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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

【トンガ噴火と津波来襲】玄海原発、伊方原発、川内原発は阿蘇山から半径160キロ以内。火山国・地震国の日本で原発を建設して稼働するのは絶対に許されない。

2022年01月16日 | 原発ゼロ社会を目指して

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 2022年1月15日にトンガで大噴火があったけれども、日本に津波が来る心配はないと気象庁が言っていたのに、気が付いたらもう奄美大島に津波が押し寄せていて、次は岩手県にも津波警報が出ている。。。。

 いまだに、トンガの噴火と日本の津波の因果関係はよくわからないようなのですが、とにかく日本中で肝を冷やした方が多かったのではないでしょうか。

 少なくとも、地球や自然の営みについては人知の及ばないところがあるのを誰もが感じた一日だったと思います。

 

 

 そして、多くの人が思い浮かべたのが、阿蘇山の噴火による原発事故の危険性があるということで、四国の伊方原発が裁判所で2回稼働停止を命じられていたことでした。

 伊方原発を巡っては、広島高裁が2017年12月と2020年1月、差し止めを命じる仮処分決定を出しています。

 

 この過去2回の差し止め決定は、原発から約130キロ離れた阿蘇カルデラ(阿蘇山)の噴火や、原発の北側にある中央構造線による地震のリスクを過小評価した、などと広島高裁から指摘されています。

 特に2020年1月17日の広島高裁の決定では、森一岳裁判長は

「四電の活断層の調査は不十分」

と判断し、約130キロ離れた阿蘇カルデラ(阿蘇山、熊本県)について

「破局的噴火に至らない程度の噴火も考慮すべきだが、想定が過小」

として、安全性に問題がないとした原子力規制委員会の判断は不合理だと指摘したのです。

 

 この稼働差し止めの仮処分申請では地震と阿蘇山の噴火の二つが大きな問題になり、そのうち地震については、伊方原発の近くにある活断層で地震が起きた場合の影響が焦点となりました。

 四国電力は、四国から近畿にかけてのびる「中央構造線断層帯」は伊方原発から8キロ離れているとしたうえで、地震が起きたとしても対策をしているため重大な影響はないことを確認していると主張しました。

 しかし、広島高裁は、伊方原発の敷地のごく近くにある地層の境目が活断層である可能性が否定できないと判断しました。

 そして、この地層の境目から伊方原発の敷地までの距離は2キロ以内で、国の新しい規制基準で厳しく評価するよう定められている

「震源が敷地に極めて近い」

ケースにあたるにもかかわらず、四国電力は十分な調査をせず原子力規制委員会も問題ないと判断した過程には誤りや欠落があったと指摘しました。

 



 また、広島高裁は、火山の噴火について、原発の再稼働をめぐる審査で使われている国の新しい規制基準そのものに疑問を投げかけました。

 もともと国の新しい規制基準では、火山の噴火に対する安全性について原発の立地が火砕流が到達しないような適切な場所かどうかと、噴石や火山灰などが原発の運転に影響するかどうかという大きく2つの観点から評価することになっています。

 このうち、原発の立地についての判断では、160キロ圏内にある火山が噴火した場合の影響を評価することになっています。

 これについて、広島高裁は、規制基準は対象となる火山が噴火する時期や規模を事前に予測して備えられることが前提となっていると解釈できるとしたうえで、複数の火山の専門家の見解をもとに

「現在の科学技術の水準では噴火の時期や規模を的確に予想することは困難で、規制基準は不合理だ」

と指摘しました。



  ご存じのように、阿蘇山周辺には伊方原発以外に鹿児島県の川内原発、佐賀県の玄海原発があり、阿蘇山の噴火によってこれらが大事故を起こす危険があるのは伊方同様です。

 そもそも、東日本大震災による地震と津波で大事故を起こした福島原発を見てもわかるように、これだけ地震が多く、また活火山も多くて狭い日本列島で、原発を作るというのが無茶なのです。

関連記事

祝 伊方原発運転差し止め仮処分決定!伊方も玄海も川内も廃炉しかない!!またも高等裁判所が原発の危険性を認めた意義は限りなく大きい。

鹿児島川内原発の避難計画に入れられている新幹線も高速道路も、すべて熊本地震で止まった。

熊本大地震でも鹿児島の川内原発を止めない安倍内閣と、東日本大震災で静岡の浜岡原発を止めた菅内閣。

阪神淡路大震災から21年。こんな地震国でまだ原発を作って稼働しますか。

 

奄美大島なんてもう3メートルの津波がいきなり到達しているのに、いきなり夜中に

「逃げて」

って速報ニュースを流されても無理ですよ。

火山とか津波とか、人間にはどうしようもないもの。

でも、その影響で致命的な被害を出す原発は、人間の手で廃棄することができるのです。

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トンガ噴火に伴う衝撃波で津波発生か、「日本付近で波が集積」…今村文彦教授が分析

 15日夜から16日にかけて、鹿児島県や岩手県など太平洋側の広域で記録された津波は、南太平洋の島国・トンガの海底火山で発生した大規模噴火に伴う衝撃波で発生した可能性があることが、東北大の今村文彦教授(津波工学)の分析でわかった。今村教授は「衝撃波によってできた波が集まり、日本付近では大きな津波になったのではないか」と話している。今村文彦教授

今村文彦教授

 今村教授によると、地震などで海底の地形が変化して発生する通常の津波では、海面は、10分から1時間程度のゆっくりとした周期で上下に変動する。特に、遠方から襲来する津波は周期が長くなる傾向がある。

 ところが、日本国内で今回観測された津波の周期は数分程度と小刻みに上下動するタイプだった。このため、火山噴火に伴う海底の変動や、噴出物が海面に落下した衝撃で発生したものとは考えにくいという。

 気象庁によると、15日午後8時~9時過ぎにかけて、日本各地で2ヘクト・パスカル程度の気圧変化が一斉に起きていた。

 今村教授が、これらの潮位や気圧の変化を分析した結果、津波は気圧上昇の後に確認されていた。今村教授は「気圧の変化をもたらした衝撃波は、海面に短い周期の波を作りながら長い距離を移動してきた。日本付近ではこの波が集積するなどして、大きな津波となったと考えられる」としている。

 

「活断層調査は不十分」「阿蘇山噴火も考慮を」伊方原発差し止め、逆転決定 広島高裁

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを山口県東部の住民が求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁は17日、申し立てを却下した2019年3月の山口地裁岩国支部の決定を取り消し、運転差し止めを命じる決定を出した。森一岳裁判長は「四電の活断層の調査は不十分」と判断。約130キロ離れた阿蘇カルデラ(阿蘇山、熊本県)について「破局的噴火に至らない程度の噴火も考慮すべきだが、想定が過小」とし、安全性に問題がないとした原子力規制委員会の判断は不合理だと指摘した。

<picture>伊方原発3号機の運転差し止めを命じる広島高裁の決定に喜ぶ、原告住民の関係者ら=広島市中区で2020年1月17日午後2時1分、李英浩撮影</picture>拡大

伊方原発3号機の運転差し止めを命じる広島高裁の決定に喜ぶ、原告住民の関係者ら=広島市中区で2020年1月17日午後2時1分、李英浩撮影

 伊方3号機を巡る運転差し止めの司法判断は、17年12月の広島高裁決定(異議審で18年9月に取り消し)に続き2例目。差し止め期間は岩国支部で係争中の差し止め訴訟の判決が言い渡されるまでとした。

四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町で2020年1月13日、本社ヘリから大西達也撮影

 伊方3号機は11年3月の東京電力福島第1原発事故を受けて停止したが、原子力規制委による新規制基準の安全審査に合格。16年8月に再稼働し、19年12月から定期検査に入っている。仮処分はすぐに効力が発生するため、四電は決定の取り消しを求める保全異議と仮処分の執行停止の申し立てを同高裁にする方針だが、結論が出るまでに時間がかかり、4月に予定している営業運転の再開はできない見通しだ。

 仮処分を申し立てたのは、原子力災害対策指針などで避難計画の策定が義務付けられていない原発から30~40キロ圏にある島しょ部の住民3人。岩国支部が19年3月、「原発の運用期間中に阿蘇カルデラの巨大噴火が起きる可能性は小さい。耐震設計の目安になる地震の揺れに関する評価も不合理な点はない」と却下したため、即時抗告した。

 抗告審でも地震や噴火に対する安全性が争点となった。決定で森裁判長は、四電が十分な調査をせずに、活断層が敷地沿岸部に存在しないと判断し、必要な地震の揺れの評価もしていなかったと指摘。四電が申請した安全審査を原子力規制委が合格と判断した点について「過程に過誤ないし欠落があったといわざるを得ない」と断じた。また、破局的噴火でなくても、四電が想定する噴出量の3~5倍が見込まれ、この過小な想定を前提にした原子炉設置変更許可申請を問題ないと判断した規制委の判断は不合理だと結論付けた。

 伊方3号機を巡る仮処分は福岡高裁でも争われている。原発の運転差し止めの司法判断は福島第1原発事故以降5例目だが、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた14年5月の福井地裁判決など、運転差し止めを認めた他の4例は上級審などで判断が覆っている。【手呂内朱梨、賀有勇】

 地震と火山、両方の観点から原発の危険性を認めたまっとうな判断で、行政から独立した司法の役割を果たしてくれた。山口県民の生命と暮らしを守れるよう、運転禁止の判断が確定するまで闘い続ける。

四国電力の話

 これまで最新の科学的知見も踏まえながら、地震や火山に対する安全性を丁寧に立証してきた。今回の決定は極めて遺憾であり、到底承服できない。早期に仮処分命令を取り消してもらえるよう、決定文の詳細を確認の上、速やかに不服申し立ての手続きを行う。

 

 

伊方原発3号機の運転差し止め認めず 広島地裁仮処分決定

伊方原発3号機の運転差し止めを認めない決定が出され、垂れ幕を掲げる原告団=広島市中区で2021年11月4日午後2時3分、猪飼健史撮影

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを広島、愛媛両県の住民7人が求めた仮処分申し立てで、広島地裁は4日、差し止めを認めない決定を出した。住民側が主張した耐震設計を上回る地震の発生について、吉岡茂之裁判長は「具体的危険性があるとはいえない」と述べた。住民側は広島高裁に即時抗告する方針。

 伊方原発を巡っては、広島高裁が2017年12月と20年1月、差し止めを命じる仮処分決定を出したが、いずれも高裁の異議審で取り消された。

伊方原発運転差し止め巡る司法判断

 今回の申し立ては、耐震設計の目安となる「基準地震動」が妥当かが争点。基準地震動は原発に到来する恐れのある最大の地震の揺れで、四電は650ガル(ガルは加速度の単位)と設定し、原子力規制委員会も了承した。

 住民側は、16年の熊本地震で1740ガルの地震動が記録されるなど、650ガルを超える揺れが各地で観測されており、伊方原発の耐震設計は「あまりに脆弱(ぜいじゃく)だ」と主張。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)など複数の原発で基準地震動を超える揺れが観測されており、予測が困難な地震について原発ごとに基準地震動を設定する仕組み自体が不合理だと訴えていた。

<picture>伊方原発と阿蘇山、中央構造線の位置</picture>拡大

伊方原発と阿蘇山、中央構造線の位置

 これに対し、地裁決定は地震の揺れは震源や地盤によって異なり、各地の観測データや他の原発の事例だけでは、伊方原発に危険があるとはいえないと指摘。運転を差し止めるには、基準地震動を超える地震が発生する具体的危険性を住民が証明する必要があると強調し、訴えを退けた。

 過去2回の差し止め決定は、原発から約130キロ離れた阿蘇カルデラ(阿蘇山)の噴火や、原発の北側にある中央構造線による地震のリスクを過小評価した、などと指摘していた。

 3号機は定期検査に入った19年12月から運転停止中。当初は21年10月に再稼働の予定だったが、同年7月に宿直中の社員が無断外出する保安規定違反が発覚し、延期されている。【中島昭浩、松本紫帆】

伊方原発3号機

 四国から九州へ延びる佐田岬半島(愛媛県伊方町)の付け根にあり、瀬戸内海に面して立地する。1994年に運転開始。加圧水型軽水炉で出力89万キロワット。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を行う。1号機は16年、2号機は18年に廃炉が決まり、四国電力で唯一の原発となった。

 

 

 

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3 コメント

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Unknown (真実のブログ応援したい)
2022-01-16 18:19:20
何やら物騒な事が多い日本他、フィリピンや台湾、香港、アフリカや中東。。。



世の中おかしいと思い、熱くコメントする人達頑張ってください。ネットはGoogleで最悪ですが、その中で我々が大騒ぎすれば世の中確実に変わります。そう、こんなご時世ですがネットも良心のある人達を探せば役立つものに変わります。政府が怖くて一市民を攻撃する現代、一人を攻撃するためにその組織で自民党に投票している人が多くても会社を攻撃する権力や大企業の皆さん。本当にそれでいいのですか?自分さえ良ければいいのですか?私も色々批判しますが、ネット批判してネットで投稿しています。外資のネットしかないのだからしょうがない。それも拡散力のあるものだから使っていますし、遺伝子組み換えやゲノムが世界では非常識と言いながら、低収入には困り果て、爆買いしています。それは世の中が良くなり、日本人で経済を回せればまた、日本の品質はすごいとなるわけです。日本の農業、素晴らしい工業取り戻して日本の品質はすごいとなれば日本はまた潤います。私もわからないのです。遺伝子組み換えのペットフードでペットは長生きしているようにも思えます。でも、自然界に無いものが良いとは思えません。有機栽培素敵です。何故日本が衰退したのか?それは人件費を安く使いたい資本家の企みではないですか?企業は資本家ほど怖いものはありません。わかりますよね?日本の素晴らしさは安全な食と安全な品質でした。それを壊したのは日本政府です。売国許してはなりません。

大資本かの横暴とひれ伏す権力や大企業のみなさん、日本国のために戦いませんか?
Unknown (茶碗)
2022-01-17 11:38:16
自分はごく若い頃から、「甘ちゃん的」、今で言う「お花畑的」にではありましたが、マルクス・共産主義に憧憬を持っていました。(決してスターリンや今の中国共産党のような独裁弾圧政治にではありません!)。
1080年代、中国の人たちでも、創意工夫して一生懸命働いている人と、ぼやっと手抜きしながら働いている人と収入が同じなのはおかしいという気持ちでいたと思います。そのために勤勉な労働者のやる気をそいで経済的な「発展」がおくれているとも言われていました。(確かに、お鍋を買いに行ったとき、本体とフタと、ぴったり合う組み合わせを探すのが大変だったとか(笑)。のどかで楽しい思い出ですが。

今の日本では、「できる」人たちが、自分たちが人並み以上の努力をして稼いで納めた税金を「(彼らから見れば)努力していない」人たちに分配するのは許せないとか、恵まれた環境にいる優秀な者の足を引っ張るなとかいう風潮が維新の会などを増長させています。
公平公正で誰もがそこそこ幸せに生きられる社会を、格差の上にいる人目線で見るか、下に置かれてしまった人目線で見るか。どっちがより損をしなければならないかということにもなると思いますが、自分はどう批判されようとも、やはり困っている人を助けたい目線を持ち続けたいです。そういう目を持たないと、邪悪な権力の思うがままにされてしまう。というわけで、これからも、大資本に騙されて彼らの野望の駒にされてボロボロにされないように、たたかわないといけないと思います。
SDGs? (ゴメンテイター)
2022-01-17 17:27:07
今はやりのSDGs。
本当の意味は「持続可能な開発目標」とかで、17の目標があるのですが、今の日本を見ていると
SDGs は
それが
どうした
がまん
しろ

にしか見えません。

先月あった、生活保護基準の引き下げを違法だと訴えた裁判の判決では、「デフレだから」という理由で引き下げを合法だとされてしまいました。
じゃあ、昨今の値上げラッシュには、どう生きろというのでしょうか。
17の目標の1つ目は、「貧困をなくそう」。
いきなりアウト。2つ目は・・・。
読み進むともう、恥ずかしくなってきますよ。

「SDGs、しっかりやってます。」と胸を張って言い切るのは、吉村洋文や松井一郎ぐらいでしょう。何しろ彼らは大嘘つきのプロフェッショナルですから。

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