Final前に聴きどころチェック


いよいよ、ショパコンのFinalを迎えることになりました。ピアノコンツェルト№1を弾く人が多いと思います。№2で優勝する人は少ないからでしょう。でも、今回№2で優勝したダンタイソンが審査員にいらっしゃいます。どうなるかな?では、№1の解説を少し書き留めますね。

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ピアノの詩人ショパン初期の最高傑作で、ピアニストにとって最高峰と謳(うた)われる難曲。1830年(ショパン20歳)、音楽家としての飛躍の為、ウィーンへ飛び立つショパンが故郷ワルシャワで開いた特別演奏会で自ら弾いた協奏曲。

第1楽章はピアノが登場するまでオケの壮大序奏を聴くと、故郷を発とうとするショパンがこの曲に込めた気合いを感じられます。少し旋律が進むと、ピアニスティックなパッセージで情感豊かなメロディーになります。この1楽章はオケの音量に負けないピアノが必要です。そして、ピアノがオケをグイグイ引っ張っていく感じがあれば良いかな?と思います。

第2楽章は愛する人を思って書いた曲で、ここではオケがピアノに寄りそうように演奏されます。最後のピアノソロが「魂の30秒」と言われていて、ここで差が付くかも?また、この2楽章ではショパン特有のアゴーギグ(テンポの揺れ=ショパンの心の揺れ。これは演奏者によって捉え方が様々。それ)をオケが合わせるのが難しいと思いますが、ピアノコンツェルトは事前に指揮者との打ち合わせとオケとの合わせをリハーサル室でするので、その時にピアニストが「〇小節目でテンポを揺らして粘って、その後タメて欲しい(または、アッチェレランドして欲しい)のでお願いします。」と数カ所、要望を言います。ショパコンはゲネプロ(舞台で本番さながらのオケとの合わせ)がどれだけあるのか不明です。私が赤松先生のショパンピアノ協奏曲を聴きに行ったとき、演奏後、赤松先生と少し話した時、「時間が押していて、ゲネプロが5分しかなく、すぐ本番だった~(泣)」と仰っていましたが、見事な演奏でした。

第3楽章はとても好まれる軽快なメロディーです。躍動感あり、素敵ですね。ショパンは祖国と病魔で苦しい状況に置かれても希望は必ず持ち続けていたんでしょうね。

最後に上手い人は美しいところは勿論、ショパンの陰影のある部分がどれだけ表現できるか、そして間の取り方も工夫して持ってくると思います。

「のだめ」の千秋先輩は「(練習で)気が遠くなるほどの孤独な闘いがあろうとも、(舞台で演奏が成功した時)こんな喜びがあるから、何度も挑戦しようって思えるんだ!」って言っていますね。
皆さんも「きらめき」で最高の演奏で、この上ない喜びを経験しましょう。

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