3日、荒井勝喜首相秘書官は、性的マイノリティや同性婚に関連して「僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」と発言し、同性カップルの権利保障をめぐって「社会に与える影響が大きい。マイナスだ。秘書官室もみんな反対する」と発言したと報じられた。そして当該秘書官の更迭に関して報じられている。しかし、当該秘書以外の首相の「秘書官室全員」がそのような認識であるとすれば、極めて深刻な状況であり、G7議長国として国際的に日本の立場が問われる発言であると指摘せざるを得ない。当該秘書官が発言を撤回した今後も、秘書官室の全メンバーはもとより、首相の見解が問われて然るべきである。

嫌悪感を持つ人の多寡によって人権保障が揺らぐべきではないことは言うまでもないが、その上で、科研費に基づく無作為抽出の「性的マイノリティについての意識:2019(第2回)全国調査」報告会資料によれば、近所の人が「同性愛者」であった場合に「嫌だ」「どちらかといえば嫌だ」との回答は27.6%、「性別を変えた人」であった場合に「嫌だ」「どちらかといえば嫌だ」との回答は24.4%、いずれについても回答者の約7割以上が「嫌ではない」「どちらかと言えば嫌ではない」と答えており、2015年第1回調査と比べ、社会的な嫌悪感は急速に改善しつつある。秘書官の発言は、社会の多くの人が適切と考える認識とも大きく乖離するものであることを、改めて指摘する。また、こうした時代錯誤の認識こそが性的マイノリティの自死未遂率の高さや「異次元の少子化対策」や仕事と育児の両立等の諸課題に対して十分に対応できないことの原因であると指摘する。

今年は日本がG7サミットの議長国となる年であり、各国から性的マイノリティ当事者である要人や、関係スタッフも多く来日する。当事者を「見るのも嫌だ」との認識を首相の秘書官、秘書官室全員が持っているとすれば、G7各国からどのように見られるかは明白である。仮にそのように各国のサミット参加者を眼差しているとすれば、G7から放逐されても文句の言えない大きな国際問題であり、首相はもとより、他の秘書官室メンバーの認識を、改めて確認する必要があるのではないだろうか。

今回の発言のような認識を日本の政策意思決定層が持ってしまうのは、ひとえに社会における法規範の遅れに大きく起因していると考えることから、当会は改めて性的指向・性自認(SOGI)による差別禁止法の必要性を確信する。G7サミットに向けて、岸田首相は、2022エルマウ・サミットの首脳コミュニケで国際的に確約したことを実現するため、差別禁止法をこの国会で制定すべきである。

 

 

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3 コメント

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このタイミングか・・・ (Unknown)
2023-02-05 16:56:22
オフレコ破りをするのは自由ですが、それを「今」やってしまうと、一番肝心な「選挙直前」にオフレコで質問に答えてくれる自民党政治家は皆無になってしまう。

どうせバラすのなら、もっと政権にダメージを与えられる時期にやらないと意味がなく、これじゃ自民党からすれば選挙前に口をつぐむ対策を講じれば良いだけになるので、このオフレコ破りは逆に自民党を利する形になったんじゃないかな?

※ 春に地方統一選が控えているのは知っています
統一だから当然 (ゴメンテイター)
2023-02-06 00:45:34
起こるべくして起きた更迭騒動。
何しろ維自悪統一教会政権ですから。

統一教会との決別ではなく、統一教会の撲滅が必要なんです。

反社をのさばらせてはいけません。
Unknown (怒りの日)
2023-02-06 11:36:33
こんにちは。
自民党とか経済産業省といったところから(荒井君は自民党というよりは経済産業省の役人でしょう)、LGBTQに対する強い差別発言が次々出てくるのは、彼らの頭の中身が「富国強兵」で凝り固まっているからです。
昔、大蔵省から自民党に転じた柳澤伯夫という者が「産む機械」発言で炎上しましたが、まあその発言の根源には、国民を資源か道具としか見ていない、自民党大蔵省通産省の、19世紀薩長閥政治で時が止まっている意識レベルがあります。
あるいは「少数と見れば、弱者と見れば、思わずいじめてしまう」といった精神性も、3組織に共通しているかもしれません。
なんにせよ、自民党、経産省、財務省の人間は明治時代からタイムスリップしてきていると考えれば間違いないと思いますねw

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