麻酔のお話 | おかやま股関節Cafe

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既存の全国支部を展開する
某患者会のスタッフをしていましたが
患者会として発信してきた情報内容に
少々疑問を感じ数年前に退会。
基本的なことを中心に、
患者さんが本当に知りたいことを
出来るだけ分かりやすい言葉で
変形性股関節症と闘う方へ発信しています。

手術は麻酔をかけて行います。

麻酔は大きく分けて、全身麻酔局所麻酔 の2種類あります。


全身麻酔というのは、

麻酔薬によって中枢神経を抑制します。

手術室に入ると、まず心電図や血圧などのモニター機器が

胸や腕に取り付けられます。

その後、マスク型の人工呼吸器を鼻と口を覆うように宛がわれ

2~3度呼吸をしたら意識は無くなります。

この状態でしばらく様子を見て

患者さんの酸素状態が安定したことを確認した後、

麻酔科医は気管内挿管(きかんないそうかん)を行います。


気管内挿管というのは、

口からのど、気管から肺に向けて

酸素を送る管(気管内挿管チューブ)を挿入することをいいます。

喉頭鏡というのどの奥を見る器具を使って

チューブを肺の入り口付近まで差し込むため

術後に喉がひりひりしたり痛みを覚えることがありますが

術後数日で症状は治まります。

喉に異物が入るため、術後は痰が出やすくなります。

術後の咳払いは傷の痛みもあって辛いですが

肺炎防止のためにも、できるだけ吐き出すようにします。


局所麻酔とは

麻酔薬によって脊髄神経、または末梢神経のある部分で

神経遮断を行う麻酔のことを言います。

局所麻酔にはいくつか種類があります。

最近主流となっているのが、硬膜外(こうまくがい)麻酔

と呼ばれるものです。


硬膜外麻酔というのは

脊椎(背骨)の中にある脊髄の側まで針を刺して,

その中にカテーテル(細いチューブ)を通し,

脊髄を包んでいる硬膜の外側(硬膜外腔)にカテーテルを留置します。

そこから麻酔薬を注入します。


よく似た麻酔に腰椎麻酔があります。

硬膜外麻酔と違うところは、薬液を注入する場所の違い だそうです。

腰椎麻酔の場合は、髄液の流れる場所に直接チューブを射すので

頭の位置が低くなると、髄液に入った薬液が

頭部に流れ込んで、激しい頭痛を起こす場合があります。

また、麻酔の効果は早く現れますが、効果の効く時間が

短時間に限られるという点があります。


どちらの方法も全身麻酔の場合と同じく

各種モニターを付けた後、

手術台の上に横向きに寝て、エビのように背中を丸くします

表面麻酔をかけて針を刺す痛みを感じにくくしてから

脊椎(背骨)の間に針を入れて、麻酔薬を注入します。

針を刺すときにビクッとした感覚

薬液が注入されるときにはググッと押される感覚がありますが

苦痛を覚えるようなものではありません。

腰椎麻酔なら5分ほどで、

硬膜外麻酔では、20分くらいで痛みを感じなくなります。


硬膜外麻酔の良い点は、分節麻酔が可能だということです。

(腰椎麻酔では不可能です)

分節(ぶんせつ)麻酔というのは、局所麻酔の量を調節することで、;

遮断 する神経の範囲(分節)を変化させられます。

つまりピンポイントでの麻酔が可能ということで

もっとわかりやすく言うと、術後の痛みを軽減させるために

麻酔薬を術後も継続して注入できる ということです。


術後の痛みはこれでかなり軽減できるようになりました。

これと座薬を併用することで、痛みの苦痛は和らげることができます。


麻酔の方法は、術式や病院によって変わってきます。

完全に安全な方法というのは、まずありません。

大変まれではあるものの、麻酔で命を落とす場合もあるということを

しっかりと心に刻んでおいてください。

事前に麻酔のための検査も種々行われますので

麻酔担当医とよく話をして、不安を解消してから手術に臨みましょう