ポポロ通信舎

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続『同志少女よ・・』を読む

2022年05月07日 | 研究・書籍
昨日の朝日の『天声人語』さんも今年の本屋大賞話題作『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬著 早川書房)』を読まれたようです。

たしかに作中に主人公セラフィマたちがあこがれる伝説の女性狙撃手「リュドミラ・ミハイロヴナ・パヴリチェンコ(1916-1974)が登場していました。309人の狙撃実績を有すソ連兵士。ただ出身はウクライナ人だった。

「ソ連の英雄に祭り上げられた彼女の故国(ウクライナ)はいま、ロシア軍に蹂躙されている。連日届く映像には女性兵士の姿も多い。捕虜交換で解放されたウクライナ兵の中には妊娠5カ月の女性もいたという。傷つき命を落とす者も多いだろう。小説の輪郭と重なり何ともやりきれない気分になる」と天声人語さん。

お墓のリュドミラさんはいまのロシアのウクライナへの侵攻をどんなお気持ちでご覧でしょうかね。きっと深く悲しまれていることでしょう。
本書で「兵科」という言葉を知りました。兵を職能別に分けた区分で歩兵、騎兵、砲兵、工兵など。歩兵と狙撃兵の任務分担は異なりそこに微妙な差異も生じる。

リュドミラ以外にもフィンランドにも名狙撃手、シモ・ヘイヘ(1905-2002)がいた。こちらは男性、史上最多の542人射殺。対ソ戦では「白い死神」と呼ばれ恐れられ、弱小フィンランド軍の意地を示していた。地上戦、市街戦ではスナイパーの役割は大きい。

前回のブログでは読後の高揚感もあり、この小説はすぐにでも漫画化、映画化されるのではないかと思いましたが早計でした。現下のウクライナ情勢が終息し平和が訪れないと映像化は望まれないようにも感じてきました。「ソビエト・ロシア」への人々(ポポロ)の評価が改めて冷静に定まるまでは。


 

【戦場の乙女】リュドミラ・パヴリチェンコ ソ連の女性スナイパーを解説
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