ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

「千の風になる」の自然体で

2021年12月31日 | 研究・書籍
『私は千の風になる』(菅野国春著 展望社)を読みました。

がん放置!!自然死を選択した心の軌跡。86歳終末の幸福論。

見つかって七か月たったガンは進行した。ステージ4。だがこの本を書き上げることができた。(本書発行は、本年2021年10月20日初版)限られたいのちを生きる日々、しあわせに生きたいと願っている。死に支度らしいことはしていない。あと1年ぐらいは生きられそうな気がする。死んだら風になろう・・。

やがて消えゆく者にとって、日々の小さな営みがいかに大切か。人生をやり直すつもりも生き直すつもりもない。人生の終着駅は始発駅ではないのだ・・。

諦観した著者の思いの一つひとつに深くうなずくばかりです。

著者は手術を否定してはいません。ただ長年、雑誌記者、ルポライターとして多くのガン患者さんたちを取材し調査をした経験から、早期発見早期治療の「手術万能」の常識に日ごろから疑問を感じられていたようです。
「ガンとは闘うな」といった近藤誠医師の理論に対して、「勇気をもってガンと向き合え、闘え」と主張する医師や学者たちの言葉に注目もしたが、それらはがん治療の側面と現状を単に述べているのに過ぎないと分かりどうしても期待が持てなかったからだ。

「死亡適齢期」という言葉が出てきました。最近では「結婚適齢期」という言葉もすっかり聞かなくなりました。適齢期の幅が、ことさら大きく変化したからでしょう。ただ死亡に関してはいずれ誰もが亡くなるとは自明のことであり、ある時期が死の適齢と心することで生への自覚も促すのではないでしょうか。

迫りくる死を前にしての著者の言葉は迫力を感じました。良書です。

今年も幸いなことにいくつもの良書に巡り合いました。
『私は千の風になる』のほか『コロナ禍の9割は情報公害』(長尾和宏 山と渓谷社)、『時は来れり』(太田高校応援団OB 浅沼義則 三省堂書店創英社)など傑作多数。

当ブログ、ポポロ通信舎に今年ご来場者の方々の数を調べてみました。昨年より30%減ですが、それでも1日平均3桁を下回る日はございませんでした。
ご訪問ご閲覧に感謝いたします。






今年最後は、木村カエラの歌声で『タイムマシンにおねがい』♪


 

タイムマシンにおねがい 

 
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